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大気汚染がひどい日は「電気自動車以外の制限速度を引き下げる」というEV優遇政策が導入される

By Julian M

大気中の有害物質が増加する大気汚染が発生する原因の一つには、自動車からの排ガスが含まれます。ヨーロッパのオーストリアでは、大気汚染度が悪化した際に高速道路の最高時速が引き下げられるのですが、その際には排ガスを出さない電気自動車(EV)が優遇される措置が取り入れられています。

Electric cars are getting a higher speed limit than gas cars during air pollution warnings in Austria - Electrek
https://electrek.co/2018/10/29/electric-cars-higher-speed-limit-than-gas-cars-ev-incentive-austria/

EVの普及を促進するため、オーストリア政府はEVに対する3つの優遇措置を発表しました。「バス専用車線を走行可能」「市内駐車場無料」と並んで取り入れられたのが、「高速道路の速度上限引き下げ対象除外」という特典です。


オーストリアの高速道路に設定されている制限速度は基本的に時速130kmなのですが、大気汚染が悪化した際にはその上限が時速100kmに引き下げられます。一般的に、化石燃料で走る自動車は高い速度で走るほど排出する排ガスの量が増えるため、速度を落とさせることで有害物質の排出を少なくしようという試みです。

大気汚染対策としては有効性が期待できる措置ですが、一方で排ガスを一切出さないEVにとっては、大気汚染と速度の間に関係はほぼありません。そのため、オーストリア政府は大気汚染に関する法律(IG-L)にもとづく基準値を超えた際に課せられる全長440kmの区間での速度制限の対象から、EVを除外することを決定しています。

By Li-ion Motors Electric Vehicle

もちろん、電気を作り出す発電所からの排出ガスを考慮する必要はありますが、太陽光発電や風力発電を活用すればEVに関連する大気汚染物質は大幅に減少させることが可能になります。同様の施策はベルギーでも取り入れられているとのことです。

By Bibi Pü

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in 乗り物, Posted by darkhorse_log

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