ベゾス氏が「Amazonで築いた富を宇宙旅行事業実現のために使う」と発言

Amazon創設者であり、世界一の資産家に輝いたばかりのジェフ・ベゾス氏が、今はまだ多額の費用がかかる宇宙旅行を身近な存在にするために私財を投じて開発を進める意向を語りました。

Bezos Says He’ll Spend ‘Amazon Lottery Winnings’ on Space Travel - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-03-12/bezos-says-he-ll-spend-amazon-lottery-winnings-on-space-travel

Jeff Bezos ate iguana, wants his mom to go to space, more: Report
https://www.usatoday.com/story/tech/talkingtech/2018/03/12/jeff-bezos-explorers-club-dinner/416258002/

航空宇宙企業「Blue Origin」を立ち上げた人物でもあるベゾス氏は、2018年3月10日にニューヨークで開催されたThe Explorers Clubの年次総会で「Buzz Aldrin Space Exploration Award」を受賞しました。この賞は「外宇宙の探査において成果を挙げて、宇宙探検家バズ･オルドリンの精神を具現化した人物」に贈られるもので、ベゾス氏のこれまでの活動が評価されています。

受賞スピーチの中でベゾス氏は、宇宙旅行をテーマパークにでも遊びに行くようなニュアンスで「宇宙に入場することは非常に高価です。私はいま、Amazon宝くじで得た賞金を使って宇宙の入場料を下げ、誰もが太陽系探査に行くことができるようにしている最中です」と語っています。事実、ベゾス氏は自身が保有している資産から10億ドル(約1060億円)に相当するAmazonの株式をおよそ1年かけて売却して、Blue Originの資金に充てる方針であることを明らかにしています。記事作成時点でベゾス氏の総資産は1310億ドル(約13兆9000億円)で、そのうちAmazonの株式が1250億ドル(約13兆3000億円)を占めているとのこと。しかも、ベゾス氏の母親であるジャッキー･ベゾス氏によると、Amazon株による資産額は「増え続けている」とのことで、たしかに1000億円程度のお金をポンと提供するだけの資産を持っている模様です。

ベゾス氏は苦楽を共にしてきた母親のジャッキーさんをとても大事にしており、母親を宇宙に連れて行きたいという願いも込められている様子。ジャッキーさんはすでにベゾス氏の宇宙関連の取り組みにも参加しており、アポロ計画の際に使用されたロケットエンジン「F-1ロケットエンジン」を海底から引き上げる際にも船に乗って同行していたとのこと。

アポロ計画で使用されたエンジンをAmazonのCEOが深海からサルベージ - GIGAZINE

ベゾス氏は、どの程度の私財を投じることになるのかについて明言は避けたとのことですが、授賞式の参加者の一人によると「母親の面倒を見るために十分なお金」さえあれば全て使っても良いという旨を語っていたそうです。

2017年に「私は母親と一緒に宝くじに当たった。文字どおり何から何までありがとう、ママ」というツイートを古い写真と一緒に投稿していたベゾス氏。

参加者からは「宇宙のことも重要だが、地球の海洋にも注意を向けて欲しい」という声も挙がっていたとのこと。当のベゾス氏は地球のことについても関心を寄せているようで、「私たちは数々の探査機を太陽系の惑星へと送りこんできました。でも信じてください、地球こそがベストの星です。私たちが住んでいるこの世界は、間違いなく宝です」と語ったそうです。また、「破壊されゆく地球のバックアップ」として宇宙に目を向けることについては「モチベーションにならない」とし、「私はこの世界が、自分の孫のその孫が暮らせる世界であってほしい。また、ダイナミックな世界でもあって欲しい。私は静止状態であることに興味はありません。そしてこの星は限りあるものなのです」と述べています。

なお、この年次総会には珍しい料理の数々が出されていたとのことで、Bloombergはイグアナ料理を口にするベゾス氏の様子をツイートしています。