別々のプラットフォームで購入したデジタルコンテンツをひとまとめにクラウドで管理するデジタルロッカーサービスの「UltraViolet」が終了

デジタルコンテンツの購入を1つのプラットフォームでのみ行っているうちは管理に悩むことはありませんが、複数のプラットフォームを活用している場合は、「アレはこっちのサービスで見て、コレはあっちのサービスで見て……」といった具合に管理が難しくなってくるもの。そんな際に便利なのが、複数のプラットフォーム上に存在する音楽や映像コンテンツのデータをクラウド上に保管し管理するという「デジタルロッカー」サービス。この草分け的存在でもあった「UltraViolet」が、現地時間の2019年1月31日にサービスを終了しました。ユーザーがUltraVioletで購入した映像コンテンツは、指定されたサービスのいずれかに移すことが可能です。

Home | UltraViolet
https://www.myuv.com/

Ultraviolet Shuts Down: Cloud Locker Closes This Summer – Variety
https://variety.com/2019/digital/news/ultraviolet-shutting-down-1203123898/

UltraViolet digital movie locker is shutting down - The Verge
https://www.theverge.com/2019/1/31/18204943/ultraviolet-locker-shutdown-date

UltraVioletの苦境は同じデジタルロッカーサービスの「Movies Anywhere」が、UltraVioletには参加していなかったディズニーなどを取り込むことに成功した2017年10月から続いていました。Movies Anywhereは、iTunes・Amazon Prime Video・Vudu・xfinity・Google Play・Microsoft Movies＆TV・FandangoNOWといった幅広いサービス上で購入したコンテンツをひとまとめで管理し、Movies Anywhereの専用プラットフォームから視聴できるようにするというサービス。ディズニー作品にも対応しているというだけでなく、AppleやAmazonのプラットフォームで購入したコンテンツにも対応しているという点で、UltraVioletよりも優れていました。

UltraVioletおよびMovies Anywhereの両方に対応していたウォルマートの映像配信サービスであるVuduは、UltraVioletの閉鎖に伴い生じるデジタルロッカーサービスへの懸念を和らげるため、「映画やTV番組をVuduを使ってレンタルしたり購入したりしているお客様は、UltraVioletの閉鎖に影響されることはありません」という声明を出しています。

なお、UltraVioletのライブラリに保存されている映像コンテンツはFandangoNOW・Kaleidescape・Paramount・Verizon・Vuduのいずれかのサービスに移すことが可能で、UltraVioletのサービス終了後も視聴することが可能です。

Retailer Services | UltraViolet

ただし、アメリカ国外のUltraVioletユーザーにとっては事情が少し複雑です。なぜなら、国外ユーザーはMovies Anywhereアカウントを作成することができないため、UltraVioletのようなデジタルロッカーサービスを引き続き利用することができないためです。加えて、UltraVioletのサービス終了に伴って開設されたFAQには、「ほとんどの場合、特にアメリカではほとんど影響がないと予想されます。現在もリンクされている小売業者を通じ、UltraVioletのライブラリで利用可能なコンテンツのほとんどが、引き続きそれらの小売業者から利用できるはずです。多少の混乱があるかもしれませんが、大規模なものになるとは予測しておらず、事態を最小限に抑えて回避するために熱心に取り組んでいます」と、アメリカ国外のユーザーにはなんらかの影響が出るのではと予感させるような回答が記されています。

なお、UltraVioletによれば利用したユーザー数は3000万人以上、保管されていたコンテンツの数は3億以上だったそうです。