インタビュー

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」ジーベック・小松紘起プロデューサーにインタビュー、ヤマト制作は「楽しい」


「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」と「宇宙戦艦ヤマト2」を全七章立てで現代にリメイクする「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」の第五章「煉獄篇」が2018年5月25日(金)から劇場上映となります。

GIGAZINEではこれまで、いろいろなスタッフの方々へのインタビューを実施し記事を掲載してきましたが、今回は制作を担当したアニメーション制作会社・ジーベックの小松紘起プロデューサーへインタビューを行い、羽原信義監督や小林誠副監督がどのように制作を行っているのか、話を伺ってきました。

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち
http://yamato2202.net/


Q:
小松さんは『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』からプロジェクトに加わったとうかがいました。どういった部分を担当しておられるのですか?

ジーベック 小松紘起プロデューサー(以下、小松):
役職としてはアニメーションプロデューサーです。別の者から担当を引き継ぎ、今はメインで担当させていただいています。

Q:
小松さんはどういった経緯を経てプロデューサーになったのですか?

小松:
もともと制作をやってきて、ジーベックに入社して7年目ぐらいです。プロデューサーという仕事は本作が初めてです。

Q:
小松さんご自身のヤマト原体験、子どものころの触れ合いというのはどういう形でしたか?

小松:
最初に見たのは小学生ぐらいだったと思います。NHKのBSだったか、アニメ劇場みたいな番組で見たのが初です。親と一緒に見ていて、古い作品でしたが結構見入っていた覚えがあります。親は昔からヤマトを見ていたので、このシーンがどういう意味なのかみたいな部分を解説してくれました。父は「さらば」も劇場に見に行ったらしく、「すごくいい作品だ」と言っていました。

Q:
そういった作品に自身が仕事で関わるようになるというは、素敵な巡り合わせですね。

小松:
親に「今、ヤマトを作っているんだよ」という話をしたら「そうなんだ。すごいじゃん。」という反応でした。今までの作品だったら「そんな作品、知らない」と言われちゃうところなので(笑)、やっぱり反応が返ってくるというのは嬉しいですね。

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第五章「煉獄篇」より、ヤマト


Q:
『2202』では、具体的な制作はどのように進めているのですか?

小松:
基本的には羽原監督がメインで進め、サポートを小林誠副監督が行っています。小林さんはどちらかといえばメカ系やガトランティスの美術を見ていて、それ以外のところが羽原さん、という感じです。コンテ修正は羽原さんが行っていますが、小林さんからも「こうしたい」「こうして欲しい」という意見が上がります。

Q:
その調整部分も小松さんのお仕事ですか?

小松:
そうですね、小林さんが会社へ来て話をしてくれるので、場を設けて2人で話してもらったり、という形です。

Q:
2人ともキャリアがある方なので、どのような感じなのだろうかと……。

小松:
羽原さんは「みんなの意見を聞いたら、きっといいものができる」と信じているので、小林さんの意見や、シリーズ構成の福井晴敏さんの意見なども聞いています。みんなの意見を聞いてまとめるのはなかなか難しいことだと思うのですが、羽原さんは諦めずに取り組んでいるので、自分としても羽原さんを信じてやっています。

Q:
羽原さんを含め個性的な面々が集まっているので、まとめるのは結構大変なのではないでしょうか。

小松:
そうですね(笑)。色々なアイデアを聞いたときには「これは本当にまとまるのか?」と不安になることもありますが、直接話し合うことでお互いに納得するところが見えてくるというような感じです。

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第五章「煉獄篇」より、古代進


Q:
小松さんは『2202』からの参加ですが、いざ「『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』に参加せよ」という話を受けたときの印象はどんなものでしたか?

小松:
やはりビッグタイトルですから、「自分にできるのかな?」と思いましたし、先輩のあとを引き継ぐことでの不安もありました。でも、実際にやってみるとすごく面白いです。ビッグタイトルだからこそ、ファンの声もよく聞こえてきて、すごくやりがいがあります。

Q:
外から見ていても大きなプロジェクトが動いていることがわかりますが、中に入って動いた感想はどうですか?大変ですか?それとも、楽しいものですか?

