Amazonが新型コロナウイルス感染症の検査キットを配布
Amazonはアメリカで最も新型コロナウイルスの影響を受けているワシントン州のキング郡で、研究者グループと協力して新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する研究プロジェクト「シアトルコロナウイルス評価ネットワーク(SCAN)」に携わっています。Microsoftの創業者であるビル・ゲイツ氏が立ち上げたビル&メリンダ・ゲイツ財団から資金提供を受けているSCANですが、同プロジェクトとAmazonが協力して自宅で新型コロナウイルス感染症の診断が可能になる検査キットの配布を始めています。
Amazon delivers coronavirus test kits for SCAN, a Gates-backed effort
https://www.cnbc.com/2020/03/23/amazon-delivers-coronavirus-test-kits-for-scan-a-gates-backed-effort.html
Amazon will deliver at-home COVID-19 test kits in Seattle trial | Engadget
https://www.engadget.com/2020/03/23/amazon-care-to-deliver-covid-19-test-kits-seattle/
アメリカでは新型コロナウイルス感染症に関するテストの多くが制限されているそうですが、SCANは新型コロナウイルス感染症がどのような人口統計グループで広がっているのかを調べることに強い関心を抱いています。そこで、SCANはAmazonが従業員向けに提供しているヘルスケアサービスの「Amazon Care」に着目。同サービスの配達網を駆使し、キング郡で新型コロナウイルス感染症の検査キットの配布およびキットの回収を始めました。
Amazon Careの広報担当者によると、SCANの新型コロナウイルス感染症検査キットを提供するのはあくまで「Amazon Careのみ」で、Amazonの広範な配達ネットワークで検査キットが配布されるわけではないとのこと。提供される検査キットはドライブスルー検査施設で使用されている綿棒を使ったものと同じもので、自宅で使用されたキットはAmazon Careの配送員が回収し、研究所へ送り届けられます。
Amazon Careのディレクターであるクリステン・ヘルトン氏はCNBCに対して「急速に広がる新型コロナウイルス感染症への対応には、コミュニティ全体の努力が必要で、民間部門と公共部門の両方からの支援が必要となります」「我々は公衆衛生や学術部門のリーダーといった強力なコミュニティに囲まれていることに感謝しながら、この地域の取り組みをサポートするためにAmazon Careのインフラストラクチャーとロジスティックス機能を活用したいと考えています」という声明を出しています。
SCANはシアトルで行われたインフルエンザウイルスの関連研究をベースにしており、地元の保健当局だけでなくBrotman Baty Institute、ワシントン大学、Fred Hutchinson Cancer Research Center、Seattle Children’s Hospitalといった研究機関がパートナーとなっています。
なお、アメリカのワシントン州では約2000人が新型コロナウイルスに感染しており、うち95人が死亡。これらの症例の約半数がキング郡で確認されたものとされています。
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