Twitterは不正なツイートの半分を自動で削除している

by Pete Linforth

Twitterが、機械学習を活用して潜在的なポリシー違反を検出する取り組みにより、「不正なツイートの50％以上が通報される前に自動的に削除されるようになりました」と報告しました。

Q3 2019Letter to Shareholders
(PDFファイル)https://s22.q4cdn.com/826641620/files/doc_financials/2019/q3/Q3-2019-Shareholder-Letter.pdf

Twitter says it now removes half of all abusive tweets before users report them - The Verge
https://www.theverge.com/2019/10/24/20929290/twitter-abusive-tweets-automated-removal-earnings-q3-2019

Twitter's A.I. Is Now Removing Over Half of the Site's Abusive Tweets | Fortune
https://fortune.com/2019/10/24/twitter-abuse-tweets/

Twitterは2019年10月24日に公開した株主向け資料で、Twitterの健全化を目指す取り組みの成果として「日本・アメリカ・カナダでリプライ管理機能を強化した結果、会話の健全性が増加しました」と報告しました。これは、2019年9月に実装された「クソリプを非表示にして撃退する機能」のことを指しています。

たった2回のタップで「クソリプを撃退する機能」が日本Twitterでも開始 - GIGAZINE

こうした取り組みにより不適切なツイートの特定が以前よりも容易になり、継続的に強化している機械学習による不正ツイートの検出と合わせて、「潜在的なポリシー違反を発見する能力がさらに向上した」とTwitterは述べています。その結果、以前はTwitterがプラットフォーム上から削除しているツイートの38％しかなかった「自動検知により削除されたツイート」が、2019年の第2四半期(4月～6月)では43％に増加。さらに、今回の報告の対象となった第3四半期(7月～9月)では50％になったことが判明しています。

この割合はTwitterが「最終的に不正ツイートと結論して削除したツイートの数」をベースにしているため、不正かどうかがあいまいなツイートなども含めれば、さらに多くのツイートが自動検知によりあぶり出されているものと見られています。

技術系ニュースサイトのThe Vergeは「不正なツイートへの対応でもっとも望まれているのは、被害者の負担を軽減することです」と指摘し、被害者が削除申請する前に不正なツイートを削除する取り組みを評価しました。

また、株主向け資料からはTwitterの着実な成長もうかがえます。Twitterは第3四半期だけで新規ユーザーを600万人獲得し、1日あたりのアクティブユーザーの数は1億4500万人を突破。これは2018年に比べて17％も多い数字です。これに伴い、収益も2018年の第3四半期より9％多い8億2400万ドル(約895億4490万円)に増加しました。しかし、この成長は当初の期待を下回っていたため、Twitterの株価は10月24日中に20％近く下落してしまいました。

しかし、収益の鈍化は投資家にとってはともかく、ユーザーにとっては良い側面でもあります。ソーシャルメディア研究者のカート・ワグナー氏は「Twitterは、一部のユーザーの個人情報を広告に流用していましたが、2019年8月にそれをやめました」と指摘し、ユーザーの個人情報の乱用をやめたことが利益にひびいたのだとの見方を示しました。