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既存モーターと同サイズでトルク密度2倍・出力密度3倍のLinear Labs製モーター

by Linear Labs

テキサス州フォートワースに本拠を置くスタートアップ「Linear Labs」が、既存のモーターと同じサイズで2倍から5倍のトルクを出せるという「ハンステーブル電気タービン(Hunstable Electric Turbine:HET)」を搭載したモーターを開発しています。Linear LabsのHET搭載モーターは既存モーターと同じ性能で小型化が可能で、電気自動車やマイクロモビリティ、ロボット工学、空調システムでの活用が期待されています。

Home - Linear Labs
https://www.linearlabsinc.com/

New Electric Motor Could Boost Efficiency Of EVs, Scooters, And Wind Turbines IEEE Spectrum - IEEE Spectrum
https://spectrum.ieee.org/cars-that-think/transportation/advanced-cars/new-electric-motor-could-boost-efficiency-of-evs-scooters-and-wind-turbines

Linear Labsは創業4年目。電気タービンの名前につけられた「ハンステーブル」は創業者であるブラッド・ハンステーブル&フレッド・ハンステーブル親子の姓から取られています。


ブラッド氏はもともとUstreamのCEOでもありますが、2016年にUstreamを1億5000ドル(約106億円)でIBMに売却してからは、Linear Labsに力を入れています。


HETがどのようなものなのかは、以下のムービーを見るとわかります。

Linear Labs Technology - YouTube


「これは他の商用電気推進ユニットに取って代わる、電気モーターによる大きな成果です」と絶賛するのは、テキサス大学で再利用可能エネルギーと乗り物技術の研究をしているBadak Fahimi博士。


「高トルクでギアボックスなしという、電動モーターの『聖杯』ができました」と語るのは、アメリカのロボット技術ロードマップの作者で大統領アドバイザーでもあるヘンリク・クリステンセン氏。


Linear Labsのモーターは、大幅に運転時のモーター効率を向上させます。モーター効率とは入力電力に対する機械出力の比のことで、回転数が高くなるとLinear Labs製モーターとその他のモーターとの差は縮まりますが、500rpmだと従来のモーター効率が70%程度なのに対して、Linear Labs製モーターは85%ほど。


また、市場をリードしている高性能永久磁石使用のモーターと比較して、Linear Labs製モーターはトルク密度が2倍、出力密度が3倍。


車にモーターを搭載したときの図。左が従来型モーター、右がLinear Labsのモーターで、大幅に搭載物を減らすことができ車の軽量化につながります。


このほか、セグウェイでは航続距離が50%延び、トルクが4倍になって最高速度が向上、これまで上れなかった急勾配も上れるようになったとのこと。

フレッド氏によれば、1年以内にLinear Labsの空冷モーターを搭載したマイクロモビリティが出る予定だそうです。

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in ハードウェア,   乗り物,   動画, Posted by logc_nt

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