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AMDがノート向けCPU第2世代Ryzen Mobileを発表、Chromebookを含め脱Intel端末が続々登場


現地時間の2019年1月8日にアメリカ・ラスベガスで開幕するCES 2019に先立って、AMDが「Zen+」マイクロアーキテクチャを採用する第2世代「Ryzen Mobile」プロセッサを発表しました。ライバルIntelをCPU&GPUのトータル性能で上回るというRyzen Mobile APU「3000」シリーズを採用するノートPCも続々と発表される見込みです。

AMD at CES 2019: Ryzen Mobile 3000-Series Launched, 2nd Gen Mobile at 15W and 35W, and Chromebooks
https://www.anandtech.com/show/13771/amd-ces-2019-ryzen-mobile-3000-series-launched

第2世代のRyzen APU「Ryzen Mobile」プロセッサは、CPUに「Zen+」、GPUに「Vega」を組み合わせたノートPC向けのモバイルAPUです。コードネーム「Raven Ridge」で知られた第1世代Ryzen Mobileが14nmプロセスで製造されていたのに対して、第2世代Ryzen Mobileは12nmプロセスで製造されます。


第2世代Ryzen Mobile3000シリーズには、一般的なノートPC向けのTDPが15Wのモデルに加えて、新たにTDPが35WのゲーミングノートPC向けハイパワーモデルが加わっています。いずれも4コア/8スレッドの上位モデルから2コア/4スレッドの下位モデルまでラインナップされており、ノートPC市場をすべてカバーします。


AMDの発表に合わせるようにASUSからはゲーミングノートPC「FX505DY TUF GAMING」が発表されています。FX505DYは「Ryzen 7 3750H」とモバイル向けディスクリートGPU「Radeon RX 560X」、32GBのDDR4-2400メモリを採用する最上位モデルが用意され、FreeSyncに対応する120Hzで動作する15.6インチの液晶ディスプレイを採用するとのこと。


AMDによると一般的なノートPCの買い替えサイクルは「5年」。そのため、第2世代Ryzen Mobileプロセッサを、買い替え対象となるIntelのBroadwell世代のノートPC向けCPUとAMDは比較しており、PCMark10によるウェブワークロードで10~22%、一般的なワークロードでは50%の高速化を実現していると明らかにしています。

また、Intel CPU「Core i5-8250U」に対して「Ryzen 5 3500U」はPCMark10で14%、Photoshopフィルタリングで27%高速で、Intelの「Core i7-8565U」に対して「Ryzen 7 3700U」は人気ゲームRocket League、DOTA2、Fortniteの平均フレームレート(720p Low設定)で20~40%高い数値を記録しているそうで、現行のIntel CPUよりも第2世代Ryzen Mobile3000シリーズが優秀であると述べています。


また、Googleが開発するChrome OSを搭載する「Chromebook」にもAMDはAPUを投入するべく、TDPが6WのExcavatorマイクロアーキテクチャ採用のAPU「AMD A6-9220C」と「AMD A4-9120C」の2種類を発表しています。


AMDによるとChromebook市場は年あたり8%で成長しているにも関わらずIntelがあまり注力していない分野だとのこと。すでに、HPから初のAMD APU搭載Chromebook「Chromebook 14」が発表されており、今後もさまざまなメーカーからAMD APU搭載Chromebookが登場することになりそうです。


AMDは新APUを搭載する製品がCES 2019で多数発表されると期待しており、2019年第1四半期には市場へリリースされると見込んでいます。Intelが支配するノートPC&Chromeook市場に2019年はAMDが切り込むことになりそうです。

ちなみに現地時間2019年1月9日にAMDのリサ・スーCEOが基調講演を行う予定で、その中で「Zen 2」マイクロアーキテクチャを採用するデスクトップ向け「第3世代Ryzenプロセッサ」に関する発表があるかもしれません。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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