フォートナイトはただのゲームではなくコミュニケーションツールとして大きな役割を担っている
2018年12月時点で全世界に2億人以上のプレイヤーを抱える人気バトルロイヤルゲームの「フォートナイト」は、ただのゲームとしてだけでなく、人間関係を維持するためのコミュニケーションツールとしても有用なものとなっていると海外メディアが指摘しています。
Fortnite was 2018’s most important social network - The Verge
https://www.theverge.com/2018/12/21/18152012/fortnite-was-2018s-most-important-social-network
フォートナイトの開発元であるEpic Gamesのティム・スウィーニーCEOは、2015年に「(フォートナイトは)マインクラフトとLeft 4 Deadを組み合わせたもの」と語りました。その後、2017年にバトルロイヤルゲームの火付け役となったPLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDSが登場した際に、フォートナイトはいち早く「バトルロイヤル」要素を盛り込むことで大きな成功をおさめます。
フォートナイトは全世界で2億人もの登録プレイヤーを抱えるまでに成長しましたが、これはゲームとして優れているからだけでなく、オンライン上での人々の在り方を大きく変えたことで、より多くのユーザーを得ることができたのかもしれないと海外メディアのThe Vergeは指摘しています。「フォートナイトはゲームですが、何百万人もの人々のためのグローバルなリビングルームでもあり、そして、今年の文化がどのように変遷したかを示す一種のコーデックスでもある」と記しています。
俳優のテッド・ダンソンがフォートナイトで流行ったダンスをレクチャーしてもらうなど、ゲーマーだけでなく幅広い分野の人々にまでフォートナイトの影響は波及していきました。
Ted Danson learning to floss is the only video I’m interested in watching for the rest of the year. pic.twitter.com/SKTMKZKvM3
— Justin Kirkland (@justinkirkland4) 2018年11月16日
「もしもあなたの友だち全員がフォートナイトをプレイし、その話題で持ちきりとなっているなら、あなたもプレイすることを選ぶでしょう」とThe Vergeが指摘。フォートナイトの場合、コンピューターや据置型ゲーム機、スマートフォンとあらゆる端末でプレイできる点も、多くのユーザーを取り込みソーシャルネットワークとして発展する大きな助けとなったはずです。
また、The VergeのBijan Stephenさんは、レストランのトイレに並んでいた際に、9歳未満と思われる2人の子どもがフォートナイトの話で盛り上がっているところに遭遇したことがあるそうです。彼らは廊下でフォートナイトのエモートのひとつである「この負け犬が」を踊っていたそうで、2人はフォートナイトというベースのもとで、エモートや用語を共通言語として使用していることに気づいたとStephenさんは記しています。
そして、何よりもフォートナイトというゲーム自体が新規ユーザーを獲得するのに十分な楽しさとアクセス性を保っており、「(フォートナイトは)カジュアルプレイヤーに焦点を当てていた」とThe Vergeは指摘しています。こういった要素が見事に合致し、フォートナイトは友人間の共通言語として、あるいはインターネット上の交流場所のひとつとして流行したのではと、The Vergeは推測しています。
フォートナイトは主に10代の若者から大きな支持を得ていますが、Stephenさんは「定期的に友だちとフォートナイトで遊んでいる」とのこと。Stephenさんを含め、友人たちはニューヨークのあちこちに散らばっており、定期的に会うことはできないそうですが、フォートナイトのゲーム内ボイスチャット機能を通じて頻繁に会話しているそうで、「僕たちにとってフォートナイトは電話で話すための言い訳のようなもの」と語っています。
大人の生活、特に都市部での生活は孤独感や疎外感を強く感じてしまうものです。オンライン上で多くの作業が行えるようになるにつれ、あらゆる作業が自宅で完結するようになってしまったという人も多いはず。しかし、家の中であらゆる作業が完結する便利な世の中になっていくことで、人間は社会的相互作用を少しずつ失っているとも言えます。一方、フォートナイトは社会的相互作用を育むわけではないかもしれませんが、他人とのコミュニケーションを通じて孤独感や疎外感を緩和してくれる効果は確かにあるとのことです。
オンライン上のランダムな人々とパーティーを組んでいろいろな話をしながらフォートナイトをプレイすることもあるというStephenさんは、「ゲームは確かに馬鹿げた内容かもしれませんが、最後の1人を目指して戦う中で、通話相手とより親密になることもあり、これはとても驚くべきことです」と記しています。
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