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「新型コロナウイルスの感染者グラフ」が招く誤解とは?


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を示すグラフは多くのニュースやメディアで登場しますが、グラフには基本的に「強調していること」があり、それゆえ「隠れていること」も存在するとして、グラフを見るときの注意点がYouTubeで解説されています。

How coronavirus charts can mislead us - YouTube


COVID-19の感染者を示すグラフを見る上で、誤解を防ぐための注意点は大きく分けて4点。


まず、このグラフは全てのCOVID-19の症例を示すものではなく、「感染が確認されている症例」のみを示すものであること。このため、全ての国のアウトブレイクを正確に表すとはいえません。たとえば、韓国と日本は差が顕著に出ていますが、これは日本の検査数が少ないため。


3月10日の時点で韓国では21万件以上の検査が行われていたのに対し、日本の検査数はわずか9600件です。


大量に検査を行った韓国では徐々にアウトブレイクが落ち着いてきていますが、一方で検査数が追いついてくると日本の状況はより切迫していきます。


つまり、検査数や検査の精度を抜きにして「確認症例数」の意味は理解できないということ。貧しい国ではアウトブレイクが起こっていないように見えますが、これも検査数が大きく関係します。


2つ目の注意点は、グラフのY軸について。典型的なグラフには均等目盛が使われますが、COVID-19のグラフには対数目盛が使われることがあります。均等目盛では目盛と目盛の間隔が「1000ずつ離れている」といったように均等ですが……


対数目盛では、目盛の間隔が数倍ずつ上がります。以下のグラフを見ると、下から目盛が1000、1万、10万と、10倍ずつ大きくなっているのがわかります。


このため最初の10万人と……


次の10万人で、「幅」が大きく異なります。数字が大きくなれば大きくなるほど、グラフ上に表れる「幅」は圧縮されます。


なぜ対数目盛が使われるのかというと、均等目盛だとイタリアが突出して危機的に見える状況でも……


対数目盛だと他の国もイタリアと同じ轍を踏んでいることが分かるためです。感染症は数の増加が急激であるため、より明確に警告を知らせてくれる対数目盛の方が役立つと言えます。


また、各政府がロックダウンしたあと、対数目盛のグラフでは流行の勢いが落ち着いていったことがわかりますが、均等目盛のグラフの場合は、これも読み取れません。


ただし、対数目盛の場合は、グラフの上の方で示されるわずかな差が、大きな数になっているという点には注意すべき。


対数目盛だとアメリカとスペインの差は小さく見えますが、均等目盛だと大きな差が示されていることがわかります。


3つ目の注意点は、グラフが人口の総数を無視しているということ。人口を考慮すると、検査数が多いということもあって、ルクセンブルグやアイスランドといった国の流行が際立ちます。


アメリカや中国は人口が大きいため、人口を考慮するとグラフは少し低くなります。ただし、人口は確認症例数の増加の「勢い」には影響しません。


また「国」というレベルでグラフを作ることで、国内の特定地域での大流行が見逃されがち。ニューヨークでの流行は、アメリカ全体の流行よりも大きなものとなっています。


そして、注意すべき4点目は、X軸が日付ではなく「各国が100件の症例を記録してからの経過日数」となっていること。イタリアは2月24日、トルコは3月19日と、原点の日付はばらばらです。


感染症との対策は時間との勝負です。早期に対策を行うか、対策に遅れを取るかで大きな差が出るため、先に感染が広がった国よりも、後に流行が起こった国の方が準備時間が多く取れます。「国によって政府がより長い準備期間を持っていた」という事実は見過ごされるべきではないとのことです。

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in 動画, Posted by darkhorse_log

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