小さな子どもの頭脳を育む効果的な「読み聞かせ」のコツとは?


子どもといっしょに絵本や本を読む「読み聞かせ」は子どもの能力を育む効果があることが知られており、有効な幼児教育の方法とされています。アメリカの研究者が、読み聞かせは生後6カ月の幼児にさえ有効であることと、より効果的に行う方法を研究から明らかにしています。

For baby's brain to benefit, read the right books at the right time
https://theconversation.com/for-babys-brain-to-benefit-read-the-right-books-at-the-right-time-83076

フロリダ大学で心理学を研究するリサ・スコット教授が、幼児に本を読み聞かせることで脳にどの様な反応があるのかを調べました。すでに読み聞かせにおいて、本を数多く読ませることが効果的である可能性が高いことが分かっていますが、スコット教授は今回の研究においては、本の「量」ではなく、より効果的な読み聞かせ方法がないかを探ろうと本の「質」について探ろうとしています。

実験では、生後6カ月の赤ちゃんを対象にして特定のキャラクターが登場する絵本について読み聞かせ、頭に取り付けた128個のセンサーを持つ「electroencephalography(EEG)」と呼ばれる装置を使って読み聞かせでの脳波を計測して、赤ちゃんの反応を調べました。


また、アイトラッキング装置を用いて赤ちゃんが何に注意を惹きつけられているのかなども調べられました。


読み聞かせ時の脳波測定が済むと、被験者の赤ちゃんは3つのグループに分けられました。あるグループ(Aグループ)には、脳波測定で使った絵本で登場したキャラクターすべてに固有の名前(呼び名)をつけた状態で物語が展開する絵本が与えられました。別のグループ(Bグループ)には、Aグループに与えたものと同じ内容で、登場するキャラクターすべてに例えば「Hitchel」というような単一の名前をつけた絵本が与えられました。そして、残ったグループ(Cグループ)には絵本が与えられませんでした。


3つのグループの親には、持ち帰った絵本を使って3週間、赤ちゃんに読み聞かせを行ってもらいました。もちろんCグループには絵本は与えられなかったので、実験で使われたキャラクターが登場する絵本の読み聞かせは行われていません。

3週間後、3グループすべての赤ちゃんに、最初と同じような脳波測定が行われたところ、Aグループの赤ちゃんだけが前回よりも脳活動が活発で、絵本のキャラクターに注意を集めることと、個々のキャラクターを区別していることが分かりました。絵本を与えられなかったCグループの赤ちゃんはもちろんのこと、同じキャラクターが登場する絵本の読み聞かせをしていたにもかかわらずBグループの赤ちゃんは個々のキャラクターを区別できず、キャラクターへの注意は前回と変化がなかったというわけです。

この実験結果から、スコット教授は生後6カ月という早い時期から赤ちゃんは物を区別する能力があることと、個々のキャラクターを区別する「呼び名」を使い分けることが違いを見分ける認識力を高めることに有効であると結論付けました。つまり、読み聞かせる絵本の種類によっても子どもの能力を高める効果に違いがあるというわけです。


スコット教授は、どの本が質が高いと言えるかは、赤ちゃんによって違い、また赤ちゃんの成長に合わせて変わる可能性があると考えています。そこで、質の良い本とは、赤ちゃんが喜んだり興味を示したりする「赤ちゃんが好きな本」だと述べています。

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