「シェイプ・オブ・ウォーター」などの有名作品に多数出演しながら顔を知られていない「着ぐるみ俳優」はどんな人なのか?
数多くの有名映画でかなりの時間スクリーン上に映っているにも関わらず、観客に顔を知られることのない俳優が「着ぐるみ俳優」です。常に着ぐるみに身を包んでいる「着ぐるみ俳優」の第一人者に焦点を当てたムービーが、YouTubeで公開されています。
The Most Famous Actor You’ve Never Seen
「私は31年間、映画やTVドラマに重要な役で出演し続けてきました」と語る男性。
「でも、あなたは私の顔を知らないかもしれませんね」
ダグ・ジョーンズさんは着ぐるみの中に入って演技をする、着ぐるみ俳優の第一人者です。
アメリカ生まれのジョーンズさんは、ボールステイト大学に在学していた時からパントマイムを始めたとのこと。
ジョーンズさんは「パントマイムは視覚的なコミュニケーションであり、そして娯楽でもあります」と話します。
パントマイムの経験がのちのち自分の仕事に大きく役立つとは思っていなかったそうです。
ジョーンズさんは1985年にハリウッドに移住して、役者としての仕事を探し始めたとのこと。
「ハリウッドで見つけた4つ目の仕事が、マクドナルドのキャンペーンだったんです」
「『あのヘンテコな衣装を身につけて難なく動けて、背の高くて痩せた男。そしてその間文句を一つも言わない』という条件にピッタリだったのが私です」とジョーンズさんは冗談めかして語りました。
ジョーンズさんが最初に出演した長編映画は「バットマン リターンズ」。
「この特技があったから、役を勝ち取れたんです」と言ってジョーンズさんは足を頭の後ろに持ち上げて見せました。
「バットマン リターンズ」以降、「ホーカス ポーカス」や「ヘルボーイ」シリーズなど150以上の映画やドラマに出演。
その中でジョーンズさんがキャリアのターニングポイントとして挙げたのが「パンズ・ラビリンス」のパン役。
「『ファンタスティック・フォー』ではシルバーサーファーを演じ……」
「『スタートレック:ディスカバリー』ではサルー船長を演じています」とジョーンズさんは自分の有名な出演作品を挙げていきます。
「最近では『シェイプ・オブ・ウォーター』で半魚人を演じました」とのこと。なお、「シェイプ・オブ・ウォーター」は2018年3月4日(現地時間)に発表された第90回アカデミー賞で作品賞・監督賞・美術賞・作曲賞の4冠に輝きました。
「着ぐるみを着て、メイクを施すのにかかる時間は演じるものによってバラバラです」とジョーンズさんは語ります。
背中からスーツに身を通すだけのこともあれば、頭からつま先まで「変身」することもあるそうです。
「スタートレック:ディスカバリー」のサルー船長はおよそ2時間程度かかるとのことですが、ジョーンズさんによればこれは短い方で……
「ヘルボーイ」のエイブ・サピエンの場合は7時間もかかったそうです。
「着ぐるみを装着した状態は、きっとあなたが想像する以上に暑くて、重くて……」
「思ったよりもブカブカで、さらに脱いだり着たりするのが大変です」とジョーンズさんは語ります。
「メイクにどれだけ時間がかかるかを思うと、気軽にトイレに行くことすらできません」とのこと。
ジョーンズさんは着ぐるみを着ているものの、モンスターの動きによって感情やストーリーを表現したいと語ります。
「私は映画に出演する俳優でありながら、私生活では単なる痩せて背の高いだけの男です。これは一種のギフトだと考えています」とのことで、ジョーンズさんは有名作品に出演する俳優でありながらも私生活が穏やかなものであることに感謝しているようです。
しかし、第90回アカデミー賞に13部門でノミネートされた「シェイプ・オブ・ウォーター」でオスカー候補として公に認められていることもあり、多少は顔を知られつつあるとのこと。
「しかし、まだしばらくは静かな日々が続きそうです」とジョーンズさんは述べています。
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