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サイエンス

「睡眠も重要な学習の1つである」と研究者が提言


試験前日に一夜漬けしてテストを乗り切ったという経験をした人は多いはず。しかし、一夜漬けをしても記憶は全く定着せず、テスト直前まで暗記するより、前日までに覚えて一晩寝る方が効果的なことを示す研究結果があるのも事実です。イギリスのロイヤル・ホロウェイ大学で心理学の講師を務めるジャッケ・タンミネン氏は、学習において睡眠がなぜ重要なのかを説明しています。

BBC - Future - Why sleep should be every student’s priority
http://www.bbc.com/future/story/20180815-why-sleep-should-be-every-students-priority

タンミネン氏の研究プロジェクトでは睡眠時間が記憶の形成に効果があるかどうかの実験を行っています。実験では、語学の勉強を行った日の夜を「寝ずに過ごしたグループ」と「通常通りの睡眠を取ったグループ」に分け、1週間後にテストを行いました。すると、通常通り睡眠をとったグループの方がすぐに単語を思い出すことができ、得点も高かったそうです。この結果から、睡眠が記憶の定着を助ける効果があることが示されています。タンミネン氏は「寝ている間、勉強をサボっていると考える人は多いと思いますが、実際は寝ている間こそ記憶を定着させるために、脳は学習を行っているのです」と語っています。

睡眠にはレム睡眠ノンレム睡眠があります。そして、ノンレム睡眠は睡眠の深さによって4段階に別れていますが、記事作成時点でタンミネン氏はこの中で3段階目と4段階目にあたる徐波睡眠(SWS)の研究を行っています。同氏によると、「SWSは語学だけでなく、さまざまな知識の蓄えるために重要な役割を担っています。SWSの間に脳は海馬と大脳新皮質が絶えず情報のやり取りを行っていて、知識の長期記憶化のために活動しています。このとき、単に記憶を脳に定着させるだけでなく、さまざまな知識を組み合わせて新たなアイデアを生み出すことがあります」と述べており、SWSを少しでも長い間行うことでより深い知識を得られることから、一定の睡眠時間の確保は重要であるとのことです。


SWSの時間は年齢によっても変わることがわかっており、特に子どもは大人よりも時間が長いことが明らかになっています。エバーハルト・カール大学テュービンゲンの研究では、子どもの記憶形成に睡眠がどのように関わるかを調査しており、子どもの学習能力が非常に高いのはSWSの時間の長さに関係していることを示唆しています。研究に携わったカタリナ・ジンケ氏は「子どもにとって、睡眠が学習をより効率的にしています」と述べています。

タンミネン氏は「何かの学習をした後にぐっすりと眠って記憶を整理することがとても重要です」と語っており、受験勉強や資格試験の勉強を行う時は、睡眠時間も正しく計画しておくことが学習効果を高めることにつながると説明しています。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log