小松:
楽しくやらせていただいてます。いろいろな意見が出てきて、それぞれに「確かにそう思う」というものがあり、これがどうまとまるのだろうか、とか。

Q:
小松さんは、羽原さんがまとめていく様子を見守っているような感じですか?

小松:
そうですね、基本的にはあまりどうこうと口を出す人間ではないですし、羽原さんも小林さんも旧作からヤマトが好きな方々ですから、その人たちを立ててやっていただくのが作品作りとして一番ではないかと考えています。

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第五章「煉獄篇」より、サーベラーとズォーダー大帝


Q:
「アニメーションプロデューサー」という役職は、そもそもどういった仕事内容なのでしょうか。

小松:
「アニメーション制作の全般を見る」でしょうか。現場ももちろんチェックしなければいけないですし、人を連れてくるという仕事もありますし……。現状の自分の立ち位置としては、現場周りのことがメインです。「スケジュールはもうちょっとこうしよう」というところを各所に相談して決めたりしています。

Q:
主に打ち合わせは羽原さんと小林さんが行って、小林さんがサポートしつつ羽原さんがまとめるというお話でした。ストーリーラインは最初に福井さんが作り上げているということをうかがったのですが……。

小松:
福井さんのシナリオを元にコンテを上げてもらって、その上で監督チェック時に「もうちょっとこうした方がいい」というような部分を多少調整したりしています。

Q:
それは、シナリオ上は省略されてる戦闘シーンの具体的な描き方であるとか、そういう細かい部分での膨らませ方でしょうか?

小松:
それもありますし、できれば福井さんのシナリオを全部やれればいいのですが、すべてやると尺に収まらないという部分も出て来るので、そういった調整もあります。

Q:
たとえば、膨らませた部分が面白ければ、そちらが入ることで、もともと福井さんの書かれていた部分が削られるということもあるのでしょうか?

小松:
「話の山を作るために、ここはちゃんと描かないと」という部分も出て来るので、そちらの方にウェイトを置くこともあります。

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第五章「煉獄篇」に登場する戦闘シーンの1つ


Q:
さきほど、ビッグタイトルなのでファンの声が大きくてやりがいがあるというお話がありましたが、小松さんが担当した他の作品と比べて、やはり違いがあるものですか?

小松:
ネットで反応を見ていると、ヤマトはブログなどでもよく扱われていて、それこそ、カットごとに場面写真を貼ってコメントを書いているような人も見かけました。そういった熱心のファンもいるんだということを知ると、やりがいになりますね。ちょっとプレッシャーもありますが(笑)

G:
ネットだといい声がある一方で「ちょっとそれは耳が痛いな」という意見も書かれることもあると思います。それはどれくらい受け止めるものなんですか?

小松:
当然いいことが書かれてると嬉しいですし、嫌なこと書かれてると気持ちが落ち込むこともあります。ただ、ちゃんと見てくれた上での意見だとは思いますし、どう感じたかは人それぞれですから。反応があるだけで、嬉しいというか楽しいというか……。細かいところまで見つけてくれるとやった甲斐ありますし、誰も気付かないだろうと思っていたところまで見てくれているのは嬉しいです。

G:
「よかった、気付いた人がいた!」みたいなこともあるんですか?

小松:
そういうこともありますね。

Q:
制作面では、ヤマトが他作品と違っていた点はなにかありましたか?

小松:
今までは作画がメインで3Dが少ない作品を担当してきましたが、ヤマトでは作画と3Dがたくさんあって、作業行程が複雑です。今まではほとんどが、まずはレイアウトを描いてもらって、キャラを描いてもらって、それを作画監督に回して……という流れでしたが、ヤマトではカットによって回し方がそれぞれなので大変です。ものによっては3Dの素材を用意してから美術に発注しないといけないものがあったり、いろいろと絡み合うところが多いです。

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第四章「天命篇」より、戦闘中のヤマト


G:
現場から一歩引いたプロデューサーの位置での特有の難しさはありますか?

