「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」のCGを制作するサブリメイションがいかに大戦艦を生み出したのか話を聞いてきた
「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第六章「回生篇」の劇場上映が2018年11月2日(金)からスタートします。これまでにシリーズ構成・福井晴敏さん、監督・羽原信義さん、脚本・岡秀樹さん、作曲家・宮川彬良さん、音響監督・吉田知弘さん、プロデューサー・小松紘起さんと、作品に携わるスタッフの方々にいろいろと話を伺ってきましたが、今回はCG制作を担当しているサブリメイションの方々に話を伺う機会が得られたので、どのようにしてヤマトや銀河、そしてあの大戦艦を作り出したのか、サブリメイションが発注時にもらったという資料も交えつつ、いろいろ伺ってきました。
宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち
http://yamato2202.net/
インタビューに応えてくれたのはサブリメイションのプロジェクトマネージャー/CGアニメーター 上保友人さん、取締役でCGIディレクターの木村太一さん、CGデザイナー 本間靖範さん。
GIGAZINE(以下、G):
まずは、作品も終盤、第六章の劇場上映がいよいよ迫ってきたというタイミングでお話をうかがうことになりましたので、第六章までの制作を終えての率直なご感想を伺いたいと思います。
サブリメイション取締役 CGIディレクター 木村太一さん(以下、木村):
あっという間でしたね。準備期間を入れて、そろそろ3年が経つかなというぐらいなんですけど、ホントに一瞬で第六章まで来てしまいました。3Dも、最初のほうは探り探りで作っていたんですけれど、大分慣れてきたので、戦闘シーンとかかなり見応えがある感じになってきたかなと思っています。
G:
どうでしょう、上保さん、本間さんも同じような感想ですか?
プロジェクトマネージャー/CGアニメーター 上保友人さん(以下、上保):
そうですね、やはり2年半経ったかというとそんな実感はなくって、作品を見ていただくとわかるのですが内容が「濃い」ので、あっという間に時間が過ぎたように感じます。振り返ると「あっ、もうそんなに経つのか」と。最近は、先ほど木村が言ったように慣れてきたこともあって、もっと「より作り込む」という感じで取り組んでいるので、第六章は楽しみにしていただけたらと思います。
CGデザイナー 本間靖範さん(以下、本間):
同じくです。画面の密度も高くなって、壮絶なシーンがどんどん増えてきて……特に、第五章あたりから戦闘も激化しています。作っていても盛り上がりがすごいと感じていて、CGもそこについて行けるようにクオリティを上げていかなければと考えています。
Q:
お三方の役割はどういった分担なのでしょうか。
上保:
私は、実際のカット作業より、それぞれの作業者のスケジュールの把握や進捗に関しての管理、あとはクライアントであるジーベックさんとのデータのやりとりなどの連絡業務、窓口業務などが多いです。CGアニメーターでもあるので、急ぎの時にはサポートのような形で、緊急で1カット2カット作業したりということもあります。
Q:
一般的なアニメでいうと「制作進行」のような。
上保:
そうですね。制作進行に近いかもしれませんね。
木村:
データの確認とかもお願いしています。実際、第一話の時点では今の役職ではなく、アニメーターだったんです。ちょっと、僕だけでは回らないなということで……。
上保:
作業量の多さも想定以上ですし、第七章まで2クール26話分を回すとなるとちょっと大変だということになり、役割分担として、自分がマネージメントで関わらせてもらっています。
木村:
僕はCG全般の作業やクオリティの面を見ています。実作業としてはあまり多くないですが、作業負荷や出来上がりのチェックですね。全体的なところは一人で見ないとクオリティがバラバラになってしまうので、ある程度見せられるものになるまでチェックして、羽原監督や小林副監督の意見を聞き、その意見に合ったものを作らせて、監督からOKが出るまでが僕の仕事です。
Q:
わかりました。本間さんはどうですか?
本間:
自分は実作業を担当しています。多いのはビームやエフェクトのベースデータを作ったりする部分ですね。みんながバラバラに作ってしまうと「人によってビームの色が違う」とか、エフェクトが全然違うものになってしまうので、誰にでも扱いやすいような形でベースデータを作成する、というデータの下準備をしています。その上で、難しいカットとかそういうところを1話の中で数カットずつ拾ったりしています。
Q:
わかりました、ありがとうございます。準備期間まで遡ると約3年というお話でしたが、実際の制作に入る前に準備するのはどういった部分なのでしょうか。前作『宇宙戦艦ヤマト2199』のCGデータは受け継いでいるのですか、それとも1から全部やっているのですか?
