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原油の先物価格が史上初のマイナスで取引終了、産油国は協調減産するも需要が大幅減少中


ニューヨーク商業取引所の原油先物市場で、期近5月物が史上初のマイナス価格である「1バレル マイナス37.63ドル(約4050円)」で取引を終えました。価格はいっとき、マイナス40.32ドル(約4300円)にまで下がりました。

NY原油先物、初の価格「マイナス」 5月物投げ売り殺到  :日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58291780R20C20A4000000/


「投げ売り」状態となったのは5月物だけで、6月物は1週間前と比べて1割ほど安い1バレル20.43ドル(約2200円)で取引を終えています。

価格下落の要因としては、新型コロナウイルス感染拡大により企業活動が抑制されてエネルギー需要が減っていることや、一般市民が外出規制を受けていてガソリンなどの需要が落ち込んだことが挙げられます。


また、原油の備蓄容量が限界に近く、容量を確保するためには別途コストがかかるため、買い手がつかないという状況もあります。アナリストの小菅努氏は、この状況を「誰も原油を欲しいと思っていない」「完全なコスト割れだが、もはや在庫貯蔵能力の限界が見えてくる一方、生産を完全に停止できない以上、いくらでも良いから在庫を手放したいとのニーズが発生している」と表現しています。

原油価格暴落でも買い手不在の理由、もはや価格の問題ではない(小菅努) - 個人 - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/kosugetsutomu/20200420-00174379/

なお、2020年3月にOPECプラスの会合が不調に終わった時点で、原油先物価格は数年ぶりの低水準に落ち込んでいました。

産油国間で原油価格引き下げ戦争が勃発、新型コロナウイルスの脅威にはプラスとの指摘も - GIGAZINE


その後、2020年4月13日にOPECプラスは「日量970万バレルの協調減産」で最終合意を迎えました。970万バレルの減産は過去最大級の施策ですが、一方で、世界の原油供給量の約10%でしかなく、需要の推定量を大幅に下回るものです。

CNN.co.jp : OPECプラス、日量970万バレルの減産で合意
https://www.cnn.co.jp/business/35152286.html

ちなみに、原油先物の価格が初めて1バレル100ドルを突破したのは12年前、2008年2月のことでした。

原油の先物取引市場の終値、初めて1バレル100ドルを突破 - GIGAZINE


・つづき
原油の先物価格がマイナスになった裏で暗躍し大もうけした投資会社が存在する - GIGAZINE

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in メモ, Posted by logc_nt

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