小松:
人を動かさなければいけない仕事なので、その点はいつも悩んでいるところではありますね。ちゃんと指示を出せているのか、そして指示を受けた人がちゃんと理解しているのか。やってもらって、全然違う結果が返ってくるということはうまく伝わっていないということですが、そういうときにどこまで言うべきなのか。あまり口うるさく言われるのも嫌だと思いますし……。

G:
プロデューサーという仕事をするにあたって「この人が参考になった」「この人の影響があった」という方はおられますか?

小松:
どうだろう……やはり先輩や、プロデューサー経験もある羽原さんだったりするかなと思います。特に、羽原さんはどうやって人をやる気にさせるかというところに重きをおいておられるようで、一緒にやってて勉強になります。羽原さんの発言でこちらがやる気にさせてもらうこともあります。だからこそ、こちらも「応えなければ」という気持ちになります。

Q:
スケジュール管理という点では、劇場作品でしかも全七章というのは、テレビシリーズとはかなり異なるスケジュール管理が必要なのではないかと思いますが。

小松:
テレビとはやはり違いますが、テレビに比べて時間をいただいているという点ではこの作品は恵まれていると思います。テレビだと放送が始まってしまうと1週ごとに納品していかないといけないですから。

G:
なにかスケジュール管理のコツやテクニックのようなものはあるのでしょうか?

小松:
事前に動けるかが大事なのと、あとは感覚的なところになりますね。仕事の速い人、遅い人がいて、仕事自体は遅いけれど、上がったら手間がかからない人というのもいますので、そのあたりのバランスを取ったりしています。

G:
仕事についてそれぞれの個性を把握して、調整して、と。たとえば第一章でうまくいった部分は第二章でも同じようにうまく回せるものですか?

小松:
前回の蓄積で少しは作業の予測も出来るようになり、楽にはなるのですが、その時の人のタイミングだったり調子だったり、作業の物量の変化だったりがあって、結局は予測通りに進めるのは難しいんですよ。

Q:
第五章上映開始に合わせてのインタビュー記事公開となるのですが、これまでの制作の「航海」を振り返って思うことなどありますか?

小松:
そうですね……第五章が上映されてもまだあと二章分ありますが、「やっとここまで来たな」というような気持ちはあります。最初の段階では、スタッフとのやり取りも手探りの部分があり、どうしたらうまくいくんだろうと考えて動いていました。その辺りも軌道に乗ってきて、やり取りの部分で悩むことも減りました。

Q:
これまで上映された章を振り返って、どの時期が一番大変だったというのはありますか?

小松:
第三章ですかね。最初は最初でわからないなりに必死でやっていた感じはありましたが、三章は三章でいろいろ苦しい局面があったりしたので……。

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第三章「純愛篇」より、ズォーダー大帝の笑み


Q:
第四章の時にはそういう修羅場を一回乗り越えて、すんなり進んだ感じなんでしょうか。

小松:
第四章は結構時間を使わせてもらって作れたかなと思います。3Dさんが慣れてスピードが上がったというのもあります。最初は時間がかかっていた部分も順調に進むようになり、3Dの実作業で苦労することは減ってきました。3Dカットが多く、撮影処理に近いことまで3Dにお願いしたりして、「3Dにおんぶにだっこ」みたいな部分もありつつ、とても助かっています。

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第四章「天命篇」より、ガトランティス軍と戦う二式空間機動甲胄


Q:
3Dだと、モデルができてストックされていくと、新たなモデルを作らなくてもよくなるので、手が空いていくというような事情などがあるのでしょうか。

小松:
やはり一番時間がかかるのはモデリングだと思います。そのあたりが全部できてしまえば、あとは元あるものをちょっと改造して、という形でもできるので、結構スムーズに行けるかなと。今回、艦隊戦のときの爆発なんかもほとんど3Dなんですけど、そういうものもいろんなパターンで作っています。