上保:
CGデータに関しては、『2199』のときにCGを担当したサンライズ D.I.D.スタジオさんの使っているソフトと、うちがメインで使っているものが違うため、そのままでは使えないんです。アニメだと輪郭線も入っていますが、あの手の線がそのままでは出ないですし、色のデータも飛んでしまうので、それをすべてうちの会社で使っているソフトで使えるようにコンバートする作業をしました。だいたい3~4ヶ月ぐらいかけて、30個~40個ぐらいのモデルをコンバートしました。
木村:
量が多かったので時間がかかりました。
上保:
それでも、『2199』のときに作っていただいた資産を相当引き継いでいるので、1から全部作るのに比べれば時間はかかっていない状態です。そのほかに、ヤマトなどは艦体の形状が変わっているので、モデル修正をしたり、あとは第一話から出てくるアンドロメダと大戦艦(カラクルム級戦闘艦)などのモデリング作業を開始しました。このあたりの準備を始めたのが3年前、2016年の年始ぐらいからのことで、カットの準備などを進めつつ、コンテが上がってきたので土台あわせをして、実際にアニメーションをつけたりカット作業が始まったりしたのが2016年夏ぐらいです。その間にエフェクトのビームや波動砲のデータの準備もありました。エフェクトでは実は艦よりも大変なことがありまして……「ソフト固有の機能」を使っているところがあるので、簡単には移植ができず、できあがっている『2199』の映像と、実際に使われていた参考データを見て、目でコピーしました(笑)
木村:
そこは本間君がやってくれました。
本間:
モデリングのコンバートなども含めてそのままではできないところがあるので、いったん自分のほうでデータを全部バラして、それを置き換えてLightWaveで元に近い形を再現しました。その中で「こうしたほうが」というアレンジを加えたりというのは自然に行いました。
G:
サブリメイションさんでは、『2199』のシリーズが終わったあとに公開された『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』のときに手伝いをした経験があったとのことなのですが、こうして、ソフトがまったく別の作品を受け継ぐというのはわりとあることなのですか?それとも、珍しいオファーなのですか?
木村:
昔の話になりますが、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』のとき、現オレンジ代表の井野元英二さんがタチコマだけ3ds Maxで作業していたということがあります。でも、まるごと引き継ぐというのは珍しいです。
上保:
補足させていただくと、プロジェクトまるごとのデータを引き継ぐというか、シリーズが進んでいく中で引き継ぐというのは本当にまれなケースです。先ほど木村さんが言ったのは、「一部のシーンでしか出てこないから、違うソフトでも大丈夫」ということで、そういう事例なら他にもあります。
G:
コンバートでは、先ほど話に出た「ソフトの固有の機能」を使っているためにうまく変換できない部分もあると思います。我々が目にする『2202』の映像は、当然きれいに仕上がったものなので、うまくいかなかった部分はわからなくなっていますが、それは細かく手を入れて修正しているからなのですか?自動変換ではないんですよね?
上保:
自動変換ではないですね、すべて作業者が手を入れています。わかりやすいところだと……大戦艦には結構なディテール情報がありますよね。あれは新規データなので問題ないのですが、それ以外のガトランティス艦でも、同じように結構細かいディテールが入っているものがあるんです。そのライン1本1本が出るように、データでラインの出るところにパラメータを1個ずつ設定しています。
Q:
引き継いでから、改めて1から作り上げた戦艦もあるんですか?
木村:
はい。
Q:
それはメカニカルデザインさんのデザインを採ってモデリングする、みたいな感じですか?
