サイエンス

たとえ1日2000~4000歩でも「歩けば歩くほど死亡リスクを減らせる」ことが判明


厚生労働省のホームページには、「身体活動量と死亡率などとの関連をみた疫学的研究の結果からは、『1日1万歩』の歩数を確保することが理想と考えられる」と記載されていますが、「そんなに歩けないよ」と運動を始める決意がくじけてしまったり、三日坊主に終わってしまったりしたことがある人も多いはず。歩数と死亡リスクの関係を調べた複数の調査結果をとりまとめた新しい研究により、理想的な歩数に達しなくても、歩く長さに応じた健康上のメリットが得られることがわかりました。

The association between daily step count and all-cause and cardiovascular mortality: a meta-analysis
https://doi.org/10.1093/eurjpc/zwad229

World’s largest study shows the more you walk | EurekAlert!
https://www.eurekalert.org/news-releases/997859

As few as 4,000 steps a day can reduce your risk of death, but more is better | CNN
https://edition.cnn.com/2023/08/08/health/steps-live-longer-wellness/index.html

ポーランド・ウッチ医科大学循環器科の教授であるマチェイ・バナッハ氏らの研究チームは、2023年7月10日に査読付き医学雑誌「European Journal of Preventive Cardiology」に掲載された今回の研究の中で、歩数と死亡リスクについて調べた世界各国の17件の調査結果をメタアナリシスにより分析しました。

その結果、1日3967歩以上歩くと早期死亡リスクが減少し始めることや、1日2337歩以上歩くと心血管疾患で死亡するリスクが減少することがわかりました。この効果は歩数が多ければ多いほど良好で、1日当たりの歩数が1000歩増えるごとに何らかの原因での死亡リスクは15%減少し、1日当たり500歩増えるごとに心血管疾患による死亡リスクは7%減少したとのことです。


この研究ではまた、1日に2万歩以上歩いても健康上のメリットは増加し続けることも判明しており、効果が頭打ちになる上限は見つからなかったとのこと。今回の研究は、1日最大2万歩のウォーキングの効果を評価し、年齢や性別、居住している地域ごとの差を調べた初めての研究と位置づけられています。

バナッハ氏は分析の結果について、「私たちの研究は歩けば歩くほどいいことを裏付けています。この傾向は、性別や年齢にかかわらず、また世界のどんな気候のどんな地域に住んでいるかに関係なく当てはまることもわかりました。私たちの分析ではまた、あらゆる原因による死亡を大幅に減らすには1日4000歩ほど歩けばよく、心血管疾患による死亡を減らすにはさらに少ない歩数で済むことも判明しています」と話しました。


今回の研究データに含まれた合計22万6889人の被験者の平均年齢は64歳で、追跡期間の中央値は7年間、被験者に占める女性の割合は49%でした。歩数による死亡リスクの減少幅は年齢によって多少の差があり、60歳以上の高齢者では1日6000~1万歩歩いた人の死亡リスクの減少が42%だったのに対して、若年者では7000~1万3000歩歩いた人の死亡リスクの減少が49%と、若い方が若干効果が高かったとのことです。

「この違いは、おそらく早ければ早いほどいいという方程式で説明できるでしょう」とバナッハ氏は指摘します。さらに、ウォーキングなどの定期的な身体活動だけでなく、体にいい食事や健康的なライフスタイルの実践など、あらゆる健康への取り組みを早期に開始することでコレステロールや血圧、血糖値など、さまざまな疾病のリスク要因を改善できると、バナッハ氏は付け加えました。


また、コロラド州デンバーの医療機関・National Jewish Healthで心血管疾患予防の責任者を務めるアンドリュー・フリーマン氏は、海外メディア・CNNの取材に対し、「体内に小さな歩数計があって、5000歩や1万歩歩いた時に『これだけ歩けば大丈夫だよ』と言ってくれる魔法の数字があると思えません。ですから、ウォーキングを始めたばかりで、なかなか歩数を増やせずに悩んでいる人には、『希望を失わないでください』と言いたいと思います。つまり、少しの運動でもいいので、1日に30分間息が切れるまで続けてほしいということです」とコメントしました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「1日1万歩」でなく「7000歩」から長生きする可能性は高くなるとの研究結果 - GIGAZINE

「毎日よく歩く人ほど死亡リスクが低い」と10年にわたる調査で確認される - GIGAZINE

運動であらゆる死亡リスクが減少するとの研究結果、どんな運動がより効果的なのか? - GIGAZINE

「富の格差」があるように「運動格差」が存在し格差が大きいほど肥満率に影響する - GIGAZINE

「ウォーキングとサイクリング」ではどちらが健康のメリットが大きいのか? - GIGAZINE

週50分以上ランニングするだけで心臓病やがんのリスクは低下する - GIGAZINE

in サイエンス, Posted by log1l_ks

You can read the machine translated English article here.