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VFXでここまで世界を作り出せるという比較映像&実際のBlenderを使った圧巻のメイキングムービーが公開中


映像作家のイアン・ヒューバート氏がインディーズ映画でもここまでのビジュアルエフェクトを作り出せる、というメイキングや解説ムービーを公開しています。小さなスタジオで撮影されたグリーンバックの撮影映像から、壮大な世界観のSF映像が作り出せるという比較ムービーや、実際に3DCGソフトのBlenderを使ってあっという間に映像を完成させるまでを見ることが可能です。

VFX Breakdown - Dynamo Dream Teaser - YouTube


以下は上がグリーンバッグで撮影している様子で、下がVFX後の完成映像を切り取ったもの。2回に分けて撮影された2人の人物が、窓から見える部屋の中で1つの映像として合成されています。


VFX処理中は以下の上の画像のような感じ。


建物の扉から出て……


エレベーターに乗り込みます。撮影セットの右側に男性がいますが、完成映像では全く男性は写りません。


エレベーターで階下に移動している最中。最終的に完成した映像では場面がどんどん変化していますが、撮影時の役者はじっと立っているだけです。


エレベーターから降りて、お店の中へ。


ここに来てやっと女性が男性の元へ向かいます。


男性はフードトラックの販売員でした。注文や支払いを済ませます。


もともとセットされていたイスに座って映像を鑑賞している風。


商品を受け取った後に再びエレベーターに乗り込み……


日の落ちた町並みを見つめます。


そして今度は別の階にある駅構内に入っていく……と、完成映像の中ではどんどん場面が変わっていくにも関わらず、実際には1つの場所を行ったり来たりしながら撮影を行っていたわけです。


上記のようなVFXはオープンソース3DCGソフト「Blender」のモーショントラッキング機能を使って作成しているとのこと。実際にどのような処理が行われているのかは、以下のムービーで解説されています。

Blender Motion Tracking - Room Transformation! - YouTube


これがBlenderのモーショントラッキング編集画面。まずは背景となる3Dファイルを開きます。


背景のさまざまなところをクリックしてポイントを打ちます。


この状態でカメラを動かすと、打ったポイントがどのように動いたのかという軌跡が赤色で表示されます。


画面の右上に表示されているのが、3Dの背景を斜め上の角度から見たもの。打ったポイントの位置関係がよりはっきりわかります。


シーンの中心となる原点を選び、床を示す別の3点を選んだら……


シーンに加える立体物を選択。今回は「Monkey」が選択されていました。


すると、選択したポイントを中心に3Dのサルが合成されていました。


サルは選択したポイントと合わせて配置されるので、カメラが動いてもポイントの軌跡に合わせてサルの向きも変化します。このため全く別のものを合成してもカメラを動かした時のズレがなく、非常に自然な映像に仕上がるわけです。


ヒューバート氏はこれを、「暗闇の中に小さな電球を色んな位置に配置した」例で説明。カメラを動かして電球を撮影すると、カメラに近い方の電球は速く、奥の電球はゆっくりと動いて見えます。3D映像の場合はさまざまな場所にポイントを打つことで、その速度や見え方の違いから「カメラがどう動いているのか」をより明確にでき、正確に合成ができるわけです。


より複雑な例が以下。キッチンで料理した後の女性が……


ダイニングに移動してテーブルにつくシーンです。


部屋と部屋をまたがって撮影されたこのシーンは立体構造が複雑で、場所によって深度もさまざまなので、最初の3Dファイルとは比べものにならないほどの量のポイントが打たれていきます。


カメラが動くと、ポイントがどのように動いたかという軌跡が赤色で表示されます。


うまくトラッキングできないポイントもあるので、不要なポイントは手動で消し、ノイズを減らしていきます。


画面右上に、空間のどこにポイントを打ったのかが可視化されています。


最初と同様にいくつかのポイントを選択して原点と床を指定し……


カメラの位置を指定。


この状態で壁を作っていきます。


カメラと部屋との間に壁や窓を作ると……


こんな感じ。


オブジェクトの種類や素材を選択していきます。


窓の位置を選択し……


そこから見える景色を指定。


こんな感じ。


壁を塗っていきます。


実際には部屋の中の様子が撮影されただけですが、まるで窓の外から撮影されたような光景に。


高層階ということで、窓に格子をはめて……


観葉植物も配置。


さらにテクスチャを追加していきます。


最終的にこんな感じで、グリーンバッグがなくとも映像を合成できました。

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in 動画, Posted by darkhorse_log

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