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「Airbnb」がホテル業界参入か、ホテル直前予約サービス「HotelTonight」を買収

by davidlee770924

民泊サービスの「Airbnb」が2019年3月7日にホテル予約サービス「HotelTonight」の買収契約を締結したと発表しました。これにより、Airbnbはホテル業界に参入しつつあると海外メディアに報じられています。

Airbnb Signs Agreement to Acquire HotelTonight
https://press.airbnb.com/airbnb-signs-agreement-to-acquire-hoteltonight/


Airbnb is buying HotelTonight — Quartz
https://qz.com/1567574/airbnb-is-buying-hoteltonight/

Airbnbは買収額を明らかにしていませんが、2017年にはHotelTonightが約4億6000万ドル(約510億円)を資金調達したことが発表されています。当面の間、AirbnbとHotelTonightは別々のブランドとして展開しますが、最終的にはHotelTonightに登録されるブティックホテルからもAirbnbに登録される部屋が出てくる見込みです。


ホテル予約サイトのHotelTonightは「今すぐ泊まる必要がある」という人のための即時予約サービスで、ブティックホテルや独立系ホテルが大幅にディスカウントされた状態で予約できるとして人気を集めています。

Last Minute Hotel Deals at Great Hotels - HotelTonight
https://www.hoteltonight.com/


「見知らぬ人の家のベッドを借りることができる」という民泊サービスAirbnbは2008年に創業し、既存の「旅行のあり方」を大きく変えてホテル業界に激震を与えました。2019年3月時点では世界191カ国、8万1000都市以上の600万を超える宿泊施設がAirbnbに掲載されており、2018年にはブティックホテルがAirbnbプラットフォームに簡単に登録できるようにもなりました。2017年と2018年で比較するとAirbnbに登録されるブティックホテルの予約数は3倍になったとのこと。なお、2019年1月に、Airbnbは利用可能なホテル、B&B、ホステル、リゾートなどに分類されるホストの数は前年同月比で152%増加したと発表しています。

Airbnbに空き部屋を登録する人の多くは企業ではなく一般の人々であるため、「予約してすぐに宿泊」という旅行の計画を直前に立てる人がAirbnbを使うのは難しいもの。HotelTonightのようなホテルの部屋もすぐに出てくるようになれば、これまでターゲットにするのが難しかった層を取り込めると共に、一度ホテルに流れていったユーザーを再度Airbnbに戻しやすいとみられています。

AirbnbのCEO兼共同創業者兼コミュニティ責任者であるブライアン・チェスキー氏は「エンド・ツー・エンドのプラットフォームを構築する目的は、旅を1年前から計画する人、前日に計画する人に関わらず、全てのゲストのお手伝いをすることです。HotelTonightの素晴らしいチームと協業することで、ゲストはどんなスケジュールでいつ予約してもユニークで忘れられないおもてなしを旅で体験できます」と語っています。


Airbnbは2019年中に新規株式公開(IPO)を計画しているとみられています。チェスキー氏はAirbnbで、宿泊ではなく現地でのアクティビティ参加を可能にする「Experience(体験)」の収益化に失敗したあと、Airbnbをさらに拡大する方法を模索していました。またAirbnbは都市に過剰な観光客を送り込んでいるという点などが問題視されており、世界各国で規制が設けられるに至っています。重要な観光都市で事業が危険にさらされていることからも、HotelTonight買収は事業拡大の重要な一歩であるとみられています。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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