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新型コロナウイルスが指数関数的に流行している可能性が示唆される


中国の湖北省武漢市で発見された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2020年1月下旬から中国国外へと流行が拡大しています。中国を除いた地域での感染者数をまとめたグラフをYouTubeの数学解説チャンネル・3Blue1Brownが公開しており、約1カ月半で指数関数的に流行が拡大していることがわかります。

Exponential growth and epidemics - YouTube


以下のグラフは、2020年1月22日(水)から2020年3月6日(金)までの、中国本土を除いた総感染者数の推移を示すグラフです。縦軸は感染者数、横軸は日数を表しています。


1日ごとに、感染者数は前日の約1.15倍から約1.25倍に増加し続けており、「指数関数的に増加している」とサンダーソン氏は指摘しています。


「N」は1日の感染者数、「E」は感染した人が毎日接触する平均人数。「p」は感染者の接触によって感染に至る確率とすると……


1日の新しい感染者数は、以下の式で表されます。「d」は日数を表す変数です。


上記の式を以下のように表すと、Ndはある日の感染者数、Nd+1は1日後の感染者数となり、(1+E*p)は感染者数の増加率として表すことができます。Nは1日あたりの感染者数であることから、感染者数が増えるほど感染が早く拡大すると言えます。


どのくらい早いペースで感染者数が増加しているのかは、以下のグラフを見るとよく分かります。以下のグラフでは、縦軸の感染者数を示す目盛りを、10、100、1000……と、10のべき乗で表しており、グラフは直線に近い形状になります。


このグラフを見ると、約20日間で感染者数が100人から1000人に増加し……


約13日間で、感染者数が1000人から1万人に増加しているのが分かりやすく表されます。


そして、グラフの傾きから、平均して約16日ごとに感染者数が10倍になるという予測が導き出されます。


もし今後も、約16日ごとに感染者数が10倍になるなら、30日後の2020年4月5日頃には100万人、47日後の2020年4月22日には1000万人、64日後の2020年5月9日には1億人、81日後の2020年5月26日には10億人に達することになります。


「もちろん、このような増加が続くとは限りません」と語るのは、3Blue1Brownの運営者であるグラント・サンダーソン氏。重症急性呼吸器症候群(SARS)の感染者数は約8000人で収束し、スペインかぜは当時の世界人口の約27%、およそ5億人に感染して収束しています。サンダーソン氏は「新型コロナウイルスによる感染症も、どこかで収束する可能性は高いです。問題は、それがいつになるかということです」と述べています。


また、感染者数は必ず地球の総人口を上回らないことから、「pop. size」を総人口、感染者の接触によって感染に至る確率「p」を、「1-総感染者の割合」として表すと……


総感染者数「N」の推移を表す計算式は、ある一定の値で収束するロジスティック方程式で表すことができます。グラフの縦軸は感染者数、グラフの横軸は日数です。ロジスティック曲線の収束点は、最悪の場合、地球の総人口となります。


ロジスティック曲線も途中までは指数関数的増加をたどりますが、「変曲点(Inflection point)」を境に増加率が減少し始めます。感染者数の増加であれば、増加率の変動が少なくなり、減少に転じる点が変曲点と見なされます。


感染者数が増加している間、ある日の感染者数を前日の感染者数で割った成長因子は1を超えた値になります。例えば、3月4日の成長因子は、3月4日の感染者2964人を3月3日の感染者数2159人で割った値、約1.37になります。成長因子が1を超えている時は、ロジスティック曲線は指数関数的に増加し、1を下回ると収束へ向かいます。


例えば、現在の感染者数が約2万1000人として、成長因子が1.15を保っていると、61日後の感染者数は1億人を超えることになります。


成長因子が1.05まで低下したとしても、61日後の感染者数は40万人となります。


サンダーソン氏は「『成長因子を下げるためにはどうすればいいのか?』という問題の答えは、各個人が旅行などの外出を避け、人の集まるところに行かないようにし、手をよく洗うなど、予防を心がけることです」と語っています。


感染の拡大そのものに関しては、ムービー中では考慮していない点がいくつかあります。感染者が感染したままでいる時間や、回復した人、または死亡した人はウイルスを広めることができないという点などを詳細に反映していないため、ムービー内で示されたグラフは「現実的なグラフではなく、タイムリーな事例研究として、指数関数およびロジスティック方程式についてを解説するためのグラフ」であることをサンダーソン氏は強調しています。

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in サイエンス,   動画, Posted by log1m_mn

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