北海道発のコンビニ「セイコーマート」は茨城県と埼玉県にも店舗がある
ガラナ飲料にメロンゼリーなど店内には北海道らしい商品がいっぱい。北海道の人が「大好き」と言っていたあのコーナーは普通のコンビニの倍以上ありそうでした。また、店内手作りホットシェフのおにぎりを食べると、これまでのコンビニおにぎりの常識が崩壊。茨城県と埼玉県のセイコーマートをはしごしてきました。
こんにちは、自転車で世界一周をした周藤卓也@チャリダーマンです。2002年に日本一周をしましたが、北海道のコンビニといえばセイコーマートでした。道内どこにでもあるのでよく利用させていただきました。旅人にも人気のコンビニでした。そうした事情もあって、北海道外にあるセイコーマートは旅人同士、話のネタになります。そして、今なお関東の茨城県と埼玉県にはセイコーマートが営業中。久しぶりに北海道に触れたくてセイコーマートへ買物しに行ってきました。
※記事中の店舗、市町村、人口といった数値は2018年11月時点のものとなります。
◆セイコーマートについて
セイコーマート
https://www.seicomart.co.jp/
愛知県が地盤の「サークルK」はファミリーマートに、同様に群馬県の「セーブオン」はローソンに、神奈川県の「スリーエフ」はローソンと合弁会社……。広島県の「ポプラ」はまだ踏みとどまっていますが、日本のコンビニはセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンという三大チェーンに集約されつつあります。
しかし、北海道だけは別世界。セイコーマートという地元チェーンが強い勢力を保っています。北海道のコンビニはセイコーマートが1099店、セブンイレブンが1005店、ローソンが654店、ファミリーマートが235店という勢力図。
今でこそ壁はなくなりつつありますが、昔のコンビニは野菜、果物、精肉といった生鮮食品が置いてあることは珍しくスーパーとはジャンルが違っていました。しかし、私が旅した当時からセイコーマートには普通に生鮮食品が置いてありました。小型スーパーを兼ねたコンビニという認識でした。
北海道の人口は約531万人、そこに179市町村と、47都道府県一の地方自治体を抱えています。人口が近い兵庫県が約548万人で41市町、福岡県が約511万人で60市町村ですから、その差は歴然。それだけ北海道の大地は広大。札幌のような都会では住宅地が続きますが、田舎では市町村の中心ごとに住宅地がかたまり点となって散らばっています。その分、商圏が小さくなります。
それゆえ、人口が少ない地域のセイコーマートがスーパーの役目も担うのは必然だったのかもしれません。こうした小型スーパーとしてのセイコーマートを印象づけたのが離島での展開でした。北海道最北の稚内市から船が出ている利尻島や礼文島にもセイコーマートがありました。おかげさまで離島でありながらも、買物に不便することなく快適に滞在できました。
また、コンビニの目印となる看板も衝撃的でした。よくみる「酒」の代わりに「ワイン」「WINE」とアピールポイントが違います。それだけ店内では多くのワインを扱っていました。発足当初、酒屋をコンビニに転換した店舗が多いことからワインをはじめ酒類の販売には力を入れているそうです。
今回の訪問で手にしたチラシにも各種ワインが載っていました。
普通のスーパーのようなコンビニのチラシ。
◆関東でも展開中
そのセイコーマートは北海道の外にも店舗があります。2002年に日本一周をしていた当時から関東の茨城県、埼玉県のセイコーマートは有名でした。関西の兵庫県にもあると聞いた記憶がうっすらありましたが現在は撤退済み。
北海道でセイコーマートを満喫したいのが本音ですが、遠いこともあってなかなかそうはいきません。でも、東京で出稼ぎしている今、茨城県と埼玉県なら日帰りできる範囲。11月初め、東京近郊の普通列車が乗り放題となる休日おでかけパスを利用して、セイコーマートをはしごしてきました。
◆茨城県
セイコーマートは茨城県内で85店舗を営業中。JRの駅から最もアクセスが簡単なセイコーマート筑西一本松店に行ってきました。