木村:
そうです。
上保:
たとえば、ヤマトと銀河に関しては、『2199』のヤマトと比べてちょっと艦腹を広げ、エンジンノズルの形状を変更しています。艦首フェアリーダー部分の形状変更もわかりやすいところだと思います。これはベースからの改造です。かたや、アンドロメダや主力戦艦、地球側のパトロール艦や護衛艦などはすべて新規です。ガトランティス側だと大戦艦とバルゼーなどですね。
木村:
デスラー艦も。
上保:
そう、あとゴーランドとノイ・デウスーラも完全新規です。実際に資料を見ていただくとわかりやすいと思いますが、デザイナーさんからの指示がありつつ、修正を行っています。
実際にヤマトでどのような変更を行ったかという新旧対照解説図を提供いただきました。図中にあるように、赤い輪郭線で描かれているのが2199ヤマト、黒い輪郭線で描かれているのが2202ヤマト。正面から見たときの艦腹の膨らみが「少し洋ナシ型」に変更されています。
こちらは側面、艦尾ノズルの大型化がとてもよくわかります。
司令塔・後部艦橋・ロケットアンカーの資料
上保:
ロケットアンカーについてはどう開くかという稼働方法の設定もあったりします。一番大変だったのはこれですね……
Q:
あー……これはすごい……。
上保:
こういった発注資料をいただき、これをもとに作成したデータをジーベックさんに送って、監督やデザイナーさんのチェックを経ます。その際に「この線をもっとこのように増やしてほしい」とか、書き足しの修正とか、あるいは「ここの角度はもっとこのように」とかいう指示があって、それをもとにさらに修正を加えます。どれぐらいかかりましたっけ……。
木村:
4ヶ月か5ヶ月ぐらい。
G:
4~5ヶ月!
本間:
モデリングに4ヶ月かかった後、テクスチャが入ったりとか、最初にLightWaveに持ってくるとかそういった調整とか、もろもろの作業があって、合計で5ヶ月ぐらいです。
木村:
大戦艦は特に追加の線がいっぱいきたので……(笑)
上保:
準備期間の初期にやっていた艦で、皆さん時間がある状態だったので、「もっとこうしたい!」とクオリティを突き詰めたいという気持ちが出て、監督やデザイナーさんからも「こういう風にしたい」という細かい設定をいただいてやっていく感じになりました。
Q:
この発注図よりもっと線が多く?
木村:
これより増えました(笑)
上保:
メカコレクションの大戦艦は3Dの線が全部出ているので、実物と見比べていただくと、エンジン回りのディテールなどがこれよりも細かくなっているのがわかります。
木村:
チェックしてもらったとき、ここにも「ディテールを足してください」という指示があったりしました。
上保:
3Dのパースをつけた状態で複数アングル見てもらうのですが、三面図だと見えないとこもあるので「ここに線を足してほしい」「ここは線ではなく凹み」などの形状指示をいただいてますね。
木村:
だんだん「言うとやってくれる」とわかり、エスカレートしていくという(笑)
上保:
砲塔のデザインもこんな感じで詰めていきました。基本的にはガトランティス系の回転砲塔がベースです。
上保:
ブリッジの線だとこんな感じですね。
木村:
引きだとわからなかったかもしれませんが、船体後部のディテールだとこの辺ですね。
木村:
ほかにも三面図では描けなかったところが、アップになってくるとわかったりするんです。
木村:
「これ、終わらないんじゃないか」というぐらいにいろいろ手を入れました(笑)
Q:
こういうのは1つのモデルなんですか?遠景とアップ用の作り分けはあるのでしょうか。
上保:
大戦艦に関しては、第三章に出てきた「レギオネルカノーネ」で大量に密集することになるので、ちょっと軽めのデザインにしてデータ量を減らしたものがあって、ハイ、ミドル、ローの3種類があります。基本的にはハイでずっと動かしているんですが、ああいうシーンではさすがに厳しいと(笑)
木村:
その点がソフトの差です。3ds Maxはモデルがたくさんになってくると、ハイモデルだと扱いにくいんですが、LightWaveだと意外とハイモデルのままでもいけるので。
上保:
LightWaveは複雑な機能や便利機能はそれほどないんですが、ベーシックなところはすべて揃っていて、その分、単純に言うと「数量を扱える」ソフトです。軽くて、作業がしやすいです。
Q:
『2199』のときは「ヤマトvsガミラス」でしたが、『2202』では「地球&ガミラスvsガトランティス」だから混成部隊が作られて、下手すると1カットに何百隻も出てくることになりますから、軽いというのがものすごく重要ですね。
上保:
はい、「ソフトウェアの軽さ」のおかげもあって、すべてがハイモデルで済んでいます。実は、作業者としても、ディレクターとしても、全部ハイで済むので助かってます。というのは、シンプルな分、「これぐらいの距離だったらミドルではなくハイの方がいいんじゃないか」という細かいチェックが不要だからです。
Q:
第六章、フネがいっぱい出ましたから……(笑)
木村:
第五章からもうずっとです(笑)
Q:
ソフトが生きたということですね。
木村:
そうです。
Q:
ありがとうございます。手がけているそのCGモデルの範囲としては、艦船や艦載機など、メカを一通り全部ということですか?
