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「ダイヤモンドは永遠の輝き」でもダイヤモンド業界は永遠ではなさそうだという指摘

by Colin Behrens

1世紀以上もの長きにわたりダイヤモンド業界を牛耳ってきたデビアスと、デビアス率いるシンジケートの構成企業たちが苦境に立たされていると報じられています。

Diamond Industry's Elite Club Is Starting to Show Cracks - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-07-29/the-elite-club-that-rules-the-diamond-world-is-starting-to-crack

ダイヤモンド原石の世界最大手であるデビアスグループは採掘・加工・販売といったダイヤモンドの流通過程のほぼすべてを担う「中央販売機構(CSO)」を支配しています。

以下の地図は、Bloombergによる「CSOのダイヤモンド流通経路を表した地図」。南アフリカ・ナミビア・カナダといった原産国から採掘されたダイヤモンド原石は、インド・イスラエル・ベルギーで切削や研磨といった加工を受けて、アメリカや中国といった主要な市場に卸されます。


CSOからダイヤモンドの供給を受けるためには、デビアスの認定を受けた「サイトホルダー」と呼ばれるバイヤーになるしか方法はありません。サイトホルダーになれるのはデビアスの厳しい審査をくぐり抜けた一握りの企業だけですが、一度加盟できればダイヤモンドを独占的に扱うことが可能になるため、かつては「サイトホルダーになれればダイヤモンド業界での成功は約束されたも同然」と考えられてきました。

しかし近年では、靴・ハンドバッグ・リゾート旅行などに押される形で高級宝飾品の販売が低迷しており、ダイヤモンド業界の市場調査を行うPolished Pricesの報告では、ダイヤモンド原石の価格は2019年に入り6%も下落したとのこと。

by Bat Sheva Sida

こうしたあおり受けて、ダイヤモンド原石の最大の購入者だったEurostar Diamondsが2019年4月に倒産するなど、サイトホルダーたちの経済状況は確実に悪化しつつあり、その数も10年で100社以上減っています。状況はデビアスの親会社であるAnglo American PLCも同じで、同社の2019年上半期の売上高を過去3年間の同時期と比較すると、5億ドル(約540億円)も下落したとのこと。

金属・鉱業分野を専門とするアナリストのリチャード・ハッチ氏は「宝石業界と取り巻く環境はまさに破滅的です。需要が不足していて供給過多に陥っており、改善の兆しが見えません」と話しています。デビアスは「ダイヤモンドは永遠の輝き」という名キャッチコピーを生み出しましたが、その輝きは業界の先行きを照らしてはくれないようです。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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