Q:
「引き出しが増えていく」と。

小松:
ただ、各章ごとに新しい試みというのもやっていたりします。

Q:
そうですね。新しいメカも続々出ますし。

小松:
たとえば第12話では、作画と3Dの融合ということで、エフェクトを作画で足し、撃つ主砲は3Dで……というようなことをやっています。フォルムが全然違うので、周りの作画に合わせて形を変えたりと、違和感が出ないようにやってもらいました。

Q:
波しぶきなんかもそうですね。

小松:
第4話のヤマト発進時のカットもそうですね。もともと描いてもらったものに処理を加えたり、追加したり……。そういう手間をかけて、映像を良くするために色々やっています。

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第二章「発進篇」より、飛び立つヤマト


Q:
仕上がった映像からはうかがい知れない苦労が多々あると思いますが、ヤマトならではの難しさみたいなものもあるのでしょうか。

小松:
ヤマトの「巨大感」をあまり出せていないんじゃないか?と心配になることはあります。ただ、そこは羽原さんや小林さんが見てくれているので、最終的な映像を見るとしっかりとできていますね。羽原監督も「巨大感とかは大事にしていかないと」と仰っていて、3Dに対するリテイクを出したり、微調整をしたりしています。

Q:
やはり、迫力ある映像を作るために「巨大感」が大きな要素であると。

小松:
実際、3Dの対比で置いてみると、そこまで大きく見えないことがあるので、無理やり3倍に大きくしたりして、あえてもっと大きく見せることもやっています(笑)

Q:
ということは、上がってきたものをみて「もっと大きく」と修正が入るような形ですか?

小松:
「3倍に」と。

(一同笑)

小松:
動くスピードが早すぎるから、3倍ぐらい尺を取ってやってみようということもあります。早すぎると、軽く小さく見えてしまうので。カッティングなど話数の定尺を決めるタイミングまでにそちらを調整終えないといけないので気をつかいます。

Q:
フォルムからなにから、重厚ですからね。

小松:
あと、キャラクターの作画だと、作画監督でも人によってキャラクターの得意・不得意があります。結城信輝さんのキャラとちょっと離れることがたまにあって、そういうとき、どうしようかと困ることはあります。

Q:
見ている人の中で積み重なってきたキャラクターのイメージもありますしね……。

小松:
古代と森雪とデスラーが難しいらしいです。

Q:
出番の多い人たちじゃないですか(笑) こういうところを押さえれば似るみたいなポイントがあるんでしょうか。

小松:
なんとも言えませんが、作業者ごとに多分違うんでしょうね。なので、そこだけ総作監に入ってもらったりして、その都度対応しています。

結城さんのデザインに似せるのが難しいと噂のデスラー


Q:
他の作品と比べたときに、ヤマトでは時間をかけているパートがある、みたいな部分はありますか?

小松:
ちょっと時間をかけているなと感じるのはコンテですね。まず、設定がすごく多いのでその理解が必要ですし、上がってきたコンテに修正を入れるときも、いろいろな意見をコンテ時に取り入れることもあるので、どうしても時間が必要です。あと、作画面でも時間をかけています。キャラ似せを出来る人が限定されているのと、他作品に比べて線が多く動画も時間かかります。

Q:
メカ的な部分で、全部がCGというわけではなく作画の部分もあると思うのですが、そういったところはどうでしょうか。メカの得意な方、人物の得意な方とおられると思いますが。

小松:
メカを一から描くというのは、たまにはありますがそんなに物量はなくて、CGで済むことが多いです。「2199」に比べるとディテールアップも抑え目にしてあります。メカについては小林さんや、ほかに3名ぐらいが担当するような形になっていて、そこまでの苦労はしていないです。

Q:
難しい部分も多々あると思うのですが、実際に見た映像が素晴らしいので、優秀なスタッフが集まって作られているのだなと感じます。

小松:
スタッフは優秀です。無茶ぶりも聞いてくれて、感謝しかありません。こちらとしては、スタッフたちに気持ち良くやってもらうということに重きを置いていて、どうすれば気持ち良く作業ができるかということを常日頃考えています。

Q:
「無茶ぶり」というのは小松さんからですか?羽原監督からですか?

