【訃報】「クレヨンしんちゃん」野原ひろし役やロバート・ダウニー・Jr.の吹替で知られる声優の藤原啓治さん死去

「クレヨンしんちゃん」の野原ひろし役を長らく務めたほか、「マーベル・シネマティック・ユニバース」シリーズでロバート・ダウニー・Jr.が演じるトニー・スターク(アイアンマン)の吹替、「鋼の錬金術師」シリーズのマース・ヒューズ役、「ファイナル・ファンタジーXV」アーデン・イズニア役、「交響詩篇エウレカセブン」ホランド・ノヴァク役、「機動戦士ガンダム00」アリー・アル・サーシェス役などを演じた声優の藤原啓治さんが、以前から闘病していたがんのため、2020年4月12日(日)に亡くなりました。55歳でした。

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藤原さんは1964年生まれ、岩手育ち。高校卒業後、文芸座付属演劇研究所に入所して演劇の道に進みました。

声優としては1990年代初頭から活動し、「横山光輝 三国志」では桃園3兄弟の末弟・張飛を担当。1992年から放送が始まった「クレヨンしんちゃん」の野原ひろし役は2016年に病気で降板するまで15年近く担当する代表役となりました。

このほか、アニメ「ギャラクシーエンジェル」シリーズでは俳優・藤村俊二さんっぽい老人キャラクター・ヒューイ中佐役、「鋼の錬金術師」ではエルリック兄弟に大きな影響を及ぼすことになるマース・ヒューズ中佐役、「ケロロ軍曹」では状況に冷静にツッコミを入れるナレーション担当、「交響詩篇エウレカセブン」ではゲッコーステイトのリーダーのホランド・ノヴァク役を担当。

2008年公開の映画「アイアンマン」で担当したロバート・ダウニー・Jr.演じるトニー・スターク役の吹替は、当初は劇場公開版だけでテレビ版吹替はシャア・アズナブル役で知られる池田秀一さんが担当していましたが、「アベンジャーズ」以降は劇場版・テレビ版ともに藤原さんが担当し、こちらも代表的な役となっていました。2020年公開予定の映画「ドクター・ドリトル」でも、引き続きロバート・ダウニー・Jr.演じるドリトル役の吹替を担当しています。

CSチャンネル「ムービープラス」の、声優に注目して映画を放送する企画「吹替王国」の第1弾で特集されたのが藤原さん。ダンディな声と外見な上にサングラスをかけていて、強面の印象ですが、性格はシャイだったとのことで、どこかかわいらしさを感じます。

吹替王国 ＃１ 声優：藤原啓治 SPインタビュー - YouTube


2016年に病気療養のため一時休業。野原ひろし役は森川智之さんが代役を担当し、2017年に正式に交代しました。森川さんは、2017年公開の劇場版「交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1」でも、藤原さんが担当していたホランド・ノヴァク役を引き継いでいます。2018年公開の「ANEMONE／交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」でもホランド役は森川さんが演じましたが、ホランドの兄・デューイ役を担当していた辻谷耕史さんが脳梗塞で急逝したため、藤原さんがデューイ役でシリーズに復帰していました。