木村:
ほぼ全部です。
Q:
手描きだけで済まされてるメカというのもあるのですか?
上保:
よく他作品では車などに3Dが使われていますが、本作に関してはすべて手描きです。
Q:
古代と雪のあの……。
上保:
そうです、あのピンク色のオープンカーは手描きなんです。
本間:
あとは、たとえばアンドロメダの別バリエーションとかで「1カットしか出てこない」艦などですね。
木村:
第六章で出てくるやつね。
上保:
3Dデータを用意するほどは出てこないゲスト艦ということで、地球艦隊が出撃していくシーンにオリジナルの艦が何隻か混ざっているので、是非見ていただければと思います。
Q:
それはアンドロメダ型なんですか?
上保:
そこは見ていただいてのお楽しみ、ということで。手描きのデータに関しては我々には送られてこないので、全貌を把握していないというのが実際のところですが(笑)
木村:
第二十一話の時間断層が出てくるシーンで、見やすく登場しているので大丈夫です(笑)。すぐ見つかります。
上保:
「見たことないやつがいる!」って(笑)
本間:
やっぱり「おっ」ってなりますよ。さりげなくてニクいです。
G:
上保さんは木村さんの作業量が想定以上だったのでマネージメントに入ったというお話でしたが、それは2クール分なので想定以上だったということでしょうか。なにか、本作ならではのヘビーな作業というのがあったりしたのでしょうか?
木村:
最初に想定していたのは、『2199』と同じように、近距離は爆発なども含めて手描きということだったのですが、今回はほぼ3Dでやることになったという点ですね。あと、規模が思っていた以上だったというところです。
上保:
近距離は手描きだろうと考えて第一話の作業をしたら、監督チェックの時に「ここも3Dでお願い」という話になったんです。
木村:
最初のコンテ打ち合わせ前はうちから「アタリ」を出す想定でいました。
上保:
「アタリ」というのは、作画さんの参考として3Dの絵を線画として出力し、それに沿って描いてもらうためのものです。
G:
予定としては、アタリを出したら、あとは作画に回る段取りだったんですね。
木村:
そういう想定かなと思って打ち合わせをしたのですが、「ここは全部お願いします」ということになって、「はい」と(笑)。一応、「ここまでしかできませんよ」という参考を本間君に作ってもらって「これでOKだったらやります」と出したらOKだったという流れです。
本間:
最初に1カット、爆発してるシーンとかを作って「ここまでだったらCGでやれます」というのを最初に提示したんです。「これ以上となると厳しいから作画でお願いしますね」というものでしたが、そこで、わりと気に入っていただいたので、そのまま踏襲されたのかもしれません。
G:
羽原監督が思っていたものよりもいいものがあがってきたから「じゃあ3Dに全部任せよう!」みたいな感じだったのかもしれないですね(笑)
木村:
そうなっちゃいますかね(笑)
Q:
序盤のインタビューで、はじめは移行するのが大変だったというお話が出ていたのですが、第六章まで来て改めて大変なこととか、苦労の質が変わってきたところとかありますか?
木村:
最初は前作からの引き継ぎがあったので「そこと遜色がないようにしよう」というのが第一目標でした。それが、慣れてくると要求も上がってきて(笑)、でもみんなも慣れてきて「今度はこうしよう」だとか「もっと爆発を良くしよう」「戦闘を激しくしよう」となってきて、また別の意味で苦しんでいます(笑)
上保:
監督側から「前回ここまでやれたので、こういうのをお願いしても大丈夫?」という発注もありますし、我々の方から「こういう風にしてみました」「エフェクト派手にしてみました」みたいな提案を出してみることもあります。ホントに序盤のことですが「アンドロメダとヤマトがすれ違うシーン」では、こちらから提案して尺を伸ばしました。「2199合わせ」という意味で、第一話は苦しんで大変でしたが、その後からは、自分たちで「こういう風にできる、やれる、もっと派手にできる、かっこよくできる」と前進し、今度はデータが増えて、3Dのレンダリングや絵を作るのに時間がかかってしまって、それで苦しんだりというのはあります。
木村:
ホントに、初期のころの爆発と今の爆発は結構違いますね。
上保:
クオリティが違います。ちょうどテレビでの放送が行われているので、第五章まで見た人だと「あれ?第一話ってこんなだっけ?」って思うかもしれません。それは、我々もいろいろと頑張ったということです(笑)
木村:
後半になると監督と副監督の爆発の好みも出てきて……。最初は普通に爆発してればOKだったのが「もうちょっと発光感というか、フレアを強めに」とか、我々も好みがわかってきて、そちらに寄っているなと思います。第一話から見ていくと、どんどんどんどん良くなってると思います。
Q:
実作業は本間さんがメインですか?
