Facebookが時価総額13兆円超を失う株価の急落を体験、1日での減少としてはアメリカ史上最大
by William Iven
Facebookが第2四半期決算を発表し、同期の売上高が42%増となり130億ドル(約1兆4000億円)を超えたことを明かしました。それにもかかわらずFacebookの株価は23%も急落し、時価総額はなんと約1200億ドル(約13兆円)も下落しました。これはわずか1日での株価の下落率としてはアメリカ史上最大の記録とのことです。
Facebook’s stock market decline is the largest one-day drop in US history - The Verge
https://www.theverge.com/2018/7/26/17619424/facebook-stock-market-decline-largest-ever
Facebook loses $120 billion in market cap after awful Q2 earnings | TechCrunch
https://techcrunch.com/2018/07/25/fallbook/
Facebookの株価が急落する瞬間のチャートは以下の通り。午後4時からほぼ90度にガクッと下がっています。当日の最高値は217.5ドル(約2万4000円)で、決算発表後には約172ドル(約1万9000円)まで急落。「わずか2時間あまりでFacebookは、ほとんどのスタートアップの時価総額よりも大きい価値を失った」と海外メディアのTechCrunchは記しています。
TechCrunchはFacebookの株価急落の理由として以下の4つを挙げています。
ひとつ目の理由は「ユーザー増加率の鈍化」です。前四半期のユーザー増加率は3.14%であったのに対して、今期の数値はわずか1.54%。アクティブユーザーの増加率は前四半期が3.42%であったのに対して、今期はわずか1.44%となっており、成長が鈍化しているのは明らか。ヨーロッパやアメリカ・カナダといった地域ではユーザー数が横ばいもしくは減少しており、これらの「Facebookにとって最も収益性の高い市場」でユーザー数が伸び悩んでいることが、多くの株主の失望させた可能性があるというわけです。
以下のグラフはFacebookの四半期ごとのユーザー増加率を示したもの。2018年第2四半期の増加率がこれまでよりもかなり低いことは明らかです。
2つ目の理由は「収益の伸びの鈍化」です。2018年第2四半期で売上高42%増を記録したFacebookですが、同社のデビッド・ウェーナーCFOは、今後のいくつかの四半期決算では収益の伸びが鈍化していく可能性があると警告しており、これが株価の急落に影響したことは明らかです。
以下のグラフはユーザー1人当たりの売上を示すもの。
3つ目の理由は「プライバシーと幸福」。2018年第2四半期決算は、「EU一般データ保護規則(GDPR)」に伴いプライバシーポリシーの変更が行われてから初めての四半期決算でした。GDPRはケンブリッジ・アナリティカの問題を受けてFacebookがプライバシー管理を改善しなければならない理由のひとつとなっているだけでなく、ウェーナーCFOによれば「GDPRがFacebookのユーザー損失の一因にもなっている」とのことです。
4つ目の理由は「Storiesへの移行」です。縦画面で表示されるスライド機能「b>Stories」をFacebookが導入したことで、ユーザーによるフィードの共有などは増加すると見込まれていますが、広告主の乗り遅れが指摘されており、収益鈍化に影響しているのではないかと考えられています。実際、Facebookのシェリル・サンドバーグCOOも「Storiesが通常のニュースフィードと同じように収益をあげられているのか正直言ってわかっていない」とコメントしています。
・関連記事
Facebookの個人データ5000万人分が流出した一件を告発したクリストファー・ワイリー氏とは? - GIGAZINE
5000万人分の個人情報を不正利用されたFacebookはユーザーだけでなく従業員への対応にも四苦八苦 - GIGAZINE
Facebookを退会するならデータを無茶苦茶にしてからにするべきという提言 - GIGAZINE
20億人のFacebookユーザーの大部分は何らかの個人情報を取得されていた可能性があるとザッカーバーグ氏が示唆 - GIGAZINE
Facebook経由で自分の個人情報が不正利用されたかどうかを調べる方法 - GIGAZINE
「Facebookはいつの間にユーザーの個人情報を集めていたのか」についてFacebookが回答 - GIGAZINE
・関連コンテンツ