海外逃亡を果たしたナチスの戦犯をイスラエルへ連行するミッションを描いた映画「オペレーション・フィナーレ」最終予告編が公開
ナチス・ドイツが行ったホロコーストにおいてユダヤ人を強制収容所に移送する指揮的役割を担ったアドルフ・アイヒマンは、1960年に逃亡先のアルゼンチンでイスラエル諜報特務庁(モサド)に捕らえられ、イスラエルに連行されました。このアイヒマンの拘束に携わったモサドの捜査官ピーター・マルキン氏を主人公とした映画「オペレーション・フィナーレ」の、最終予告編がYouTubeで公開されました。
OPERATION FINALE | Final Trailer | MGM
暗闇で光るカミソリを手にするマルキン。
シェービングクリームを顔に塗られているのはアイヒマンです。「お話を聞かせて下さい」とマルキンが聞くと、アイヒマンは「私に拒否権はないだろう」と答えます。
「あなたがユダヤ人を収容したキャンプのことを、『除去マシン』と呼んだのは本当ですか?」とマルキンが尋ねました。
林の中を歩くアイヒマン。ナチスの制服を身にまとっています。
林を抜けたアイヒマンは……
大勢のユダヤ人が集められた溝を見つめます。
「誰もが汚い仕事のことを、あえて軽々しい言葉で表現していた」と答えるアイヒマン。
「まるで我々を動物のように見ていたんですね」と言うマルキンは、あくまでも静かな口調を崩しません。
するとアイヒマンは「私たちは誰もが動物だ。ただ、他の動物よりも強い牙を持つものがいるだけの話だよ」と言い返しました。
軍人らがユダヤ人たちに向かって銃を構え……
アイヒマンは軽く手を振って「除去」の合図を下します。
「アルゼンチンへようこそ」という言葉と共に……
入国審査官がパスポートにスタンプを押します。第二次世界大戦後、多くのナチス関係者が秘密のネットワークを通じてアルゼンチンへと逃亡を果たしました。
そして、戦争後に世界各地へ逃亡したナチス関係者を追う組織も、アルゼンチンを含む世界各地へと捜査の手を広げていたのです。
「アドルフ・アイヒマンを見つけた」
モサドの人間は潜入した国の政府にも気取られないよう、隠密に行動し……
ダーゲットを捕らえます。
アイヒマンの場合は、その場で殺してしまうのではなく、生きたまま捕らえることが目的とされました。
「アイヒマンをイスラエルで裁判にかける」とモサドの捜査官が話します。
「私の仕事はとてもシンプルなことだった。愛する祖国を崩壊から救うということだ」と語るアイヒマン。
アイヒマンが読んでいた書類は……
ユダヤ人のリストでした。
アイヒマンはマルキンに、「イスラエルのために働いている君の仕事と何が違う?」と聞きます。
アイヒマンを捕らえても、国外へとアルゼンチン当局の目を盗んで移送するのはとても困難です。
「この国には元ナチスが大勢いる」と話すモサド捜査官。マルキンも「この町にも至る所にいるさ」と答えます。
「ピーター。君は誰を失った?」と尋ねるアイヒマンに、マルキンが「我々は600万人の同胞を失った」と答えようとすると……
「違う。『君たちユダヤ人』ではなく、『君』に聞いている」とアイヒマンが遮ります。
答えられないマルキン。
「アイヒマンは我々をコントロールしようとしている」と話すモサド捜査官。
「ナチスのユダヤ人問題の最終的解決で重要な役割を果たした超大物」であるアイヒマンを拘束し、裁判を行うという案件に失敗は許されません。
「ナチスの人々は、私の死を『正義』だと言うはずだ」と語るアイヒマン。
激高して「部屋から出て行け!」と叫ぶマルキンに……
「なぜだね!」と挑発するように叫び返すアイヒマン。
眠っているアイヒマンの首に手をかけようとするマルキンの脳裏を……
「私たちは誰もが動物だ」というアイヒマンの言葉がよぎります。
マルキンはどのような決断を下すのか。
「OPERATION FINALE」は2018年8月29日(水)にアメリカで公開される予定で、日本での公開予定日は未定となっています。
ちなみに、アイヒマンがアルゼンチンにいるという情報をモサドに提供したフリッツ・バウアー検事の視点からの映画として「アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男」があります。2017年に日本でも劇場公開され、DVDがリリースされています。
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