レビュー

Android最速の呼び声高いOnePlusの旗艦スマホ「OnePlus 6」レビュー、Snapdragon845+8GBメモリの端末の性能は?


Androidスマートフォンとしては常に最高のスペック&最速ベンチマークの端末を割安に出すことで知られるOnePlusが、最新モデル「OnePlus 6」をリリースしました。iPhone Xを筆頭に10万円を超えるプレミアム価格のフラッグシップ端末が増える中で、3割ほど安価なOnePlus 6の性能はいかほどか、確かめてみました。

◆外観チェック
白い箱に「6」のくぼみがあるパッケージデザインは従来モデルを踏襲。なお、OnePlusは中国で不吉な数とされる「4」をスキップしたため、OnePlus 6は2014年登場の初代「OnePlus One」から数えて5代目のモデルとなります。


箱を開けると真っ赤な箱が出てくるのは、OnePlusシリーズ共通です。


中身はOnePlus 6本体、保護ケース、電源アダプター・ケーブル、簡単な説明書とSIMスロットを開けるピンとなっていました。


OnePlus 6は6インチオーバーの大画面有機ELディスプレイを搭載します。ディスプレイ下部はベゼルレスデザインによりホームボタンがなくなりました。


そしてディスプレイ上部はiPhone Xのような「ノッチ」デザインが採用されています。ただし、切り欠き部分には近接センサー、スピーカー、フロントカメラのみで、iPhone Xのような顔認証用のTrueDepthカメラなどは搭載されていません。


この端末は「Mirror Black」と呼ばれるカラーでガラス製バックパネルを採用しており、まるで鏡のような映り込みです。


リアには縦2連のデュアルカメラを搭載。フロントの指紋センサー兼ホームボタンがなくなった代わりに、リアカメラ下に指紋センサーを搭載しています。


バックパネル下に「Designed by OnePlus」の文字。


背面左側には、上から物理スライダーと電源ボタン。物理スライダーは3段階で、サイレントモードやバイブモードなどを指定できます。


背面右にはSIMカードスロットとボリュームボタン。


底面にはイヤホンジャック、マイク、Type-CのUSBポート、スピーカー。


天面にはマイクのみ。


SIMカードはナノSIMタイプ×2のDSDS対応です。


付属の保護カバーを取り付けるとこんな感じ。ギラギラしたミラー状態ではなくなりますが、適度な光沢は残っています。


指紋センサーをサポートするため開口部は広め。


純正アクセサリーなので、ホールの位置は完璧です。


◆使ってみた
・基本スペック
OnePlus 6は、SoCにQualcommのSnapdragon 845(8コア)、メモリは8GB、ストレージは最大256GBのUFS、OSはAndroid 8.1 Oreoを搭載。ノッチデザインのディスプレイは6.31インチ(1080×2280)まで拡大。2018年6月現在、文句なしにAndroidスマートフォン最高峰のスペックを誇ります。


・ディスプレイ
起動してすぐに目立つのは、やはり有機ELディスプレイ。ノッチデザイン&ホームボタンを撤去したことにより、縦方向に表示領域が拡大しています。


前モデルのOnePlus 5(右)と比較すると、縦方向の拡張っぷりは一目瞭然。


ブラウザアプリChromeでGIGAZINEトップページを表示すると、表示領域が増えていることが分かります。


ちなみにiPhone X(右)と比べても表示領域はほぼ同等。


切り欠きはOnePlus 6の方が小さめとなっています。とはいえ、ノッチ部分を含むディスプレイ最上段の利用価値はほぼないので、メリットとまでは言えません。


なお、「ノッチデザインが大嫌い」という場合は、「設定」→「ディスプレイ」→「ノッチ表示」から切り欠きの有無を選べます。


・ベンチマーク
Geekbench 4」でベンチマークを測定すると、シングルコアが「2457」、マルチコアが「9050」でした。


Samsungの「Galaxy Note 8」やGoogleの「Pixel 2」と比較すると、Snapdragon 845を採用するOnePlus 6のスコアの高さが際立ちます。


Antutu Benchmark」のスコアは、OnePlus 6が「286621」、OnePlus 5が「198553」、iPhone Xが「212589」。OSのプラットフォームが異なるiPhone Xとの直接的な比較は困難ですが、少なくとも前モデルのOnePlus 5を大幅に上回る性能をOnePlus 6が持っていることは間違いなさそうです。


・カメラ
OnePlus 6のデュアルカメラは、iPhone Xと同様に縦2連に変更されました。ということで、iPhone XやOnePlus 5と比較しつつ、OnePlus 6のリアカメラで撮影を試してみました。


