専門家が教える「偽レビュー」の見抜き方
by Gerd Altmann
オンラインショッピングをよく利用する人なら、実際に購入したらどうなるのか気になってレビューや口コミの欄をのぞいたことがある人も多いはず。シドニー工科大学で上級マーケティング講師を務めるエイドリアン・カミレーリ氏が、レビューの中にひそむ「偽レビュー」を分析して見えてきた傾向と対策をまとめています。
How to spot a fake review: you're probably worse at it than you realise
https://theconversation.com/how-to-spot-a-fake-review-youre-probably-worse-at-it-than-you-realise-121043
以下のグラフは、「どんな情報源を信頼していますか」というアンケートの回答を年齢層ごとにまとめたもので、左から政府広報・専門家の意見・消費者レビュー・ウェブサイトの情報・商品そのものの情報の順になっています。赤枠で囲った「消費者レビュー」のグラフを見ると、中高年層からはあまり支持されていない一方で、比較的若い層からは政府や専門家とほぼ同じレベルの信頼を得ていることが分かります。
また、「自分は偽レビューを見抜くのがどのくらい上手だと思いますか」という質問に対し、高齢者の多くは「全く上手ではない」「ほんの少しだけ上手」と答えたのに対して……
若者の半数近くが「まあまあ上手」と回答。レビューを重視する層ほど「自分は偽レビューを見抜ける」と思っている実態が浮き彫りになっています。
しかし、カミレーリ氏はこの結果を「典型的な自信過剰です」と一蹴しました。というのも、2万5000人を対象とした偽情報の判定テストを実施したところ、うそを見抜けた割合はわずか54%しかありませんでした。この結果から、カミレーリ氏は「大抵の人は真実とうそを見抜くのが不得意です」と断じています。
こうした人間の性質を偽レビュー業者も熟知しているのか、偽レビューは年々増加しつつあります。The Washington Postが2018年に実施した調査では、Amazon.comで「Bluetoothスピーカー」と検索して表示された最初の10製品に投稿されたレビュー4万7846件のうち、約3分の2近い3万2435件が詐欺的なレビューの疑いがあるものだったとのこと。
そこで、カミレーリ氏がまとめた偽レビューの特徴が次のとおり。
・事例や実際に使ってみた感想など、主観的な記述が極端に少ない
・製品の特徴や機能の説明ばかりを書き連ねている
・全体的に短い
・雇われた外国人とおぼしき、読みづらい文面
例にしてみるとこんな感じ。上記の特徴のほか、「レビュアーの情報が乏しい」「過去のレビュー実績が少ない」「評価が極端」「『役立った』との投票を集めていない」「実際に購入していない」といった要素がそろっていると、偽レビューである可能性は非常に高いといえます。
反対に、信頼の置けるレビューの例がこれ。レビュアーの情報が充実しており、過去にも多くのレビューを投票しています。評価を表す星印の点数もバランスが取れており、レビューの内容も賛否の両面に光を当てています。また、実際に購入しているのが確認できているのも大きなポイントです。
それでも判断が難しい場合は、複数のサイトのレビューをチェックしてみると参考になるとのこと。これは、偽レビュアーを雇う業者が、すべてのプラットフォームに偽レビュアーを動員する可能性が低いためです。
また、カミレーリ氏はレビュー解析サービスを使うことも推奨しています。特に「疑わしいレビューをよく除去している」とカミレーリ氏のお墨付きなのが「Fakespot.com」と「ReviewMeta.com」の2つです。
ReviewMetaの使い方や効果の程は以下の記事に詳しく記載されています。
Amazonの不正レビューを判定するだけではなく「なぜ不正レビューと判定されたのか」も詳しく教えてくれるネットサービス「ReviewMeta」 - GIGAZINE
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