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ロケットをつり下げて空中発射する「ストラトローンチ」が打ち上げに使う機材計画を発表


双胴型の飛行機の中心にロケットをつり下げて離陸し、空気が薄くなった上空で発射することで効率の良いロケット打ち上げを実現する「Stratolaunch(ストラトローンチ)」が、2022年以降に計画されているサービス開始に向けて運用機材を発表しました。

Stratolaunch Announces New Launch Vehicles - Stratolaunch Stratolaunch
http://www.stratolaunch.com/2018/08/20/stratolaunch-announces-new-launch-vehicles/

Stratolaunchは、Microsoft共同創業者のポール・アレン氏が携わる企業。公表された以下のCGイラストでは、全幅117メートル余りの親機と共に運用される4種類のロケットとして、左から「Pegasus」「Medium Launch Vehicle(MLV)」「Medium Launch Vehicle – Heavy」「Space Plane」が示されています。


4タイプのロケットのうちPegasusはすでに運用実績がある機材であり、今回新たに発表されたのが以下の3タイプ。一番左の「MLV」は中間サイズの人工衛星などを高度400kmの地球周回軌道に乗せるためのロケットで、打ち上げ可能重量(ペイロード)は3400kg。2022年の運用開始を目指して開発が進められています。真ん中の「MLV Heavy」は3本のロケット本体に3基のロケットエンジンを備えた機体で、MLVよりも重い6000kgの機材を軌道に投入するためのもの。そして、「Space Plane」は地上に帰還して再利用が可能な機体で、貨物と宇宙飛行士の両方を載せて宇宙に行くことができる機材。まだデザインスタディの段階で、これから開発が進められる計画です。


Stratolaunchの打ち上げシステムの特徴は、双胴型の飛行機でロケットを上空まで持ち上げてから空中発射するという点にあります。地上で静止状態からロケットを垂直に打ち上げるためにはとてつもないエネルギーが必要であり、そのための燃料を多く搭載する必要があります。一方、Stratolaunchの打ち上げ方法では、翼を使って効率良く飛ぶことができる親機であらかじめロケットを上空へと運び、空気抵抗が少なくなったところからロケットを発射することで、全体的な効率を向上するというものです。


一方の親機である「Roc」は2017年5月に初公開されており、運用開始に向けた各種試験を行っている段階にあるとのこと。中古で調達した2基のボーイング747-400型機から流用したというエンジン6基とコックピット回りなどを持つこの「怪鳥」は、2018年2月には滑走路上でスピードを出す「タキシング試験」で時速74kmに到達するなど、初飛行に向けた準備が進められています。初飛行は2019年2月頃が予定されているとのことです。

ロケットをつり下げて離陸・打ち上げ可能な超巨大ロケット打ち上げ飛行機「Roc」が初公開 - GIGAZINE

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in 乗り物, Posted by darkhorse_log

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