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Googleがアメリカとフランスを結ぶ海底ケーブル「Dunant」の運用準備を整えたと発表

by wck

全世界にクラウドサービスを提供するGoogleなどの大手IT企業にとって、インターネットの通信速度や容量は非常に重要です。そこでGoogleは近年、自社で海底ケーブルを敷設することによってインターネットインフラストラクチャーを充実させる試みを進めており、2021年2月3日にアメリカとヨーロッパを結ぶ海底ケーブル「Dunant」の運用準備が整ったと発表しました。

Google’s Dunant subsea cable is now ready for service | Google Cloud Blog
https://cloud.google.com/blog/products/infrastructure/googles-dunant-subsea-cable-is-now-ready-for-service


Google Dunant cable live w/ deliver record-breaking capacity - 9to5Google
https://9to5google.com/2021/02/03/google-dunant-undersea-fiber-cable/

Google launches transatlantic Dunant subsea cable as cloud sales soar | VentureBeat
https://venturebeat.com/2021/02/03/googles-transatlantic-dunant-subsea-cable-opens-as-cloud-sales-soar/

Googleは世界各地における自社サービスの質を高めるため、以前からさまざまなインターネットインフラストラクチャーへの投資を行ってきました。中でも、非常に大きな容量と高速な通信速度を有する海底ケーブルは、全インターネットトラフィックのうち98%を伝送すると推定されており、クラウドサービスの提供によって収益を得ているGoogleにとって重要なものです。


これまでにGoogleは15本の海底ケーブルに投資を行っており、2019年にはGoogleのプライベートな海底ケーブル「Curie」の設置が完了しました。Curieはアメリカのロサンゼルスからチリのバルパライソまでを結ぶ海底ケーブルであり、全長約1万500kmに及ぶとのこと。

そして2021年2月3日、Googleは新たな海底ケーブル「Dunant」の敷設が完了し、サービスを提供する準備が整ったと発表しました。Dunantはアメリカのバージニアビーチとフランスのサンティレール=ド=リエを結んで大西洋を横断する海底ケーブルであり、名称は赤十字の創設者であるアンリ・デュナンにちなんだもの。

TeleGeographyが提供する海底ケーブルマップ上にDunantを赤色で示すとこんな感じ。


Dunantは1本の光ファイバーに複数のコアを配置して伝送容量を増やす分割多重方式(SDM)を採用し、250テラビット毎秒(Tbps)という驚異的な通信容量を実現しているとのこと。250Tbpsという通信容量は、データ化したアメリカ議会図書館に所蔵されている全書籍を1秒に3回伝送可能なレベルだそうです。

GoogleはDunantの敷設において、Curieの敷設でも協力した海底ケーブル事業者・SubComと協力しています。2018年の発表当初、Googleは2020年後半にプロジェクトを完了させる予定だと述べていましたが、計画より数カ月ほど遅れて完成したことになります。

なお、Googleは2020年7月にもアメリカとヨーロッパを結ぶ海底ケーブル「Grace Hopper」の敷設を発表しており、今後も海底ケーブルの整備を進めていくとのことです。

Googleが大西洋を横断してアメリカとヨーロッパを結ぶ海底ケーブル「Grace Hopper」の敷設を発表 - GIGAZINE

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in ハードウェア, Posted by log1h_ik

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