レビュー

ウサギにエメラルドを食べさせ知識を共有しながらエデンまで駆け抜ける対戦型カードゲーム「Argoat」プレイレビュー


カードを並べて作ったマップを旅しながら8つの知識を集め、闇に消えた楽園エデンへいち早くたどり着くことを目指すゲームが「Argoat」です。他のプレイヤーは楽園エデンにたどり着く同じ目的を持つライバルですが、時には交渉して協力し合うことがゲームを制する鍵になっています。ゲーム盤は自分たちでカードを並べて作りあげるため整然とした盤面やカオスな形をした盤面など毎回違った展開のゲームを楽しめることが特徴とのことで、実際にプレイしてみるとどうなるのか、編集部で遊んでみました。

Argoat | Domina Games
https://www.dominagames.com/argoat

「Argoat」の箱はこんな感じで、ファンタジー調の美少女とモフモフしたウサギのイラストが描かれています。「Argoat」はプレイヤーが8種類の知識カードを全て集め、その上でエデンに早く到達すると勝利というルールです。


プレイ人数は3~5人、プレイ想定時間は45分から60分、対象年齢は10歳以上となっています。


箱の中には説明書とカード、人型の駒・ウサギ型の駒・チェック用マーカー・緑色の宝石が入っていました。


ブリーナというウサギの駒は「Argoat」のために特注された専用の駒とのこと。輝くエメラルドなどコンポーネントは豪華で目を引きます。


ブリーナにはエメラルドを食べさせることで、プレイヤーは1マス多く移動することが可能になります。説明書によると「エメラルドを食べ過ぎたブリーナは巨大化する事もある」とのこと。


プレイヤーの駒・チェック用マーカーとブリーナを並べるとこんな感じに。ブリーナの駒はプレイヤーの駒より大きいので、一緒にプレイしていた編集部員からは「既に巨大化しているのでは」という声も。


エメラルドはブリーナに食べてもらう他にも、通行料として支払ったり、道具カードの購入などに使用します。


道具カードはいわゆるアイテムにあたります。3回移動など、強力な効果の道具カードを使用することでゲームを有利に進められます。


場所カードはすごろくのマスのようなもので、プレイヤーは場所カードを引いて自分で配置することでゲーム盤を作り上げていきます。


「暗い森」カードは場所カードの一種で、目的地として盤上に設置するカード。裏面は全て一緒ですが、裏返してみると……


どれか1つだけがゴールであるエデンに繋がっています。プレイヤーである旅人は暗い森を探索し、一つしかないエデンを見抜かないといけないというわけです。


そのエデンに入るためには、8種類の知識カードが必要。知識なき者はエデンに入る資格はありません。


実際に編集部員3人で遊んでみることに。場所カードの初期配置によって、初心者向けの「旅人」と上級者向けの「探求者」と2つの難度が用意されています。今回は「探求者」でプレイしました。


8種類の知識カードを設置。知識カードには特に効果はありませんが、8種類すべてを集めることで初めてエデンに到達できるようになります。


決められた場所カードを十字になるように配置してからスタートします。このとき、到着するたびに「場所カードを1枚設置し、エメラルドを1つ獲得」という効果の「辺境の街」を中央に置きます。プレイヤーは「辺境の街」に帰るたびに場所カードを盤上に置いて世界を広げるというわけです。


「辺境の街」に到着したので、場所カードを引いてみます。今回は到達すると「(3)太陽の知識を得る」という効果の「エオル湖」を引きました。


「エオル湖」を盤上に設置。このとき下の画像のように既に置かれている場所カードと道が繋がるように設置しなければなりません。


カード名の右横に竜のアイコンがあるカードには、目的地候補となる「暗い森」カードを繋げることができます。


設置した「エオル湖」に繋がる場所に「暗い森」を置きます。もしかしたらエデンへ繋がっているのかも。


「設置された『暗い森』が気になる……」ということで実際に向かってみることに。ブリーナにエメラルドを食べさせて連れて行ってもらいます。


エメラルドを食べたブリーナはピョーンとジャンプして黄色プレイヤーを2マス運んでくれました。1ターンの差が大きいゲームなので、ブリーナを上手に使うことが勝敗を分けそうです。


