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「毎日よく歩く人ほど死亡リスクが低い」と10年にわたる調査で確認される


「1日1万歩」という目標設定は世界中でもよく掲げられるものですが、多くの科学者から「1日1万歩という数字は日本のメーカーが歩数計を売るために推進したキャンペーンから生まれたものだ」と、科学的な根拠は不十分であると批判されています。アメリカ国立がん研究所の研究チームが10年間にわたる調査から、「1日当たりの歩数が多いほど死亡リスクが減る」という研究結果を発表しました。

Association of Daily Step Count and Step Intensity With Mortality Among US Adults | Cardiology | JAMA | JAMA Network
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2763292

Higher step counts could lower risk of early death, study finds | Society | The Guardian
https://www.theguardian.com/society/2020/mar/24/higher-step-counts-could-lower-risk-early-death-study-finds

研究チームは2003年から2006年の間に、40歳以上の被験者4840人に健康や食事、教育などに関するアンケートに答えさせ、7日間にわたって歩数計を装着させてデータを採集。さらに、データを採集してから10年間にわたって健康状態の追跡を行いました。なお、追跡期間中に死亡した被験者は1165人で、そのうち406人は心血管疾患で、283人はがんで亡くなったとのこと。

そして、被験者の年齢や性別、健康状態、喫煙習慣、教育などの要素を考慮しながらデータを分析した結果、「追跡期間中の1日当たりの平均歩数が多いほど死亡リスクが低いことが判明した」と研究チームは述べました。


研究チームによれば、1日当たり4000歩を歩く場合と比較して、1日当たり8000歩を歩く場合は死亡率が50%低下し、1日当たり1万2000歩を歩く場合は65%低下するとのこと。また、1日当たり2000歩を歩く場合は、1日当たり4000歩を歩く場合と比べて死亡率が50%高かったとのこと。加えて、1日当たりの歩数が多いほど、心血管疾患やがんによる死亡リスクも低いことが判明しました。

ただし、研究チームは歩く速度や負荷と死亡率の関連性はわからなかったとしています。また、今回の研究結果は「なぜ歩くことが死亡リスクの低下につながるのか」を解明するものではないと述べています。

この研究を受けて、シドニー大学で運動学を研究するエマニュエル・スタマタキス教授は「日常生活で目標とすべき1日当たりの歩数は6000歩~8000歩と、よりクリアしやすいものに設定され、昔から言われている『1日1万歩』はより大きな目標の1つとなりました」とコメントしました。

by Christine Urias

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in メモ,   サイエンス, Posted by log1i_yk

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