セイコーマート筑西一本松店はここ。
JR水戸線の下館駅で降りました。真岡鐵道、関東鉄道の駅もあります。かつての下館市(しもだてし)は市町村合併で筑西市(ちくせいし)となっていました。
駅の南を歩いていくと、目的ではない別のコンビニを発見。駅に近い場所ですが、かなり大きな駐車場を設けていました。
北海道を彷彿させる見渡す限りの畑。遠くに見えるのはつくば山。
そして、北海道といえば日本ハムファイターズじゃないですが、筑西市にも日本ハムの工場がありました。
この工場の近くにセイコーマートがありました。こちらも駐車場が大きめ。
セイコーマートのシンボルともいえる白い鳥が描かれた看板。この鳥は不死鳥フェニックスがモチーフとなっています。
店舗の外観。昔はもっとオレンジが濃い店舗だったと思うのですが、現在はやわらかくスタイリッシュな新デザインに切り替わっています。
正面から見た図。
営業時間は6:00~24:00と24時間営業ではありません。
セイコーマートの特色でもある店内調理こと「HOT CHEF(ホットシェフ)」はminiという表記。この日は担当がお休みということでフランクフルトくらいしか置いてありませんでした。
ゴミ箱。
店舗ドアの上に掲げられたブランドロゴ。「o」の字にはシンボルのフェニックスがあしらわれています。
「北海道フェア」というポスターに期待が高まります。
◆北海道づくし
店内はぐるぐる回って北海道らしい商品をいろいろとお買い上げ。近所の公園に移動して食事、そして写真撮影をしました。
ビニール袋2つ分のお買い物。
北海道関係なしでしたが、お腹が空いていたのでチキンたっぷりペペロンチーノというパスタを入手。税込み118円という衝撃価格。
この値段にも関わらずぎっしりと鶏肉がのっていました。大手コンビニでも取り扱って欲しい一品。
道産昆布を使ったおにぎり。
北海道のクリームパン。日糧製パンも北海道の企業です。
北海道といえばガラナ飲料が有名。ドクターペッパーのような薬品っぽい味でした。
セイコーマートのエナジードリンクも置いてありました。大手コンビニだとPB商品のエナジードリンクってなぜかみかけませんね。
北海道の果物で思い浮かぶのは夕張のメロン。そんなメロンのゼリーもありました。
ぷるんとしたゼリーとじゅっくとした果肉の食感を味わいます。
札幌といえば味噌ラーメン、そして道産昆布をアピールするうどん。プライベートブランド(PB)を感じさせない商品パッケージです。
「ほたて焼き貝ひも」なんかはお酒のおつまみにいかがでしょう。噛めば噛むほど味が染み出してくる絶品でした。
北海道産山わさびパウダーを使用したというスナック菓子。こちらは製造元がフリトレーとあってチートスの派生品のような感じでした。
北海道ヨーグルトグミと北海道余市りんごグミ。ヨーグルトグミは甘さと酸っぱさの混ざった絶妙なテイスト。りんごグミは「スペース・アップルよいち」という道の駅を思い出しました。
お腹も満たされたところで、再びコンビニに戻ります。デザートとしてさらにアイスクリームを食べないといけません。
セイコーマートのアイスコーナーは普通のコンビニの倍以上はありそうでした。品揃えも豊富。冒頭に書いた「北海道の人が『大好き』と言っていたあのコーナー」とはアイスクリームのこと。かつて、旅先で会った北海道の人は「冬は寒いんだけど部屋の中は暖房ガンガンなのであったかく、その中で食べるアイスが最高に幸せ」と言っていました。そのため寒い場所にもかかわらず北海道ではアイスが人気で、セイコーマートも販売にも力を入れているようです。茨城県のセイコーマートでも同様に。
北海道ハスカップ&バニラソフトというソフトクリームを購入。税込みで220円でした。
北海道厚真産のハスカップを使用。ハスカップはブルーベリーにも似た見た目の果実で北海道の特産品となっています。先日の北海道胆振東部地震で大きな被害が出た厚真町ですが、この商品自体は2017年にも販売されています。
胸がキュンとなるような甘酸っぱい味のソフトクリームでした。
