レビュー

青空文庫の作品を読了目安時間で検索できるサービス「ゾラサーチ」レビュー


青空文庫とは、著作権が消滅した作品や著者が許諾した作品のテキストを公開するウェブサービスであり、誰でも無料で利用することができます。そんな青空文庫で公開されている作品を「著者名+読了目安時間で検索できる」サービス「ゾラサーチ」を、ウェブディレクター&デベロッパーのほげにしさんが開発しました。

ゾラサーチ by ブンゴウメール | 青空文庫の作品を読了時間で検索できるサービス
https://search.bungomail.com/

青空文庫の作品を目安の読了時間で検索できるサービス「ゾラサーチ」をリリースしました - NOT SO BADなブログ
https://blog.notsobad.jp/entry/2019/04/04/133409

青空文庫で公開されている作品を探したい場合、作者名または作品名を五十音順で並べたリンクをクリックします。


たとえばタイトルが「あ」で始まる作品を探そうとすると、下の画像のように「あ」から始まる作品がズラリと一覧で並び、その横に著者名などが並記されるようになっています。


青空文庫のサイトは一覧性を重視した作りになっているため、「太宰治の作品を探したい」「『春と修羅』が読みたい」といった場合にはとても便利です。一方で、ほげにしさんは「まだ知らない本を青空文庫のサイト上で見つけるのはなかなか難しい」と感じていたとのこと。

また、ほげにしさんは自身が本を読む前に「どの程度の時間で作品が読み終えられそうなのか」という点を気にするものの、青空文庫では本を読み始める前に作品の長さを知ることができません。そのため、「電車の待ち時間に短編を読みたい」「喫茶店の待ち合わせ時に少しだけ小説を読みたい」という時に作品を探していても、タイトルに引かれた作品が長編だったということも起こり得ます。

日頃から青空文庫の恩恵を受けていたほげにしさんは、青空文庫へのお返しの意味も込めて「これらの点を解決するサービスを作りたい」と考え、読了時間を目安に作品検索が可能な「ゾラサーチ」を開発したとのこと。ゾラサーチのトップページにアクセスすると、画面中央にズラリと青空文庫で公開されている作品が並んでいました。


デフォルトの状態では、数多くの作品が過去10年のアクセスランキングをもとに算出した人気順で並んでいます。人気順というだけあって、「こころ」「雨ニモマケズ」「走れメロス」といったそうそうたる顔ぶれです。作品名に著者、その横には目安となる読了時間と字数が表示されており、人気度を表す星の横には書き出しまで表示されています。


ゾラサーチで読了時間を目安に作品を探したい場合は、ページ上部の中央にある「5分以内」「10分以内」「30分以内」「60分以内」「1時間~」というボタンをクリックすればOK。ためしに「5分以内」をクリックしてみると……


字数から換算されたおおよその読了時間を目安に、5分以内で読める作品が人気順でズラリと表示されました。


タイトルや作者でソートされていないため、さまざまなタイプの作家の中から気になる作品を選ぶことが可能。「5分以内」を選択した場合、字数はおよそ2000字以内となっているようです。


「10分以内」で検索すると、ガラリと表示される作品が変わります。


「60分以内」であれば、表示される作品は短編というよりも中編といった感じになり……


「1時間~」をクリックすると、長編作品がズラリと表示されました。


また、ゾラサーチでは著者名と読了目安時間を組み合わせて検索することも可能。最初に読了目安時間を選択し、気になる作家の名前を検索フォームに打ち込んで「検索」をクリックすれば、気になる作家の作品から空いている時間にぴったりの作品を選択できます。


同じ読了目安時間で、別の気になる作家の作品を検索することも簡単です。


なお、ゾラサーチはスマートフォンのブラウザからでも利用可能。


モバイル版では作品表示ページに字数や書き出し等が書かれていませんが、読了目安時間や著者名をもとに作品を検索することができます。


ゾラサーチは「寝る前の30分に何か読みたい」「待ち合わせに早く来すぎたので10分で読める作品を探したい」といった際に、読了目安時間をもとにピッタリの作品を探せる便利なサービスとなっていました。

なお、開発者のほげにしさんは青空文庫の名作が毎朝メールで少しずつ送られてくる、「ブンゴウメール」というサービスもリリースしています。「忙しくて本を読む時間がない」という人でも、毎朝送られてくる短い文章を読むだけで、気軽に読書体験が得られるサービスとなっています。

青空文庫の名作が1日3分で読めるメールで小分け配信されてくる「ブンゴウメール」レビュー - GIGAZINE

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
青空文庫の名作が1日3分で読めるメールで小分け配信されてくる「ブンゴウメール」レビュー - GIGAZINE

青空文庫の小説を文豪とLINEで会話をするかのように読める「文豪メッセンジャー」 - GIGAZINE

【訃報】「青空文庫」の創設者である富田倫生さんが死去 - GIGAZINE

電子書籍に移行することで失われる読書体験の中身が少し判明 - GIGAZINE

仕事をしているフリして読書タイムが楽しめる文学の新しい形「文学フォルダ」 - GIGAZINE

読書がストレス解消に非常に効果的であることが研究で明らかに - GIGAZINE

in レビュー,   ネットサービス, Posted by log1h_ik

You can read the machine translated English article here.