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Alexaに救いを求めていた音声が亡くなった新型コロナウイルス患者のスマートスピーカーから見つかる

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2020年4月10日の時点における新型コロナウイルスによる死者が世界で9万人を突破するなど、犠牲者の増加に歯止めがかからない状況が続いています。そんな中、新型コロナウイルスに感染し隔離されながらも老人ホームで生活していた女性の死後、スマートスピーカーから、Alexaに救いを求めていた音声が見つかったことがわかりました。

Nursing home COVID-19 patient asked ‘Alexa’ for help before death | WOODTV.com
https://www.woodtv.com/health/coronavirus/nursing-home-covid-19-patient-asked-alexa-for-help-before-death/

Nursing home coronavirus patient asked Alexa for help before dying
https://nypost.com/2020/04/08/nursing-home-coronavirus-patient-asked-alexa-for-help-before-dying/

‘How Do I Get Help?’ Dying Coronavirus Patient Asked Alexa - The New York Times
https://www.nytimes.com/2020/04/09/us/Coronavirus-Alexa-ask-for-help.html

2020年4月4日に、アメリカのミシガン州シダー・スプリングスにある老人ホームMetron of Cedar Springsに入居していたルーアン・デーゲンさんが、新型コロナウイルス感染症の症状により緊急搬送された病院の緊急治療室で死亡しました。66歳でした。


ルーアンさんは、2008年に2回の脳卒中に見舞われたことで左半身がまひし、それ以来10年以上にわたりMetron of Cedar Springsで生活していました。姉のペニー・デーゲンさんはルーアンさんの人となりについて「彼女は昔から才能が豊かな人でした。よくピアノやオルガンを弾き、歌を歌っていました。また、腹話術やギターも得意でした。子ども向けの本を書いたことがあるアーティストでもあります」と話しました。

老人ホームでは、自撮りをするなどおちゃめな一面ものぞかせていたとのことです。

by WOOD-TV

ルーアンさんが入居していた老人ホームでは3月31日に、ルーアンさんを含む31人の入居者と5人の従業員が集団で新型コロナウイルスに感染していたことが検査により発覚。老人ホームは、感染が判明した入居者らを他の入居者から離れたセクションに隔離して看護していました。また、感染した入居者は親族と面会することができないため、ペニーさんはルーアンさんの個室にAmazonのAlexaを搭載したスマートスピーカーであるAmazon Echo Showを設置して連絡を取り合っていました。

ペニーさんによると、ルーアンさんは3月下旬ごろから息切れを訴えてはいたものの、新型コロナウイルスの主要な症状の1つである発熱は見られなかったとのこと。しかし4月4日の朝になると、ルーアンさんの容体が急変し血中の酸素レベルや血圧が低下。すぐにマーシー・ヘルス・セント・メアリーズ病院に搬送されました。

ルーアンさんは救急車で運ばれている時も周囲の人と話をしていたとのことですが、病院に到着したころにはけいれんが始まっていたとのこと。病院はすぐにペニーさんに連絡してルーアンさんに人工呼吸器を装着させたことを報告すると共に、心肺が停止した際は心肺蘇生を行うかどうかを確認しました。これに対し、ペニーさんは「いいえ、彼女は以前からそれを望んでいませんでした」と回答。そして、電話があった30分後に呼吸が停止しました。


ペニーさんによると、病院は「ルーアンさんの死因は糖尿病、高血圧、そして新型コロナウイルス感染症です」と説明したとのことです。

週明けの4月6日にルーアンさんの個室を訪れたペニーさんは、ルーアンさんのスマートスピーカーに最後の3~4日間の会話記録が40件ほど録音されているのを発見。再生してみると、「Alexa、私を助けて」といった音声が残されていました。

ほかにも、ルーアンさんはAlexaに「とても痛いの。痛みを和らげる方法を教えて」「痛みをこらえるのを手伝ってくれる?」「ああAlexa、とても痛い」と話していたとのこと。また、警察に行く方法を尋ねたルーアンさんに、Alexaが最寄りの警察署への道順を答えた記録も残されていました。

地元のテレビ局WOOD-TVによると、施設側がルーアンさんの痛みをどの程度認識していたかは不明とのことですが、ペニーさんによると施設はルーアンさんに鎮痛剤を与えていたとのこと。また、NBC Newsによると、ペニーさんは「施設側に過失はありません」と話しているとのことです。

ペニーさんはWOOD-TVの取材に対し、「彼女がもう苦痛を感じていないのは救いですが、今でもまださみしいです。でも、今はもう天国にいて苦しみもないし……ママやパパと一緒にいるから……私は彼女のためにも幸せに生きなくちゃ」と涙ながらに答えました。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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