セブンイレブンのセブンプレミアム、イオンのトップバリュ、西友のみなさまのお墨付きのように、日本の大手小売のPB商品はパッケージデザインが統一されています。ひと目でプライベートブランドと分かります。しかし、セイコーマートのPB商品はそうではありません。パッケージデザインに統一感がありません。セイコーマートは小売業のコンビニだけでなく、製造業として道外への販路を拡大させています。それゆえ、PB商品でもナショナルブランドのようなデザインを採用しているようでした。
セイコーマート丸谷智保社長「自社製造商品のNB化、OEM供給を検討」 | 北海道リアルエコノミー | 地域経済ニュースサイト
https://hre-net.com/keizai/ryutu/1904/
製造業へ華麗に転身したセイコーマート:日経ビジネスオンライン
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/278209/121800011/
◆埼玉県
茨城県のセイコーマート訪問でほぼ目的は達成。でも、まだ少し物足りなかったので埼玉県のセイコーマートにも足を伸ばしました。セイコーマートは埼玉県内で9店舗を営業中。JRの駅から最もアクセスが簡単なセイコーマート久喜下早見店に行ってきました。
セイコーマート久喜下早見店はここ。
JR東北本線(宇都宮線)の久喜駅で降ります。埼玉県の久喜市(くきし)という所になります。
住宅街の細い道をトコトコと歩いて到着。
コンビニの顔ともいえる看板は「HOT CHEF」と「イートイン」をアピールしていました。営業時間は6:00~24:00と、こちらも24時間営業ではありません。
お店には「Seicomart」「HOT CHEF」という2つのロゴが並んでいます。
店舗横に描かれた「HOT CHEF」「Cafe」というマーク。
セイコーマート久喜下早見店の全景。
◆HOT CHEF(ホットシェフ)
セイコーマートの特色ともいえる「HOT CHEF(ホットシェフ)」とは「出来立てはおいしい」という信念をもとに展開する店内調理コーナーのこと。店内でお米を炊いて、カツ丼やおにぎりをそのまま提供しています。久喜下早見店のホットシェフは普通に稼働していました。これまでの常識を越えたコンビニフードを堪能することになりました。
ホットシェフ - セイコーマート
https://www.seicomart.co.jp/instore/hotchef.html
イートインコーナーにて実食。
大きなおにぎりは手づくりならではのふんわりとした食感。ご飯つぶとつぶの間がゆったりしていて、ふっくらやわらかなおにぎりでした。これまでのコンビニおにぎりの常識が崩壊。
鶏の脂と肉汁つまった柔らかくてジューシーな焼き鳥。「大きな焼き鳥」という商品名通りのジャンボチキンでした。
そして、再びデザートにアイスクリーム。
北海道らしいメロンソフトでした。
セブンイレブンの「セブンイレブン、いい気分!」、ファミリーマートの「あなたと、コンビに、ファミリーマート」といったように、セイコーマートにも「セイコーマート」というサウンドロゴがありました。北海道を旅していたときに刷り込まれたサウンドは長い年月を経た今でも忘れることはありません。店内放送で繰り返される「セイコーマート」という音は昔と変わらぬままでした。
今回のセイコーマートは東京の出稼ぎ中にはぜひとも訪れたい場所でした。無いはずがないのですが、実際に茨城県、埼玉県で営業している店舗をこの目で見ると感動します。北海道でも茨城県、埼玉県でもセイコーマートを見かけたら、ぜひ店内にお入り下さい。北海道ならではいろいろと味わえることができるコンビニです。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
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Instagram https://www.instagram.com/shuto.takuya/
DMM講演依頼 https://kouenirai.dmm.com/speaker/takuya-shuto/)
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