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「Chromeの検索エンジンを強制的にBingに固定する」というOffice 365の新仕様をMicrosoftが撤回


Office 365 ProPlusのインストーラーに「Chromeの検索エンジンを強制的にBingに固定する」という拡張機能をMicrosoftが追加しようとしていた件について、同社はこの拡張機能に対して多くの批判が寄せられたことを認め、「導入予定を撤回する」と発表しました。

Update to Microsoft Search in Bing through Office 365 ProPlus - Microsoft Tech Community - 1161030
https://techcommunity.microsoft.com/t5/office-365-blog/update-to-microsoft-search-in-bing-through-office-365-proplus/ba-p/1161030


Microsoft Search in Bing and Office 365 ProPlus | Microsoft Docs
https://docs.microsoft.com/en-us/deployoffice/microsoft-search-bing

Office365 Pro Plus won’t hijack your search engine after all | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2020/02/office365-pro-plus-wont-hijack-your-search-engine-after-all/

Office 365 ProPlusはWord・Exel・PowerpointといったOffice製品のセットパックです。そんなOffice 365 ProPlusのインストーラーにMicrosoftが追加しようとしていたのは、「Chromeのデフォルト検索エンジンをBingに強制的に固定する」という機能を持つ「Microsoft Search in Bing quick access」というChrome拡張機能。同社は「Bingをデフォルトの検索エンジンにすることで、Chromeを使用する企業ユーザーはブラウザのアドレスバーから職場情報に直接アクセス可能になるなどの、Microsoft Search機能を利用可能になる」として、この拡張機能の導入を推し進めようとしていました。

MicrosoftはOffice 365のインストーラー経由でChromeのデフォルト検索をBingに強制的に変更しようとしている - GIGAZINE


Microsoftによると、Microsoft Search in Bing quick accessをOffice 365 ProPlusに追加するという発表以降、ユーザーから「Office 365 ProPlusによって、Bingを通してMicrosoft Searchが提供する価値を手軽に広められるようになることに大変興奮している」という声が多数寄せられたとのこと。

しかし同時に、Microsoftに「そんな機能を追加するのはやめてくれ」という声も寄せられたそうで、MicrosoftはOffice 365 ProPlusのインストール時に問題の拡張機能を追加するかどうかを選択式にし、さらにデフォルト設定を「Microsoft Search in Bing quick access拡張機能をインストールしない」とすることに決定しました。


この一件を報じたArs Technicaによると、現時点では企業のIT管理者が「拡張機能をインストールする」と設定した場合でも、Active Directory下のデバイスにのみMicrosoft Search in Bing quick accessがインストールされるとのこと。

また、ChromeにMicrosoft Search in Bing quick accessをインストールした場合でも、以下の画像のようにBingをデフォルトの検索エンジンにする設定をオン・オフにできるトグル式ボタンが表示されるようになっています。


アンインストールの方法は、Windows 10の場合は「Windowsの設定」から「アプリ」を選択し、「アプリと機能」の一覧からMicrosoft Search in Bing quick accessを削除することが可能とのことです。

MicrosoftがBingを推し進めようとしている理由について、Bingで従業員の氏名を検索すると当該社員の「従業員プロフィール」や「休暇スケジュール」などの社内情報が表示されるようになるイメージ画像をMicrosoftは公開しています。


Ars Technicaは「Microsoftに対して公平を期すために」と前置きして、「このスクリーンショットはかなり有用そうに見える」と記していますが、「この画像で従業員プロフィールなどはActive Directoryのユーザー情報から抜き出されているが、実際の企業で使用されているようなスプレッドシート・Webフォーム・サードパーティーのスケジューリングツールなどにBingが対応してくれるかどうかは不明で、もし対応してくれないのならばMicrosoft Search for Bingの価値は半減するだろう」とコメントしています。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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