乗り物

レトロな「夜行列車」をスウェーデン政府が復活させたい理由とは?


20世紀のヨーロッパにおいて旅行の主役であった夜行列車を、主要な長距離移動手段として復活させようという動きをスウェーデン政府が明らかにしています。夜行列車は就寝時間を移動時間に充てることでスムーズに旅行を楽しめることから利用者に愛されているというだけではなく、環境問題への取り組みとしても注目されているとのことです。

Sweden Wants to Revive Europe’s Overnight Trains - CityLab
https://www.citylab.com/transportation/2019/04/europe-night-train-sweden-eco-travel-sleeper-car-fossil-free/586228/

スウェーデン政府は現地時間の2019年3月31日、スウェーデンからヨーロッパ本土へつながる夜行列車サービスに資金提供を行うと発表しました。声明によると、夜行列車は交通機関の中でも二酸化炭素の排出量が少ないため、国民に夜行列車を利用して長距離移動をしてほしいという意図だそうです。


政府の記者会見では「気候変動に対処し強固な社会を築くために、化石燃料が必要ない福祉国家を目指します。この目標を達成するための一環として、低炭素の旅行手段として夜行列車をより注目してもらいたいです」と述べ、より多くの場所に夜行列車でたどりつけるよう貢献していけるかどうかが政府の任務だとしています。

より速く快適な交通手段が発展していく中で夜行列車は市場から遠ざかる傾向にありますが、それでもヨーロッパの旅行手段としてはいまだ根強いものがあります。2017年にドイツ鉄道が夜間運行を停止したとき、オーストリア連邦鉄道が主要路線のいくつかを引き継いで継続させ、利用者数はそこから伸びています。またロンドンからスコットランドへつながる老舗サービスカレドニアン寝台車は、昔も今も変わらず繁盛しています。

夜行列車は飛行機よりもはるかに長い移動時間がかかる一方で、空港のラッシュに比べてゆったりとした移動が可能だったり、交通費はもちろん寝台車やシャワー付きのプレミアムな区画がホテルよりもお得だったりと、利用者にはなおも愛されています。環境問題も意識したスウェーデン政府の取り組みは、レトロな夜行列車を現代のスタンダードに近づけるものかもしれません。

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in 乗り物, Posted by log1e_dh

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