サイエンス

ケニアで起きた大きな亀裂はアフリカ大陸が2つに分裂する予兆であると科学者が指摘


2018年3月にケニアでは豪雨により洪水が発生し、病院の壁を崩壊させたり、高速道路を通行できない状態にするなど大きな被害を与えています。さらにこの豪雨は、アフリカ大陸を南北に縦断する「グレート・リフト・バレー」周辺に大規模な地割れを発生させました。科学者は、この地割れが今後数千万年の間にアフリカ大陸を2つに分裂させることを予兆していると指摘しています。

Is Africa splitting into two continents? — Quartz
https://qz.com/1242704/is-africa-splitting-into-two-continents/

ケニアで大きな被害をもたらした豪雨は、グレート・リフト・バレーのマイ・マヒウの町の近くで、全長数キロメートルに渡る大きな地割れを引き起こし、主要な高速道路を陥没させたり、近隣の住宅や農家にも被害を与えています。地割れが発生した原因について、「地震活動が原因で発生した」と指摘する地質学者もいますが、地震活動ではなく、地下の火山灰層に大量の水が入り込みパイピング現象が発生したことが原因だと指摘する声もあり、一部で議論を巻き起こしています。


グレート・リフト・バレーの一部である東アフリカリフトシステム(EARS)は北部のアデン湾から南部のモザンビークまで数千キロに渡って伸びています。EARSは2018年現在でも活発に活動しており、最終的には大陸を分断し、ソマリアとケニア、エチオピア、タンザニアの一部が新しい大陸を形成すると考えられています。

科学者たちによると、このアフリカの角と呼ばれる地域で地割れが発生したのは、これが初めてではないとのこと。以前はエチオピア、エリトリア、ジブチを横切るアファール盆地で地割れを確認していたそうで、これらは約1億3800万年前に発生したアフリカ大陸と南アメリカ大陸が分裂したプロセスと同じであることが確認されています。

ロンドン大学の構造地質学の研究員ルシア・ペレス・ディアス氏によると「突然、高速道路の分断や壊滅的な地震などが発生することで『大陸の分断が始まる!』と危機感を覚えることになるかもしれませんが、実際は誰も気づかない間にアフリカ大陸が分かれることになります」と話しており、アフリカ大陸の分裂は驚異的なスピードで進行しておらず、ゆっくりと進行していることを示唆しています。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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