ダイヤモンドを原油から爆速で作る方法が開発される
天然で最も硬い物質として知られるダイヤモンドは、高価な宝石として知られるほか、電子部品やガラス、研削・研磨用の工具など、工業にも応用されており、文明社会にとってはなくてはならない物質です。しかし、人工ダイヤモンドの生産にはどうしても時間がかかってしまうのが難点でした。そんな人工ダイヤモンドを原油由来の物質から一瞬で作り出すことができる技術を、スタンフォード大学の研究チームが発表しました。
Facile diamond synthesis from lower diamondoids | Science Advances
https://advances.sciencemag.org/content/6/8/eaay9405
Modern Alchemy: Stanford Finds Fast, Easy Way to Make Diamonds – “Cheating the Thermodynamics”
https://scitechdaily.com/modern-alchemy-stanford-finds-fast-east-way-to-make-diamonds-cheating-the-thermodynamics/
Stanford scientists turn fossil fuel molecule into pure diamond
https://newatlas.com/materials/synthetic-diamond-stanford-fossil-fuel-molecule/
ダイヤモンドは、地中深くにあるマントルの近くで何億年という長い年月をかけて高温・高圧下におかれることで、炭素分子が結晶化したものです。マントルの近くで生成されたダイヤモンドは火山の噴火によって地表近くまで持ち上げられ、急激な温度低下によって「キンバーライト」と呼ばれる火成岩に含まれる形で、人類の手が届く場所に現れます。こうした珍しい生成プロセスから、ダイヤモンドは入手難度が高く、貴重な鉱石として扱われてきました。
1954年に、アメリカの研究者が2000℃・10ギガパスカル以上を生み出せる装置を使い、史上初めて人工ダイヤモンドの合成に成功。その後、より純度の高いダイヤモンドを合成できる化学気相成長(CVD)法も考案され、技術の進歩とともに人類は天然のダイヤモンドと遜色ない出来の人工ダイヤモンドを合成できるようになりました。人工ダイヤモンドの歴史と作り方については、以下の記事を読めばよくわかります。
天然と区別がつかない人工ダイヤモンドの作り方 - GIGAZINE
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