リアル「ラプンツェル」が暮らす村が中国にある
「世界一長い髪の村」と呼ばれる中国・Huangluo Village(黄洛瑤集落)の女性は、人生でたった1度、成人式でだけ髪を切ります。3000年もの間、長い髪が「美しさの象徴」とされてきた黄洛瑤集落の女性たちの生き方について、Great Big Storyがムービーで迫っています。
China’s Village of Real-Life Rapunzels - YouTube
長い髪をふわりとたなびかせる女性たちが暮らすのは……
中国・広西省の竜勝各族自治県にある小さな村、黄洛瑤集落。
Pan Yongyanさんも黄洛瑤集落で生まれ、暮らす1人です。
窓を開け……
髪をたらす姿はまさにラプンツェル。
2018年現在、集落に暮らす女性は200人以上。女性たちはみな美しく長い髪を持っているので、集落を訪れた人はその美しさの秘密を知りたがるそうです。
村の様子はこんな感じ。歴史が感じられます。
集落の女性たちは80歳になっても白髪がないとのこと。その秘密は若い頃に、お米の煮汁で髪を洗っているためだといいます。
煮汁の中にハーブやブンタンの皮、お茶のぬかなどを入れ、煮立たせます。
フタをしてぐつぐつ。
そしてその煮汁で3日ごとに髪を洗います。髪の先をごしごし洗い……
地肌までしっかりと。
ケアをおこたらないYongyanさんの髪の長さは1.6mにもなるそうです。
髪の重さを意識したことはないとのことですが、だいたい1.32~2.65ポンド(約600~1200グラム)ほどだと推測されています。髪を川で洗うこともある様子。
民族衣装を着た女性たち。
川を渡っていきます。
付け毛のようなものをとかしています。
女性は17歳になると一度髪を切り、その後は二度と切らないそうです。
切った髪はヘアスタイルを変える手段として、ウィッグのような感じで使います。
母親になると、女性は2束の髪を使うようになります。
1つはセレモニーで断髪した時の束、もう1つは毎日クシでといているうちに落ちた髪を集めたものからできた束です。
髪の束を頭に巻き付けていきます。
頭の前方で束ねる髪型は子どもがいることの印だとのこと。
こんな感じ。
一方、丸いかぶりものの中に髪を入れこむ髪型は未婚女性を表しているそうです。
そしてスカーフで髪を包み混みます。
ターバンのような感じです。結婚した夜に女性はスカーフを外すようになります。
黄洛瑤集落の女性の髪型は3000年の歴史を持ちます。
長い髪は神聖であり、中国文化の一端をになうもの。
「伝統を受け継ぎ、それを次の世代に渡していくことを誇りに思います」とYongyanさんは語りました。
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