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5000万人分の個人情報を不正利用されたFacebookはユーザーだけでなく従業員への対応にも四苦八苦

by Tim Bennett

5000万人分の個人情報を不正利用された一件で大きな注目を集めているFacebookおよびマーク・ザッカーバーグCEO。3月25日にはアメリカとイギリスの新聞各紙でザッカーバーグ氏の署名入り広告が掲載され、データ流出に関する謝罪が行われています。問題発覚から現在までのFacebookの対応をNew York Timesが振り返っています。

Zuckerberg Takes Steps to Calm Facebook Employees - The New York Times
https://www.nytimes.com/2018/03/23/technology/zuckerberg-facebook-employees.html

2018年3月、Facebookはコンサルティング会社のCambridge Analyticaが、Facebookユーザー5000万人分のデータを不正に入手し利用していたことを明らかにしました。この一件から、ザッカーバーグ氏には議員・規制当局・ユーザーからのプレッシャーが日増しに高まっているわけですが、同時に従業員への対処にも迫られているとNew York Timesは指摘しています。

問題発覚後、FacebookはCambridge Analyticaの問題について従業員に説明するために、弁護士のポール・グレウォール氏と共にスタッフミーティングを開きました。匿名のFacebook従業員が明らかにした情報によると、その翌日にもザッカーバーグ氏は直接従業員らに対してデータの不正利用に関する詳細を説明していたそうです。さらにその週末には、定期的に開催されている従業員会議の中でもデータの不正利用に関する対応を迫られていたとのこと。ザッカーバーグ氏が従業員と多くのコミュニケーションを取ったことが、データ不正利用について謝罪するきっかけになったとNew York Timesは指摘。


そしてしばらくの間沈黙を保っていたザッカーバーグ氏ですが、ついに謝罪することとなります。ザッカーバーグ氏の謝罪コメントがどのようなものだったのかは以下の記事を読めばわかります。

5000万人のユーザーデータを不正利用されたFacebookのザッカーバーグCEOが間違いを犯したと認める - GIGAZINE


Cambridge Analyticaが2016年のアメリカ大統領選挙でSNSを駆使してトランプ大統領誕生を支えたことは有名ですが、これを知ったFacebook従業員の士気が低下したことは明らか。シリコンバレーでは企業間で激しい人材の奪い合いが起きており、そのような状況下で従業員の関心を低下させるような出来事(データ不正利用)が起きたため、ザッカーバーグ氏は自ら従業員に一件のあらましを説明して回っていたというわけです。

実際、あるコンサルティング会社の会長は、「10年前、Facebookは大学卒業後に入社するのに最もホットな企業でした。しかし、2018年は最高の卒業生たちが必ずしもFacebookを目指しているとは言えない状況です」と語っており、長らく人気を博していたFacebookが雇用市場で後れを取り始めていることを指摘しています。しかし、ザッカーバーグ氏の努力の成果か、Facebookの従業員らの士気は回復しつつあるとのことです。

by Stock Catalog

問題発覚から数日後、ザッカーバーグ氏は事態を鎮めるためにインタビューを受けましたが、議会やユーザーからの支持を再び得られるような状況まで回復するには至っていないのが現状です。

アメリカの民主党議員はCambridge Analyticaの一件に関連する「Facebookの個人情報収集と売買」についてヒアリングすべく、ザッカーバーグ氏に対して正式に要請を出したとも報じられています。一方、ユーザーの間ではFacebookのアカウントを削除しようというキャンペーン「#DeleteFacebook」が行われています。なお、「#DeleteFacebook」にはあのイーロン・マスク氏も参加しており、同氏が創業したスペースXやテスラといった企業のFacebookページは利用不可能となっています。


この「#DeleteFacebook」について、ザッカーバーグ氏はインタビューの中で「これは人々にとって大きな信頼の問題であるという明確な信号だと考えています」と回答しています。

なお、今回のデータ不正利用はFacebook上にさまざまなデータが集まってしまっているため起きた出来事だとして、Facebookを含む集中型のインターネットサービスを提供する企業を批判し、さまざまなデータが異なるプラットフォームに分散するようなシステムの必要性を説く人も登場しています。

Achtung! Decentralize, decentralize, decentralize! | Drew DeVault’s Blog

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in ネットサービス, Posted by logu_ii

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