「ブラックパンサー」のVFXをどう作ったかをアニメーションスーパーバイザーが解説するムービーが登場
マーベル・スタジオによるスーパーヒーロー映画「ブラックパンサー」のVFX(視覚効果)がどのように生み出されたのか、VFX制作を担当したメソッドスタジオのアニメーションスーパーバイザーが語ってくれるムービーが公開されています。
How Black Panther's Visual Effects Were Made | WIRED - YouTube
解説をしてくれているのはメソッドスタジオのVFXスーパーバイザーであり、「ブラックパンサー」ではアニメーションスーパーバイザーを担当したダレル・ソーチャック氏。
ブラックパンサーの主な舞台はアフリカの小国・ワカンダ。メソッドスタジオではVFX用に3600平方kmのデジタル空間を作り出しました。一例として出されたのは、ブラックパンサーが撃墜された戦闘機から姿を見せるシーン。
当然ですが、ワカンダなどという国はないので、このロケーションはすべてメソッドスタジオによって生み出されたものです。ブラックパンサーの姿は、立方体にブラックパンサーを演じるチャドウィック・ボーズマンが上るという形で撮影。
合成素材は、背景の空部分と……
その下に合わせる山並みと川。
そして撃墜された戦闘機。
さらに煙や炎を加えれば完成です。
このほか、戦闘シーンではデジタル版のボディダブルである「デジタルダブル」が使われています。これが完成版。
撮影時とはやや体形やマスクの細かい部分が異なっています。
アクションシーンでは、攻撃される側はそのまま俳優が演じていますが、攻撃するヴィランのキルモンガーはアクションスタントマンが担当。
まずスタントマンを消して……
空部分を変更。
背景を変更。この時点ではちょっと俳優が背景から浮いているように見えます。
草を追加
周りで戦う戦士たちを追加
向こうから突っ込んでくるサイと騎乗兵を追加
最後にデジタルダブルのキルモンガーを合わせます。この時点では位置を合わせただけなので、キルモンガーの足が前に出ていますが……
重なりを修正して、遠くを霞ませるなど「空気感」を補正して完成。
CGが多用されている作品なのはわかるのですが、意外なところが実写そのままだったりするのが面白いところです。
なお、メソッドスタジオではこれまでにもいろいろな映画やゲームのVFXを手がけてきており、ダニエル・ラドクリフが「便利な死体」役を演じた異色の映画「スイス・アーミー・マン」や2014年公開のリメイク版「ロボコップ」などはメイキング映像がVimeoの公式チャンネルで公開されています。
Swiss Army Man - VFX Breakdown by Method Studios on Vimeo
Robocop - Making of on Vimeo
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