サイエンス

ネアンデルタール人が「ひもを作っていた」という証拠が発見され従来の学説が揺るがされる


ネアンデルタール人が繊維からひもを作っていた証拠が発見されました。ひもを作るためには材料となる木の季節性や成長についての知識が必要であり、繊維を編む際の「ねじり」など数学的な技術も要することから、「ネアンデルタール人の認知がヒトよりも劣っていた」というこれまでの学説を揺るがすものとなっています。

Direct evidence of Neanderthal fibre technology and its cognitive and behavioral implications | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-020-61839-w

Researchers Discover The Oldest Handmade String, And It Wasn't Crafted by Humans
https://www.sciencealert.com/researchers-discover-the-oldest-handmade-string-and-it-wasn-t-made-by-humans

ケニオン大学の考古学者であるブルース・ハーディ氏の研究チームがフランスの洞窟で発見したのは、4万1000~5万2000年前のものとみられる全長6.2mmの繊維の破片。これまでに発見された最古の繊維片はイスラエルで発見された1万9000年前のものでした。

以下が発見された繊維片。右側はねじりが分かりやすいように色でハイライトが付けられています。


ネアンデルタール人は約40万年前に出現し、2万数千年~4万年前ごろに絶滅したと考えられています。今回新たに発見された繊維は、その発見場所や時期からネアンデルタール人によって作られたものだとハーディ氏はみています。

「繊維をねじることの意味を理解し実際に使っていたということは、『一対』『組』『数』といった数学的な理解と複雑な多要素技術の理解をしていたことを意味します。今回の発見は、近年に発見されたさまざまな証拠に加わる形で、『ネアンデルタール人は現生人類よりも認知的に劣っていた』という考えを揺るがします」とハーディ氏は述べています。


発見された繊維片は火打ち石の持ち手か、ネットやバッグの持ち手の一部だとみられています。このようなひもが発見されたということは、布やバスケット、マット、ボートなどが作られていた可能性もあり、これまで研究者が考えていたよりも、ネアンデルタール人は洗練された生活を送っていたとも考えられます。繊維は腐食しやすいため現代まで残りにくいため、研究者はネアンデルタール人の生活を、これまでは骨や石といった遺物から推測してきました。

ただし、一部の専門家は、発見された繊維片が初期の人類によって作られたものである可能性を指摘しています

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in サイエンス, Posted by logq_fa

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