「フォートナイト」で7万8000人以上のプレイヤーが不正なツールを使ったせいでマルウェアに感染したことが判明
人気バトルロイヤルゲーム「フォートナイト」で、不正なツールを利用していたユーザーがマルウェアに感染していたと報告されています。このマルウェアは不正なツールをインストールすると同時にWindows PCに感染し、暗号化されているHTTPSのトラフィックを傍受して、閲覧しているウェブサイトに詐欺広告を表示させるというものです。
How We Discovered a Virus Infecting Tens of Thousands of Fortnite Players
https://blog.rainway.io/how-we-discovered-a-virus-infecting-tens-of-thousands-of-fortnite-players-e5dd6fe1ff55
「フォートナイト」はPC・PlayStation 4・Nintendo Switch・スマートフォンで配信されている、基本無料の人気のバトルロイヤルゲームです。2018年6月にはプレイヤー数が1億2500万人を超え、最大月次収益が3億ドル(約330億円)を超えたことも。
一方、2018年1月からベータ版が配信されている「Rainway」は、PlayStation 4・Xbox One・Nintendo Switch・スマートフォンなど、さまざまなデバイスでPCゲームをストリーミングプレイできるというアプリです。
2018年6月26日早朝、Rainway運営会社のCEOであるアンドリュー・サンプソン氏は、サーバーから38万件超という異常な量のエラーレポートが吐き出されていることに気がつきました。調査の結果、一部のユーザーのRainwayアプリが、さまざまな広告プラットフォームに接続しようとしていた形跡があったことが判明。Rainwayは登録済みのドメインにだけコンテンツを読み込ませていたため、広告関係のサーバーからのリクエストは自動的に接続拒否となっていて、一部のユーザーのRainwayで毎回エラーが生じていました。
さらなる調査によって、マルウェアに感染したRainwayユーザーは皆「フォートナイト」をプレイしていて、感染したユーザーは「フォートナイト」のチートツールをインストールしていたということもわかりました。チートツールとは、ゲーム内通貨を不正に増やすものや、ゲーム内の狙撃精度を補助するものなど、ゲーム内のバランスを大きく狂わせるような不正なプログラムのこと。このようなチートツールはYouTubeやTwitterで検索すると宣伝ムービーが山のように出てくるものばかりとのことで、試しにRainwayのスタッフがインストールしてみたところ、マルウェアの存在が確認されたとのこと。
チートツールをインストールすると感染するマルウェアは、感染したPCにルート証明書をインストールします。そしてそのPCのウェブトラフィックがすべてプロキシを通じて行われるように設定し、中間者攻撃を行います。具体的には閲覧しているウェブサイトに、あらかじめ設定された詐欺広告を表示させるというものです。
Rainwayチームは、マルウェアを含んだチートツールをホストしている会社に通知し、マルウェアに感染していると思われるRainwayユーザー全てに警告を送りました。マルウェアは速やかに削除されてダウンロードできなくなったとのことですが、それでも既に7万8000回以上ダウンロードされていたとのこと。
Rainwayはゲーマーに対して、怪しげなハックツールやチートツールはYouTubeやTwitterで見かけても決して使わないよう呼びかけています。
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