時価総額50兆円という「アリババ」をゼロから立ち上げたジャック・マー氏と17人の創業者たち
By Charles Chan
中国最大のeコマース企業「アリババ・グループ(阿里巴巴集団)」の創業者であるJack Ma(ジャック・マー)氏が2019年9月に会長の座を退くことを発表したことは、世界に大きな衝撃をもたらしました。19年に渡ってトップの座を務めてきたマー氏はアリババを時価総額4200億ドル(約48兆円)という巨大企業に育て上げ、自らも推定380億ドル(約4兆3000億円)ともいわれる資産を手にしましたが、マー氏と17人の仲間によって起業された時にこれほどまでの規模に成長すると予測できた者はほとんどいないはず。そんなアリババを最初期から支えたメンバーの一覧がまとめられています。
A Brief History of Alibaba Founders
https://iprice.sg/trends/insights/history-jack-ma-alibaba-18-founders/
1999年にアリババが立ちあがったとき、創業者として名を連ねたのがマー氏を筆頭とする以下の18人。そのうち、マー氏を含む7人は2018年時点でもアリババに在籍しており、残る11人のうち4人は起業して要職に就いています(Cathy Zhang氏はマー氏の配偶者)。ただし、6人に関してはアリババ退職後の消息は不明だそうです。
マー氏の生誕からアリババ起業までのタイムラインをまとめたインフォグラフィックも作成されています。
マー氏は1964年に中国の浙江省杭州市で誕生。1984年、2浪の後に「杭州師範学院」に入学し、この時に後に妻となるCathy Zhang氏と出会います。またこの時に知り合った同級生のLou Whensheng氏は、卒業後にマー氏がテレビで自ら起業した中国初のビジネス情報発信サイト「中国イエローページ」について説明しているのを見かけ、再びマー氏と接触して後にアリババを立ち上げることになったとのこと。
1988年、「月収1200円」で有名なマー氏の英語教師時代にはJin Yuanying氏とZhou Yuehong氏と知り合いました。Yuanying氏はその後、別の2名に説得されてアリババ創業に加わることになり、Yuehong氏はタオバオのコアとなるコードを開発しました。
1995年、マー氏は前出の「中国イエローページ」を設立。その際には、後にアリババ最初のプログラマーとなるEddie Wu氏、アリババのロゴを考案したJames Sheng氏、この後ずっとマー氏の右腕となるToto Sun氏、元ジャーナリストのJin Jianhang氏、そしてマー氏がMOFTEC(中華人民共和国商務部)の下部組織で電子商取引ビジネスの開発に携わっていた時にマー氏の「オーラ」に魅せられたというSimon Xie氏に出会っています。
そして1999年、マー氏は35歳の時に自宅アパートの一室でアリババを立ち上げました。その際には前出のメンバーに加え、Eddie Wu氏の強い薦めでエンジニアのShi Yufeng氏が加入。そして、マー氏のビジョンに惹かれたというJoseph Tsai氏は70万ドル(当時のレートで約8000万円)という年収を捨ててアリババに加入。当初は月収50ドル(約6000円)という収入でしたが、2018年時点でTsai氏はアリババの副会長の座にあり膨大な資産を築いています。また、創業時に加入したLucy Peng氏は前出のToto Sun氏の配偶者で、夫の決断をサポートし、自らもネットベンチャーに賭ける思いでアリババに加入しました。
このように、アリババはマー氏の旧知の知り合いを中心にビジネス関連の人材などが加わって起業され、世界最大級のeコマース起業へと成長するに至ります。さらに、投資銀行モルガン・スタンレーの調査チームは、アリババは2027年までにAmazon.comの3倍の規模に成長すると予測。アリババ創業に携わった人たちの「チャイニーズ・ドリーム」はこれからが本番ということなのかもしれません。
アマゾンより怖いアリババ?(市場点描) :日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31230520R30C18A5920M00/
2027年までに中国のアリババ集団のビジネスチャンスは米アマゾン・ドット・コムの3倍になる――。米モルガン・スタンレーの調査チームはリポートの中でこう「予言」する。日本でも今後、アリババのほうが小売株など関連銘柄の脅威として意識される時代がくるかもしれない。
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