以下、比較写真はすべて左からiPhone X(左)、OnePlus 6(中央)、OnePlus 5(右)の順で、3機種ともにHDR機能はOFFにしています。

屋外でバラを撮影すると、iPhone XとOnePlus 6はバラの花びらの輪郭がくっきりしており精細感が高め。


ズームレンズを使った撮影では、明るさはiPhone X、色の鮮やかさはOnePlus 6という感じ。


近接撮影では、文句なしでOnePlus 6(中央)が花を美しく切り取ります。


暗い場所での撮影では、OnePlus 5(右)は白飛びしているのに対して、iPhone XとOnePlus 6はしっかりと明るい場所を撮影できています。天井や壁を見比べるとOnePlus 6の方がiPhone Xよりもはっきりと模様を描けており、暗所性能ではOnePlus 6がリードしていると感じます。


OnePlus 6には背景をぼかして人物を際立たせる「ポートレートモード」があり、被写界深度を変えて手軽にボケを楽しむことが可能です。


iPhone X(左)ではポートレートモードで近接撮影してもピントが合いませんでしたが、OnePlus 6(右)では問題なく近接撮影可能でした。


・スローモーションムービー
OnePlus 6ではフルHD(1920×1080)・240fpsでのスローモーション撮影が可能です。240fpsだと以下のようなムービーを撮影できます。

OnePlus 6のフルHD・240fpsのスローモーションで噴水を撮影してみた - YouTube


・充電速度
OnePlus 6は付属の充電器「Dash Charger」を使って急速充電が可能です。ということで、バッテリー残量を「9%」にした状態から充電を始めて速度を計測してみました。


結果は、約40分で82%まで回復。その後は充電のペースがやや落ちましたが、約1時間もあれば90%まで回復させられそうです。


・顔認証
OnePlus 6ではOnePlus 3やOnePlus 5と同じく「顔認証」機能が使えます。iPhone Xのような深度を測定できるTrueDepthカメラはなく通常の2Dカメラでの認証なので暗闇でのロック解除は不可ですが、ロック解除のスピードは驚くほど速く、ロック画面の通知を認識する前にロックが解除されるほど。通知を見たければ、ロック画面で顔認証に加えてスワイプ操作を要求することもでき、また暗闇で画面を点灯させて顔認証をサポートする機能もあります。


・ゲームモード
OnePlus 5に引き続き、「ゲームモード」が搭載されています。ゲームプレイ中の着信や通知をシャットアウトしたり、ネットワークを優先的にゲームに割り当てたりと、ゲームプレイ中にはかなりありがたい機能となっています。


◆感想
約10日ほどOnePlus 6を使ってみて、前モデルのOnePlus 5との比較で感じたことは以下の通り。

縦にスクロールする場面が多いスマートフォンスクリーンでは、縦方向への拡大はありがたいものと思っていましたが、表示領域が増えたメリットを体感することは意外なほど少ないというのが正直な感想です。5.5インチ大画面のOnePlus 5の時点で縦方向で視界に入る範囲の限界に近づいており領域拡大の恩恵を受けることがないせいかもしれません。


とはいえ、アンカー広告や下りてくるタイプの広告などで上下方向の有効領域が狭まるような場面では大画面の恩恵をフルに受けることができます。


また、OnePlus 6ではホームボタン廃止にともない指紋センサーが背面に移動しましたが、横長デザインのためロック解除がしにくいと感じます。ホームボタンの指紋センサーの場合、親指でのタップになるので横長の方が使いやすいものですが、背面の指紋センサーの場合、縦長の方が使いやすいはず。指紋センサーでのロック解除操作は、OnePlus 5に比べると明らかにストレス高め。顔認証でのロック解除を使えということなのでしょう。


個人的に問題だと感じたのが、ホームボタンや戻るボタンなどに好きな機能を割り当てられるダブルタップ機能の劣化。従来あった「カメラ起動」が選択肢から消えたことで、カメラへのアクセス性が悪化しています。


電源ボタン2度押しでカメラを起動させることは可能ですが、親指1本で素早くカメラを起動するのに比べると俊敏性に欠け使い勝手が悪くなっているのは確か。なぜ機能の選択肢を少なくしたのか理解できません。ここは、ソフトウェアアップデートでの復活を期待したいところです。


メモリ容量が8GBに到達&望遠モード付のデュアルカメラ搭載で完成度の極めて高かったOnePlus 5と比較して、OnePlus 6が確実にグレードアップしたと言えるのは、SoC性能とディスプレイ領域、静止画の画質といったところ。ホームボタンの廃止やノッチデザインなど人によっては好みが分かれる部分もあり、OnePlus 5/OnePlus 5Tユーザーが積極的に乗り換えるべきメリットはそれほど多くはなさそうです。ただし、「とにかく最速のAndroidスマートフォンが欲しい」という性能重視派にとっては、文句なしに満足感を得られる端末だと断言できます。


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in レビュー,   モバイル,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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