ゲームの主人公における「女性」の比率はまだまだ少ないことを示すデータ

ゲームの世界における女性の扱われ方に対して疑問を投げかけ、ゲーム業界が作品内で「女性をマイノリティとして描いていないか？」を再考するきっかけとなった人物がアニータ・サーキージアンさんです。サーキージアンさんが運営する女性の地位向上に向けたムービーなどを公開するメディア「Feminist Frequency」では、E3 2018で発表されたゲームにおける男女の役割を分析したデータが公開されており、まだまだゲームの中では女性キャラクターを主人公とする作品が少ないことが明らかになっています。

Gender Breakdown of Games Featured at E3 2018 — Feminist Frequency
https://feministfrequency.com/2018/06/14/gender-breakdown-of-games-featured-at-e3-2018/

The number of women protagonists in E3 games still in single digits - Polygon
https://www.polygon.com/e3/2018/6/14/17465102/women-protagonists-video-games-e3

任天堂やPlayStationが発表会を開催した世界最大のゲームカンファレンスE3 2018では、世界中のさまざまなゲームメーカーが新作を発表しています。そんなE3 2018で発表されたゲームの数々を分析し、「主人公の性別」がどのような偏りを持っているかを分析したデータをFeminist Frequencyが公開しています。

以下のグラフが主人公の性別を分析した結果を示すグラフ。分析対象となったのは118個のゲームで、そのうち半分の50％が主人公の性別を選択できるようにしており、男性キャラクターのみ選択できるようになっているゲームは24％でした。一方で明確に女性が主人公のゲームは全体の8％(9作品)しか存在せず、男性キャラクターのみ選択できるゲームのおよそ3分の1。その他、性別があてはまらないゲームが13％、性別があいまいな作品が5％存在した模様です。

Feminist Frequencyでは過去数年間にわたって同じように「E3で発表された新作ゲームの主人公の性別」を分析しており、ゲームの主人公が女性の割合は7～9％というケースばかりだそうです。ただし、2016年は女性主人公のゲームが少なく、全体のわずか3％しか存在しなかった模様。

女性キャラクターが主人公のゲームとしては、「Last of Us Part 2」「Wolfenstein Youngblood」「Battlefield 5」「Gears 5」などが挙げられています。E3 2018で発表された作品の中でも注目度の高いものが女性主人公を採用していますが、全体における割合はわずか8％です。

The Last of Us Part II – E3 2018 Gameplay Reveal Trailer | PS4 - YouTube


Wolfenstein: Youngblood – Official E3 Teaser - YouTube


「Battlefield V」公式発表トレーラー - YouTube


Gears 5 - E3 2018 - Announce Trailer - YouTube


なお、Feminist FrequencyはE3のライブイベントの中で女性が登場するケースが少ないと指摘しており、依然としてゲーム業界では男性が主要な役職に就いていると指摘しています。

また、Feminist Frequencyは性別とは別に「E3 2018で発表されたゲームが戦闘ゲームかそれ以外のジャンルか」でも分類しており、全体の78％戦闘ゲームであることが明らかになっています。