本間:
爆発類などは自分が作った基準となるデータをスタッフ全員に渡して、あとは「自分の中でかっこよくアレンジしたり、ご自由にどうぞ」みたいな形でした。
木村:
そこから先はもう本当にみんなの個性です。
上保:
艦体の形状や被弾の仕方によって、炎の出る方向も煙の出る方向も違うので、それぞれの担当者がカットに応じてアレンジしています。
木村:
逆に、アレンジしてもらわないとね(笑)
上保:
全部同じ感じの爆発になってしまうという(笑)
Q:
作画でも、爆発には個性が出ましたよね。
上保:
そうですよね。あとは、上がってきたカットのチェックムービーを木村さんがクオリティチェックをしますが、たとえば爆発するとき、強い爆発だと光がバッ!と来るような感じがあったり、熱さみたいなものを感じたいのですが、経験不足のスタッフだとうまく乗せられていないことがあるので「発光感が足りない!」などのブラッシュアップ指示があり、それから監督に見てもらってOKが出ればチェック通過で、皆さんのもとに届いている映像になります。
Q:
プラモデルや超合金などの商品化が行われていますが、そのとき、艦船のデータはサブリメイションさんの3Dデータを渡して、それをベースに作られているのですか?
上保:
3Dデータに関してはバンダイさんにお送りしていますが、そのデータを100%使用しているかどうかは我々の方でうかがい知ることはできないですね(笑)。ほかに、アンドロメダであれば地球連邦防衛軍のマークとか艦名とか、本編で使用しているテクスチャデータもまとめてお送りしています。それをもとにデカールの制作をしていると思います。最近でいうと、ツヴァルケのキーマン専用機の紋様なんかもそうですね。ただ、プロポーションが3Dのデータとは変わっていたりするところがあります。ヤマトの艦体は曲線がすごく多いのですが、その膨らみというかカーブが、3Dデータよりきれいに出ているんです。なので、そのあたりは、さらに詰めているのではないかと思います。3Dデータは、最終的にはアニメに落とし込むものなので、「これぐらいあれば足りるだろう」とデフォルメしている部分や割愛している部分があるんです。
木村:
「銀河」はたぶん、3Dデータよりすごくかっこよくなってます。
上保:
立体物を見ていると、我々が3Dで作業しているのよりかっこいいなと(笑)
Q:
そういうこともあるんですね(笑)、ありがとうございました。
このあと、実際にヤマト制作を行っているスタジオ内部も見せてもらいました。スタジオ見学部分でもいろいろな話を伺い、特に「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」でとても特徴的なコスモタイガーの「バージョンK」の話なども画像を交えながら説明してもらっています。
CG制作会社サブリメイションのスタジオ見学で「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」に登場するコスモタイガーのバージョンKを細かく解説してもらった - GIGAZINE
・関連記事
「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」ジーベック・小松紘起プロデューサーにインタビュー、ヤマト制作は「楽しい」 - GIGAZINE
「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」音響監督・吉田知弘さんインタビュー、柏原満さん制作のオリジナルSEを蘇らせた音の守り人 - GIGAZINE
ヤマトらしさとは「もがき」と語る「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」作曲家・宮川彬良さんインタビュー - GIGAZINE
塾を辞めてまでヤマト2を見ることを選んだ「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」脚本・岡秀樹さんにインタビュー - GIGAZINE
ヤマトを愛する気持ちを徹底的に詰め込んだ「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」の羽原信義監督にインタビュー - GIGAZINE
今この時代に作る意味がある「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」シリーズ構成の福井晴敏さんにインタビュー - GIGAZINE
・関連コンテンツ