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「マインドフルネスな瞑想」にはドラッグのポジティブな効果をブーストする効果がある

by Gerd Altmann

「いま、この瞬間の体験に目を向けてありのまま見つめる」というマインドフルネス瞑想(めいそう)には、ドラッグが持つポジティブな効果を高める働きがあることが、チューリッヒ大学の研究者らによって突き止められました。

Characterization and prediction of acute and sustained response to psychedelic psilocybin in a mindfulness group retreat | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-019-50612-3

Mindfulness meditation enhances positive effects of psilocybin -- ScienceDaily
https://www.sciencedaily.com/releases/2019/10/191024075003.htm

シロシビンとは、マジックマッシュルームに含まれる幻覚剤の成分で、LSDなどとともに多くの地域で取り締まりの対象となっていますが、心理的苦痛や自殺念慮を軽減する可能性が示唆されていることから、医療用途で用いられることもあります。

そこで、チューリッヒ大学の精神医学教授であるFranz X. Vollenweider氏らの研究グループは、シロシビンとマインドフルネスな体験の相互作用について検証するため、禅定の経験者202人を集めました。その後、健康診断や精神鑑定、薬物乱用歴などの調査をパスした40人に、合計で5日間の「マインドフルネス体験」をしてもらいました。

マインドフルネス体験とは、具体的には、禅の専門家の指導の下で「座禅」や、経文を唱えつつ歩く「経行」、修行の一環として労務作業を行う「作務」を1日15時間行うというもの。また、体験中の対象者には心理療法的手法で瞑想の深さを定量化するトロントマインドフルネススケール(TMS)という指標を用いた検査を行いました。そして4日目に参加者を2つのグループに分けて、実験グループにはシロシビンを、対照グループには偽の薬を投与するという二重盲検プラセボ対照試験を行いました。

その結果が以下のグラフです。4日目の調査結果を見ると、青の折れ線で示された対照グループより赤の折れ線で示されたシロシビンを投与した実験グループの方が有意にスコアが高いことが分かります。


また、瞑想の深さを尋ねるアンケートでも同様の結果となりました。


さらに、4カ月後に「人生が変わったと感じられるか」を尋ねた調査でも、実験グループにはポジティブな影響が見られました。項目は左から「人生への感謝」「自己の受容」「他者への思いやり」「世俗的な評価への関心」「社会への関心」「意味の探求」「精神性」「信心深さ」「死への理解」を表しており、青色の棒グラフは対照グループの、赤色の棒グラフは実験グループの回答を示しています。多くのポジティブな指標で実験グループが対照グループを上回っているほか、「世俗的な評価への関心」というネガティブな指標では有意なスコアの低下が見られます。


Vollenweider氏は今回の研究について、「マインドフルネスに関するトレーニングがシロシビンの良好な効果を長期にわたって向上させ、共感性の増加や自己中心性の低減をもたらすことが分かりました。この結果は、しばしば社会性の欠如や自己注目を伴う、うつ病の治療に資するものです」と述べました。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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