「自分の目で確かめてみよう!」と、おそるおそる黄色プレイヤーが駒を「暗い森」に進めます。


「暗い森」に到着した者だけが、エデンにつながっているかどうかを確かめることができます。チラリとカードをめくってみると、そこは楽園ではなく、漆黒の「深淵」が広がっていました。ハズレを引いたことが表情から他のプレイヤーに悟られないよう、何食わぬ顔で戻します。


カードを戻した後は、「見ましたよ」という証に自分の色のマーカーを置きます。以降、「暗い森」にたどり着いたプレイヤーはマーカーの個数分だけエメラルドを支払わなくてはいけません。


青色のプレイヤーと黄色のプレイヤーが同じ場所カード上に止まりました。「Argoat」では、プレイヤーが同じ場所カードに止まると、「交渉」することが可能です。


今回、黄色プレイヤーは「(3)太陽の知識」「(5)精霊の知識」を、青色プレイヤーは「(2)世界の知識」「(3)太陽の知識」を持っていて、お互いが相手の所有していない知識を持っている状態となっています。


交渉して、お互いの知識を「共有」することにしました。「交渉」では通常のゲームのように道具やエメラルドを交換するほかに、知識や暗い森カードの情報などを共有することもできます。知識はお互いに教え合うものということで、与えたらなくなるものではありません。つまり、このゲームでは他のプレイヤーと交渉し、情報を共有すればするほど有利にゲームを展開できるというわけです。


他にも、場所カードによっては、エメラルドを支払うことで道具カードを得ることができます。実際に黄色プレイヤーがエメラルドを支払って「キャラバン」から道具カードをゲットしているところが以下の画像。


手に入れた道具カードは「この手番の間、移動を3回まで行うことが出来る」という効果の道具カード「白竜の翼」でした。道具カードは自分の番ならいつでも使えるので、手元に残しておくことに。


ゲーム終盤になると、お互いに共有したり交換したりすることで、全員のプレイヤーが知識カードを揃えている状態に。エデンが隠されている「暗い森」カードは合計4枚あるので、3枚分の「暗い森」を見ている青だけがエデンの位置を把握しています。「このままではマズい……、青色プレイヤーに独走されてしまう」と考えた黄色プレイヤーは、赤色プレイヤーに「暗い森」カードの共有を持ちかけます。黄色プレイヤーと赤色プレイヤーはそれぞれ異なる「暗い森」の情報を知っているので、お互いに協力すればエデンの場所がわかるというわけ。共有の結果、全プレイヤーが「エデンは画像左下の『暗い森』カードにある」と知ることとなりました。既に全員が8種類の知識を全て揃えているので、後はエデンに突入するだけという状態です。


エデンへ向かおうとデッドヒートが開幕し、黄色プレイヤーが温存していた「白竜の翼」で加速し3ターン分の移動を行い、他のプレイヤーに一挙に差をつけました。


黄色プレイヤーがそのまま楽園エデンへ到達。なお、エデンは「誰かがそこに到達したならば楽園は再び闇の中で永き眠りにつくだろう」とのことで、黄色プレイヤー以降はもはや誰もエデンに入ることはできません。


3人でプレイしたところ、1回のプレイ時間は1時間ほどといったところでした。展開にも左右されますが、人数が増えるとむしろゲームのプレイ時間は短くなる様子。参加人数が多いと、プレイヤー同士の交換や共有がより頻繁に行われるので、知識カードが速攻で集まりやすく、3人よりもプレイ時間は短くなる印象でした。


実際に「Argoat」をプレイしてみたところ、他のプレイヤーを妨害するゲームではなく、知識をお互いに共有することでエデンに向かっていくゲームなので、「この知識を共有するとお得ですよ」と言いながら実は自分だけが得をする取引が非常に重要になります。

序盤は「いっぱい知識を共有しようよー、お互い損せず絶対得だよー」と和気藹々とプレイしつつ、後半が近づくにつれて「これ以上共有すると他の人に先にゴールされてしまう……!」と切迫した空気になるのが醍醐味。編集部では「最初からアイテムを2つずつ持ってスタートする」「最初から好きな場所カードをそれぞれ置く」などのランダム性を増やすローカルルールの提案もあり、ルールを工夫してプレイするのもアリです。


「Argoat」は、税込3490円でAmazon.co.jpから購入可能です。

Amazon | Argoat | ボードゲーム

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in レビュー,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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