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「先進原子炉」商用化を促進する「原子力エネルギー革新能力法」がアメリカ議会で成立

by Frédéric Paulussen

2018年3月にアメリカ上院を通過した「原子力エネルギー革新能力法」が、下院を通過して成立する見通しとなりました。この法案は、国立研究所と民間企業の協力により、安全で革新的な原子炉技術の開発を推進するものです。

S.97 - 115th Congress (2017-2018): Nuclear Energy Innovation Capabilities Act of 2017 | Congress.gov | Library of Congress
https://www.congress.gov/bill/115th-congress/senate-bill/97


US Congress passes bill to help advanced nuclear power | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2018/09/us-congress-passes-bill-to-help-advanced-nuclear-power/

世界的にも福島第一原発の事故は原発の危険性を再確認させるものであり、アメリカでは2011年以降、古い原子炉の廃炉は行われても新たな原子炉の建設は行われていないという状態にあるのですが、気候変動の影響を抑えるためには脱「炭素」が必要であり、そのためには原子力発電が必要であると考える人は少なくありません。

そういった意向もあって提出されたのが「原子力エネルギー革新能力法」法案。先進原子炉の商用化に向けて、エネルギー省が持つ研究能力の民間への開放や、原子炉材料や燃料試験用の多目的高速中性子源の開発といった内容が含まれます。

[米国] 先進原子炉の商用化を加速させる法案が連邦議会上院で可決 - 海外電力関連 トピックス情報 | 電気事業連合会
https://www.fepc.or.jp/library/kaigai/kaigai_topics/1257661_4115.html

高速中性子炉については別途、エネルギー省に対して建設を指示する「原子力エネルギー・リーダーシップ法」が上院に提出されています。

新たな原子炉建設が停滞しているのはコストの問題が大きいとのことですが、マサチューセッツ工科大学は、現行の軽水炉では得られない効率を新たな原子炉技術なら生み出せる可能性があり、より高度な技術の設計・採用が必要であると結論付けています。

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