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1973年からの産油国トップ10に見る過去半世紀にわたる栄枯盛衰の歴史


新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の鈍化や原油備蓄容量の限界到達などを背景に、原油の先物価格が史上初のマイナスを記録するなど、原油を取り巻く経済環境が空前の事態を迎えつつあることが取り沙汰されています。そんな中、オイルショックにより原油価格が歴史的な高値を記録した1973年からの原油生産量の推移をわかりやすいグラフにしたムービーが登場しました。

[OC] Top Countries By Crude Oil Production Since 1973 from r/dataisbeautiful


ムービーを作成したのは、オンライン掲示板Reeditユーザーのu/worldwideengineering氏。このムービーでは、経済協力開発機構(OECD)が発表した1973年2月~2019年1月の月ごとの産油国トップ10を、産油量を表す棒グラフとともにランキング形式で表示しています。

1973年2月のトップ10がこれ。1位がアメリカで産油量は日量平均約919万バレルです。そして、ソビエト連邦の834万バレル、サウジアラビアの762万バレル、イランの586万バレル、ベネズエラの335万バレル、クウェートの300万バレル、リビアの215万バレル、ナイジェリアの206万バレル、イラクの201万バレル、カナダの179万バレルがこれに続きます。


翌年になると、アメリカが首位から陥落しソ連が1位の座につきました。これ以降、アメリカはシェールオイルの生産が本格化する2010年代後半になるまで1位に返り咲くことはありません。また、1973年中に急激に勢いを落としていたリビアがランキング圏外に脱落し、アラブ首長国連邦(UAE)に取って代わられてしまいます。


さらに、1975年末にはそれまで3位だったサウジアラビアがアメリカを抜いて2位になりました。


また、1975年に1カ月間だけ10位に食い込んでいた中国が1977年に再度ランクイン。これを機に中国はトップ10の常連になります。


1980年代に入るとサウジアラビアが急減速して再びアメリカが2位に。


しかし、1990年にサウジアラビアが再度生産量を急拡大させ、アメリカを抜き去り……


翌年の1991年には1位に躍り出ました。一方、崩壊を目前にしたソ連は産油量を急激に落としています。


1991年12月にはついにソ連が崩壊。ロシアが第3位の地位を引き継ぎました。


1998年11月になると、ロシアがアメリカを抜いて2位になりました。これ以降、1位サウジアラビア、2位ロシア、3位アメリカ、4位イランという状況が長く続きます。また、下位に目を向けると、ノルウェーやイギリスといった北欧の地域が強みを見せているのが印象的です。


2006年に入ると、ロシアが再び急伸して1位に。一方、北欧勢は圏外に消えてしまいました。


また、2011年4月にはじわじわと追い上げていた中国がイランを抜いて4位にランクインしました。


2013年に入りシェールガス革命が取り沙汰されるようになると、アメリカが猛追を開始。


一方、ベネズエラは2017年2月に脱落していまいました。


そして、2018年1月にアメリカが45年ぶりの首位奪還を果たしました。


ムービーが終了した2019年1月のランキングがこれ。産油量を1973年と比べると、1位のアメリカが1218万バレルで33%の増加、2位のロシア(1973年当時はソ連)が1084万バレルで30%増、3位のサウジアラビアが984万バレルで29%増、4位のイラクが472万バレルで135%増、5位のカナダが440万バレルで144%増、6位の中国が382万バレルで251%増、7位のUAEが340万バレルで101%増、8位のイランが300万バレルで49%増、9位のクウェートが288万バレルで4%減、10位のナイジェリアが195万バレルで8%減という結果となりました。

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in 動画, Posted by log1l_ks

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