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地図作成速度を3倍以上にするFacebook製AIが実用化へ


世界の人々が共同で地図を作成するWikipediaの地図版のようなプロジェクト「「OpenStreetMap(OSM)」では、日々ボランティアがフリーの地図を作り上げるために貢献しています。FacebookがAIに地図を作らせるサービス「Map With AI」で書き込みを始めたと発表しています。Map With AIを使うと6年半かかると地図作りがわずか1年半で終わるそうです。

AI is supercharging the creation of maps around the world
https://tech.fb.com/ai-is-supercharging-the-creation-of-maps-around-the-world/

従来までのオンラインでの地図作成は、衛星写真に手作業で道の種類や場所のデータなど加えていくというものでした。この手法は作業者に負担がかかり、さらに誰も行けないような遠隔地の地図を作成できないという問題点がありました。


そういった問題を解決すべく、Facebookは道路を自動で判別して位置・形状などを地図上に書き込んでくれる地図作成サービス「Map With AI」を開発しました。Map With AIは2019年4月に開発が報じられていました。

「機械学習による地図」をFacebookが開発、流行病の対策にも役立てられる - GIGAZINE


今回の発表は、Map With AIが大きな成果を上げているということを示すもの。以下の画像の紫色のラインがMap With AIが地図上に書き込んだ道路になります。


「Map With AI」は34層ものディープニューラルネットワーク(DNN)モデルを用いており、衛星写真では木に隠れて見えにくくなってしまったような道や、河川敷や野原などの「衛星写真では道に見えるけど実際は道じゃない」という地形も判別可能とのこと。ただし、それでもMap With AIが判別できなかった道や、地名・建物名などのデータは人力で入力する必要があります。

Facebookの地図作成チームは、これまでにMap WithAIを使ってタイの人里離れた地域の道路を約30万マイル(約48万キロメートル)分も地図上に入力しました。MapWith AIのおかげで4年半から6年半かかる予定だったタイの地図作成プロジェクトの工期は約1年半にまで短縮されたとのこと。Map With AIによる地図作成プロジェクトはアフガニスタン・バングラデシュ・メキシコ・ナイジェリア・ウガンダなどで進行中で、インドネシアの道路データは90%以上入力を終えているそうです。

Map With AIが作成した道路データは以下のmapwith.aiの「ML Roads」で実際に見ることが可能です。

mapwith.ai
https://mapwith.ai/


Facebookは「地図データは、災害時や政策立案などのあらゆることに重要です。世界の多くの農村地域では正確な地図を作成することが困難でした。『Map With AI』はOSMのボランティアコミュニティと協力して、ともに世界の地図を作成することを目標の1つとしています」と記しています。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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