Googleが黒人差別抗議デモを扱ったサイトを「ポリシー違反」として広告収益の支払いを停止
by Thomas Hawk
Googleが、黒人差別抗議デモなどについて取り扱った2つのサイトにポリシー違反の警告を発し、そのうち1つのサイトに対する広告配信を停止したことが判明しました。
Google bans website ZeroHedge from its ad platform over comments on protest articles
https://www.nbcnews.com/tech/tech-news/google-bans-two-websites-its-ad-platform-over-protest-articles-n1231176
Google Ads bans Zero Hedge for racist content, but reverses decision on The Federalist - The Verge
https://www.theverge.com/2020/6/16/21293285/google-ads-bans-the-federalist-zero-hedge-racist-content-discrimination-demonetization
Google bans right-wing sites The Federalist and ZeroHedge from using ads to make money | Daily Mail Online
https://www.dailymail.co.uk/news/article-8428721/Google-bans-right-wing-sites-Federalist-ZeroHedge-using-ads-make-money.html
今回、Googleからポリシー違反との指摘を受けたのは、右翼系金融ブログのZeroHedgeと、保守系のニュースサイトThe Federalistです。この問題を報じたニュースサイトNBC Newsによると、ZeroHedgeは2020年6月の第2週に、The Federalistは6月15日にそれぞれGoogleからポリシー違反と是正の勧告を受け、ZeroHedgeは6月16日にGoogleの広告プラットフォームから削除されたとのこと。
by Cornell University Library
IT系ニュースサイトThe Vergeによると、ZeroHedgeはブラック・ライヴズ・マター(BLM)運動について取り上げた記事の中で、「BLMはユダヤ人投資家のジョージ・ソロス氏を介した、事実上のCIAの工作である」と主張したほか、黒人差別抗議デモで発生した暴力事件や略奪について「左翼のアナーキストとANTIFAが原因である」とする言説を記事中で引用していたとのことです。また、The Federalistは2017年10月まで、「Black crime(黒人犯罪)」というタグを使用して、アフリカ系アメリカ人による犯罪を扱った記事をまとめていました。
NBC Newsは「Googleはまた、抗議デモに関連した記事に寄せられたコメントについて、政府に通報しました」と述べて、記事のコメント欄にも原因があったことを指摘しました。
Googleの広報担当者はNBC Newsに送付した電子メールの中で、「ZeroHedgeは人種差別に関連するコンテンツを規定したポリシーに違反したため、収益化が解除されました。我々は、広告を掲載できるコンテンツを管理する厳格なパブリッシャーポリシーを定めており、人種にもとづく憎悪、不寛容、暴力や差別を助長する侮辱的なコンテンツの収益化を明示的に禁止しています。ページやサイトが当社のポリシーに違反した場合、当社はこれに対応します」と述べました。
一方、The FederalistはGoogleが指摘した問題に対応したため、広告収入の支払い停止措置は行われませんでした。Googleはその理由について「The Federalistがコメント欄を削除したため、問題は解決したとみなされました」と説明しています。
We worked with them to address issues on their site related to the comments section.
— Google Communications (@Google_Comms) June 16, 2020
オンライン広告会社TrueXのコミュニケーションおよびコンテンツ担当ヴァイスプレジデントであるキャロライン・マッカーシー氏は、「広告主である企業は、Googleやそのほかの広告会社に広告の掲載場所についての責任を負わせる必要があります」と話して、Googleの対応を支持しました。
一方、イギリスの日刊紙Daily Mailは「ソーシャルメディアを独占する一握りの企業が、アメリカの公私にわたる通信の大部分を支配しています」と述べて、Googleの対応を非難しました。
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