映画「シェイプ・オブ・ウォーター」のVFXが「ここまで使われているのか!」ということがよくわかるムービー
「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロ監督の最新作でアカデミー賞では作品賞など4部門を受賞した「シェイプ・オブ・ウォーター」ではVFXがどこで使われているのか?ということを明らかにしたムービーが公開中です。もちろん半魚人の「彼」はVFXなのですが、「こんなところに???」という部分にまでVFXが使われていることがよくわかります。
The Shape Of Water VFX Showreel
まずは、ライトのついた看板の向こう、建物が燃えているという光景。
上記のもととなった街並みはこんな感じ。看板がなく、奥に建物はありますが、奥行きは異なります。
看板を追加し、実際の建物を取り除いて、奥に別の建物をCGで置きます。
前方の車が取り除かれ、火災が発生。雨上がりのように道路が水浸しになります。
再度車が配置され……
全体的に画面が暗め&コントラストが強めになり、看板にライトがともって完成形になりました。
続いては、グリーンバックのスタジオにゼルダ役のオクタヴィア・スペンサーが立っています。これは何のシーンかというと……
航空宇宙研究センターで仕事をしている場面。
何もないところに航空用エンジンが出現。
エフェクトを重ねるとさらにリアリティーが増します。ライティング調整すればエンジンの元でゼルダとイライザが掃除をしている様子が浮き彫りになりました。
続いては日中の街並み。これも向かって左側がグリーンバックになっています。
まずは建物が一斉に消され……
左半分の光景が総入れ替え。
道の脇に木が植えられたり、建物に窓がつけられたり。
残っていたグリーンバックを処理し、電線を張り巡らせば1960年代のアメリカが再現されました。
続いて、イライザが水辺に向かうシーン。
まずは左側にあった船が全て消され……
建物や人工物が一掃されました。
新たに建物が建てられ……
船などを配置。地上の変化に合わせて水面の映り込みも変化しています。
これが完成形。
半魚人らしい「彼」も最初はこんな感じ。偽物感がすごいです。
「彼」の前でイライザが軽やかな足取りで掃除するシーンです。
完成した映像がコレ。
ここまでリアリティーが増すのか……!と思わされるワンシーン。
明らかに作り物っぽい「彼」が……
このようになります。
これは何のシーンかというと……
イライザが指先で水滴をもてあそんでいる場面。窓に張り付く水滴や、動く水滴さえもVFXです。
扉が開くと部屋に一気に水が流れ込むというシーンは……
扉に複数のチューブが設置され、そこから水がじゃーっと流されていました。テーブルやバスケットなどもグラフィックで作られました。
チューブが消され、部屋の奥から水が流れ出だすシーンが完成するわけです。
ムービーではこの他にもVFXによって映像がどのように加工されているのかが示されており、映画の予習になるとともに、映画鑑賞後に見ても感慨が深まりそうです。
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