政府のオープンデータをすべて電子化する基礎法案が連邦議会上院を通過、法律として施行される見込み
2018年12月22日、アメリカ連邦議会上院はHR4174「Foundations for Evidence-Based Policymaking Act of 2017(2017年のEvidence-Based Policymaking法のための整備)」を承認しました。この承認をもって、アメリカの政府組織は公開しているすべてのデータをオンラインに公開し、スマートフォンやPCから閲覧可能にするよう義務づけられることとなります。
H.R.1770 - 115th Congress (2017-2018): OPEN Government Data Act | Congress.gov | Library of Congress
https://www.congress.gov/bill/115th-congress/house-bill/1770
Congress votes to make open government data the default in the United States | E Pluribus Unum
https://e-pluribusunum.org/2018/12/21/congress-made-open-government-data-the-default-in-the-united-states/
2017年9月、アメリカ連邦議会下院は、「Open Government Data Act」の制定を可決しました。この法案はすべての政府組織に対して機密でない情報(オープンデータ)を標準化された機械可読形式でオンラインに公開することを求めるものです。さらに、連邦機関が公共政策を立てる際は公開された情報を根拠とすることも義務づけています。2018年12月21日、アメリカ連邦議会下院はOpen Government Data Actが施行されるための基礎法案となるHR4174を可決しました。
Merry Christmas to me! The U.S. Congress has passed an open data law. pic.twitter.com/tDwo8j8UCB
— Rebecca Williams (@internetrebecca) 2018年12月21日
さらに12月22日、アメリカ連邦議会上院は下院の可決を受けて、HR4174を修正可決しました。両院で可決されたHR4174が大統領の署名を受けて承認されれば、2017年に可決されたOpen Government Data Actが法律として成立することとなります。
オープンデータをオンライン上に公開する目的には政府の透明性を高めることがあり、さらにデータを分析して活用することで新しいサービスを生むことが期待されているとのこと。アメリカだけではなくフランスやドイツも政府のオープンデータを電子化する取り組みを行っていて、例えばフランスでは、政府が収集・発行する統計情報や地理情報、環境情報、予算、支出などのをオープンデータとして公開する「data.gouv.fr」が2011年12月に公開されています。
「オープンガバメント(開かれた政府)」の実現を目指す活動家やその支持者は、Twitterで喜びの声を上げています。
Victory! Last night the @DataCoalition got the #OPENGovData Act through the Senate, as part of H.R. 4174. Expected to sail through the House TODAY. Sets a presumption, in law, that govt info ought to be published as #opendata, using data standards. https://t.co/jTdM1rIVTW
— Hudson Hollister (@hudsonhollister) 2018年12月20日
Excited to see the Open Government Data Act pass the House today! H.R. 4174 will enable libraries to provide businesses, researchers and students with valuable data that fuels innovation and economic growth. #OPENGovData #opendata
— Gavin Baker (@OpenGavin) 2018年12月21日
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