小松:
羽原さんからです。作業をしているうちにいろいろ思い付くことがあるようで、急に言われたりすることがあります(笑)。「それでいきましょう」ということもあれば、「それはちょっと難しいんじゃないですか」ということもあります。

Q:
戦闘シーンでより動きを細かくとか、爆発のディテールアップをとか、そういう感じでしょうか?

小松:
実現した例としては、第3話のカット……ヤマトがドックに泊まっていてPANするシーンで、オールのチェック時に「ディテールアップしたい!」と(笑)。「そんな、すぐにはできないですよ?」となりましたが、実際にディテールアップをすることで、すごくカッコいいヤマトができあがりました。

ドック内のヤマト。これは「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第一章「嚆矢篇」(第1話・第2話)より。


Q:
我々はできあがったものしか見ていないので、どこが最初から予定通りで、どこが無茶ぶりかはわかりませんでしたが、そこだったんですね。

小松:
あれをやったことによって、後ろの話数でも「ディテールアップ、やるべきなんですね」みたいなことが(笑)。でも、それによっていい映像になったのは確かなので、作品良くするための無茶ぶりは聞いていくべきなのかなと思います。

G:
「できる」「できない」の判断基準や、これは譲れないというポイントなどはあるのですか?

小松:
効果があるかどうかというところです。それをやると他も全部やらなければならなくなるような、そもそも無理なものについては抑えたりする時はあります。基本的には、言われたらやる方向ではいます。

G:
「無茶ぶり」と表現しておられるというのは、結構厳しいものもあったりするのですか?

小松:
意見が出るタイミングが遅かったときには「最初から言ってくれれば……」と(笑)

G:
最初から出ていたら、出来たかもしれないというのもあったり……?

小松:
オールラッシュ時などのチェックの時になってからだと「あまり時間がない……」ということはあります。

G:
先ほどおっしゃっていた「気持ち良くやってもらうため」という点では、この無茶ぶりに応えることで羽原監督たちが……。

小松:
そうですそうです。クリエイターのモチベーションというのは、映像が良くなったかどうかみたいなところも結構大きくて、「あまり良くなかったな」となっちゃうとモチベーションも下がりますから、そこは気にしないといけないところだと思います。

G:
ディテールアップが反映されたものが上がってきたら、羽原監督や小林副監督の反応はやっぱり違うものですか?

小松:
小林さんは自分でディテールアップしてくれるので。羽原さんはその場で素直に「格好良い!」と言っちゃいますから(笑)。羽原さん自身、そうやってポジティブな反応をすることで周りの人にもいい気分になってもらおうというところもあるのかもしれないですね。そういうところは、真似しないといけないなと思います。素で言ってるだけかもしれませんが(笑)

G:
取材でもいろいろお話しして下さる方ですが、現場でも同じような感じなんですね。

小松:
本当にサービス精神旺盛な人です。

G:
その羽原監督をサポートして裏方に回っておられる副監督の小林誠さんは、小松さんから見てどういった方ですか?

小松:
お茶目なところもあったりして、親しみやすいです。

G:
羽原監督からは、小林さんが現場のアイデアマンだというようなお話をうかがっています。

小松:
どんどん話が出てきますよ。羽原さん以上にアイデアを出してくれます。ただ、いろいろなことが出てきすぎて、どれをどう拾うんだろうと悩むこともあります(笑)

Q:
最後に第五章の見どころといいますか、読者の皆さんにこういうところ見て欲しいという所があればぜひ。

小松:
第四章の最後で出てきたデスラーが、第五章前半のメインを飾ります。過去の苦悩が明かされたりなど、格好良く描けていると思います。後半は艦隊戦で、思いっきりドンパチをやっていますので、迫力ある映像を見ていただけたらと思います。

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第五章「煉獄篇」より……。


Q:
ありがとうございました。

劇場上映に先立ち、第五章「煉獄篇」冒頭10分がYouTubeで公開されているので、ぜひ見てみて下さい。

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第五章 煉獄篇 冒頭10分 - YouTube

©西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会

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